2018年7月29日の日経新聞8面に「あらゆる情報、グーグルに」という記事が載っていた。
記者は普段からgmailを使い、グーグルドライブにローン書類を保存していた。
つまり、日常的にGoogleを利用していたわけだが、それらの情報を「持ち出し」してみたら、Googleのサーバに全て保存されていて驚いた、という話だ。
データをダウンロードする手順
記事を読んで面白そうだと思ったので、僕もGoogleのデータをダウンロードしてみることにした。
手順を残しておくので、もし興味がある人がいたらやってみてほしい。
(手順の説明はなんかしっくりこないので「ですます」調で)
「自分のデータをダウンロード」ページを開きます。
ダウンロードしたいサービスにチェックを入れておき、「次へ」をクリック。
次のページで「アーカイブ形式のカスタマイズ」と表示されますが、基本はそのままでOKです。
「アーカイブ」というのは、たくさんあるファイルを一つのまとめることで、
「カスタマイズ」とは、どういう形式(zip, gzなど)でまとめるかを選べるということです。
「アーカイブを作成」をクリックします。
すると、アーカイブの管理画面に飛びます。
ここでしばらく待つと、Googleがデータをまとめてくれます。
まとめ終わったらGoogleからメールが届くので、気長に待ちましょう。
僕の場合はデータ量は全部で14.5GBあり、2時間かかりました。
Gmailに届く「Google のデータ アーカイブをご利用いただけるようになりました」というメールを開き、「アーカイブをダウンロード」というボタンをクリックすると、データをダウンロードすることができます。
検索キーワードには人の「心の中」が詰め込まれている
Googleの「データ持ち出し手続き」を行えば、過去の検索履歴も遡ることができる。
ダウンロードしたzipファイルを展開し、index.htmlをブラウザ(ChromeやSafariのこと)にドラッグ&ドロップする。
すると、こんな画面が表示される。
次に「マイアクティビティ」をクリックする。
「マイアクティビティ」の中には「検索」「画像検索」「動画検索」などの検索履歴が......
今回データを取得したアカウントを使い始めて6年経っただろうか。
これまでの全ての検索履歴が保存されているようで、僕は自分の検索の歴史を見て驚いた。
目を覆いたくなるようなピンクキーワードばかりだったのである。
あまりに生々しくて詳細は語れないが、試しに「巨乳」でワード検索してみたら、213個もヒットした。
これは全てのデータの一部の情報で、「画像検索」「動画検索」まで調べたらもっとたくさんのピンクワードが集まっているに違いない。
煩悩の塊のような検索履歴である。
14GBあるデータの2GB分のzipファイルを開いただけでこれほどの「巨乳」の検索履歴が発掘されるとは...。
俺は一体、この6年の間にどれだけ巨乳を求めていたんだ...。
検索キーワードにはその人の願望が詰め込まれている。
悩み、欲求、興味、趣味....
今では何かの行動の起点が「検索」となることも珍しくなく、「まずググる」という人はたくさんいるだろう。
その検索の記録は全てGoogleのサーバに残されており、僕は自分の「ピンクワードの歴史」を目の当たりにして顎が外れた。
記録には「検索キーワード」から「アクセスしたページ」まで全て残されているのだ。
もちろん、Googleのサーバに個人の情報が保存されているからといって、大きな危険があるわけではない(と思う)
僕のピンクワードに社会的な価値などほとんどないし、第三者がアクセスできないように管理されているはずで、ユーザーとしての不満や不安はない。
検索品質の向上に自分のデータを役立ててもらえたら本望だ。
だが一方で、検索履歴に個人の願望(巨乳)や欲求(巨乳)が詰め込まれていることには変わりなく、それらの情報は下手に流出してしまうと信用を失ってしまう結果になりかねない。
恋人の疑わしい行動などはGoogleのデータを見れば全て筒抜けになってしまうだろう。
Googleマップの情報も保存されているのだから。
EU一般データ保護規則(GDPR)などをきっかけに、個人情報の保護に対する意識が高まっている。
ウェブサービスの利用履歴は個人情報の塊だ。
ネットの利用履歴にその人の行動の多くが詰め込まれている。
僕たちはウェブサービスなくして生活できないような時代に生きているからだ。
「データ持ち出し」できるのはGoogleだけではない。
一度自分のデータがどのように保存されているのかを確認してみるのもいいだろう。
何より、データから自分の歴史を辿れるのでとても面白い。