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制作メモ

デザインで工夫したところ、用紙・加工などの制作にまつわるお話です。

清水良洋

山の湯温泉

題名:山の湯温泉
判型:B全
印刷:関西美術印刷


画 :田中海帆さん
AD&D:清水

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〈ポスターを描く4〉で田中海帆さんと組んで制作した
〈山の湯温泉〉のポスターです。


テーマ決めで海帆さんと色々相談している際に
「女の子の肌が描きたい」と海帆さんが言うのを
僕が「肌」を「ハダカ」と勘違いし(#⌒∇⌒#)ゞ
〈山の湯温泉〉をテーマしようと提案。


因に海帆さんは女学生を描く事が多く
前回の個展では小冊子をマルプでデザインしました。
そして今回は普段あまり描かない男子を描いた個展が開催されます。
皆さん是非是非お足をお運び下さいまし。


〈山の湯温泉〉に話を戻しますと
ここは佐野と僕のお気に入りで
仕事帰りにひと風呂浴びて帰宅してます。


湯加減もよく、清潔で実に気持ちのイイ銭湯なのですが
お客として行っているだけなので
突然番台へ「ポスター作らせて下さい」とお願いした時は
キョトンとされましたが、快諾頂きました。


タイポグラフィはタイルを模し、機械的な均一感を避け
ひとつひとつ置きました。
文字をちょっと濡れた感じにしたりと
案外に手を入れてるんですよ。


脱衣所の絵は構図など相談しつつ、海帆さんの描いたままです。
俯瞰の湯船の方は、パーツで描いたものなど僕が合成し
湯煙など足してます。


出来上がったポスターはフレームに入れ
番台の両脇に飾って頂いてます
僕は自分のデザインしたポスターを眺めながら湯に浸かる
というなんともグラフィックデザイナー冥利に
尽きる愉しみを味わってます。


海帆さんもポスターに導かれ〈山の湯温泉〉へ
ギャラリー内で完結する事なく、自分の描いた絵によって
色々な出会いや場所へと拓かれて行くのってイイなと思います。
〈ポスターを描く〉はそうした機会へと繋がる
ワークショップでありたい、と当時の僕は思ってました。


ポスターを描く〉は2〜4、と巡回展に関わりました。
〈ポスターを描く〉はイラストレーターが参加費を支払い
グラフィックデザイナーは講師という役割で参加費は支払わず
イラストレーター自身のみでは制作出来ないテーマや刷り、
そしてデザインをします。


イラストレーター意欲を持っての参加ですが
それを受け止めるグラフィックデザイナーの方も
物理的にも精神的にも相当な負担になります。
そういうセッションを経て出来上がったポスターは
感慨もひとしお、達成感なるやそりゃ〜もうです。


参加者が顔を合わせて途中経過を報告しあう時
そして搬入で出来上がりをお披露目する時の緊張感たるや
参加者しか味わえない醍醐味です。


僕からお声掛けするグラフィックデザイナーが固定化しない様
またグラフィックデザイナー諸氏のご負担にならぬ様にと
〈ポスターを描く〉は4で僕は降板し、マルプOB黒瀬に舵取りを委ねました。


今の〈ポスターを描く〉は僕の考え方と変わって
新しい方向性となって5、6と大盛況と聞いてます。
これからも〈ポスターを描く〉は関わった皆さんにとって
よき機会になったらと陰ながら願います。


僕はやはりギャラリーの中での展示が目的のポスター制作より
ポスター制作が人や街との関わりが広がる機会とすべく
数年〈池ポス〉を試んでみます。
今年の〈池ポス〉が動きだし改めてそう思う


最後にもう1度田中海帆さんの個展!どぞよろ!!

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