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半パンやサンダル、破れたジーンズ

 では、どんな服装が常識の範囲を逸脱しているのでしょうか。筆者が経験した、服装や身だしなみの相談例には次のようなものがありました。

 半パン、サンダル、破れたジーンズ、派手なアロハシャツやTシャツ、目立つ茶髪や金髪など。通勤は自由でも、社内では会社ルールに従わなければなりません。

 特に年配の社員は不快に感じるのではないでしょうか。服装を常識の範囲内で自由とするとだけ職場で通知すると、上記のような服装や身だしなみの社員が出てくるものです。上長や先輩が注意すると「ダメだというルールを聞いていない」と反論します。中には「表現の自由」「自己決定権」などと主張する面倒な社員もいます。普通の感覚からすれば、あきれて物が言えません。

 こうした時は、あくまで会社内の風紀ルールだと説明しましょう。プライベートタイムは好き勝手してくださいと。

 服装ルールは会社や職場で決めればよいことです。学校でいえば制服を指定しているようなものです。もう大人の集団なのに細かい服装ルールまで決めなければならないのは情けない話ですが、そうした会社では常識論ではなくルールを作っておかなければならなくなります。服装の乱れは心の乱れ。他のトラブルにも発展しかねません。身だしなみの問題が多くなると、スーツやカッターシャツが原則となるかもしれません。問題社員がいたら他の社員にも迷惑をかけます。

 例年、このような相談があります。みんなが常識の範囲で対応すれば、会社のルールも必要ありません。そうでないために、サンダルや半パン禁止などルール化している会社がいくつもあります。会社によっては襟のあるシャツはOK、ジーンズOK、ただし破けたジーンズはNGなどと細かく決めている場合もあります。

杉本 一裕(すぎもと かずひろ)
1985年メーカー系IT企業に入社。多数の大企業にて勤怠・給与・人事制度の業務コンサルティングを手掛ける。在職中の2007年には総務省年金記録確認/大阪地方第三者委員会の専門調査員を兼務。退職後、社会保険労務士事務所のSRO労働法務コンサルティングを開業。IT企業をはじめ、製造業や病院、大学、鉄道、販売流通業など幅広い業種のコンサルティング業務に従事。労務リスク回避や労務管理に関する専門家として、 講演や執筆活動も行っている。