日本カルチャーを取りいれて、海外で発展する”日本アニメスタイル“
時間が少し空きましたが、今回は6月に開催しました「COMEMOxアニメビジネス NIGHT OUT vol.2“アニメを作るお金をどこから?外資から見た日本アニメ”」でいただいた質問をもとに「日本のアニメのスタイル」について取り上げます。
質問はこちらです
“日本のアニメスタイルとは具体的に何なのか?”
“日本のアニメスタイルとは具体的に何なのか?”
■ 『アリータ:バトル・エンジェル』、ヒロインの大き過ぎる瞳のなぜ
突然ですが、2018年12月公開予定の映画『アリータ:バトル・エンジェル』をご存知でしょうか? 日本のマンガ家・木城ゆきとさんの『銃夢』をジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲス監督で実写化するハリウッド大作です。企画のスタートは、『タイタニック』や『アバター』で大ヒット作を飛ばしたジェームズ・キャメロンが、『銃夢』のファンだったことにあります。
プロジェクトは2000年代初頭よりありましたが、一般の知名度の不足もあり、なかなか映画化のGOサインがでませんでした。それが昨今の日本コンテンツブームもあり、いよいよ世界公開になります。
予告編をすでに公開していますが、ヒロイン・アリータのビジュアルがなかなか興味深いです。細身の華奢な身体に、その瞳は人間のものとは思えない大きさです。CGで加工しているのは明らかです。
アンバランスさを強調することで、アリータが普通の人間でないことを表現してますが、同時に日本アニメやマンガの絵をそのままを実写に置き換えてもいます。そこに「ANIME」、「MANGA」と呼ばれてきた、日本カルチャーに対するアメリカの視点の変化があります。
日本のアニメの特長は、子ども向けから大人向け、SF・ファンタジーから日常、社会派まであるような多様なジャンルとされています。テーマの豊かさと広さこそが、強みなのだと。
同時に海外の人は、日本のアニメは、ほとんどどの作品も一目で日本製だと見分けます。多様性とは裏腹に、日本ならの共通するものがあるからです。
それは大きな瞳だけでなく、細くて華奢な身体、青、緑、ピンクといった現実には存在しない髪の色など。さらに止め絵の多用といった動きの表現、突然異世界に召喚されたり、美少女が次々に主人公に好意を抱くといった設定にまで及びます。
全部を挙げることはとてもできませんが、日本のファンがあまり気にしない、普通と思っているようなことも多く含まれます。それは戦後数十年にわたり日本アニメが積み上げてきたものです。
プロジェクトは2000年代初頭よりありましたが、一般の知名度の不足もあり、なかなか映画化のGOサインがでませんでした。それが昨今の日本コンテンツブームもあり、いよいよ世界公開になります。
予告編をすでに公開していますが、ヒロイン・アリータのビジュアルがなかなか興味深いです。細身の華奢な身体に、その瞳は人間のものとは思えない大きさです。CGで加工しているのは明らかです。
アンバランスさを強調することで、アリータが普通の人間でないことを表現してますが、同時に日本アニメやマンガの絵をそのままを実写に置き換えてもいます。そこに「ANIME」、「MANGA」と呼ばれてきた、日本カルチャーに対するアメリカの視点の変化があります。
日本のアニメの特長は、子ども向けから大人向け、SF・ファンタジーから日常、社会派まであるような多様なジャンルとされています。テーマの豊かさと広さこそが、強みなのだと。
同時に海外の人は、日本のアニメは、ほとんどどの作品も一目で日本製だと見分けます。多様性とは裏腹に、日本ならの共通するものがあるからです。
それは大きな瞳だけでなく、細くて華奢な身体、青、緑、ピンクといった現実には存在しない髪の色など。さらに止め絵の多用といった動きの表現、突然異世界に召喚されたり、美少女が次々に主人公に好意を抱くといった設定にまで及びます。
全部を挙げることはとてもできませんが、日本のファンがあまり気にしない、普通と思っているようなことも多く含まれます。それは戦後数十年にわたり日本アニメが積み上げてきたものです。
© TadashiSudo
■ 「奇妙」から「カッコいい」に転換した日本スタイル
こうした日本スタイルは、必ずしもポジティブに受け止められてきたわけはありません。目の大きな女の子は、しばしば変な日本のキャラクターや表現の代名詞でした。
暴力表現やセクシュアリティの問題になることもあります。例えば、アクションたっぷりに活躍する美少女のスカートの丈が短すぎるのが、ケシカランという話も聞いたことがあります。
ところがこれをこれまでよりポジティブに捉えられることが増えています。実写作品の大きな瞳の美少女は、この春に公開された『レディ・プレイヤー1』のヒロインのアバターにも見られました。そうした表現が「奇妙」から「カッコいい」に転換しつつあるようです。
さらにアメリカだけでなく、アジア、ヨーロッパなどで、日本のアニメ・マンガスタイルを自身の作品に取りいれる動きが広がっています。
アメリカで生まれたウェブCGアニメーション『RWBY』は、まさにそうした大きな目の美少女たちが活躍するヒット作です。
中国で大ヒットになったスマホアプリゲーム『陰陽師』。舞台が日本の平安時代であるだけでなく、キャラクターや演出にも日本作品のイメージをかぶせます。
フランスのコミック『ラディアン』は、日本の少年マンガのような頭身を落としたシンプルな力強いキャラクターが繰り広げる冒険ファンタジーです。ヨーロッパであまりないモノクロ作品です。
こうした作品は日本の模倣というよりも、日本のアニメ・マンガで育った世代が、自分たちに心地よいものとしてそれを吸収した結果です。オリジナリティもたっぷりです。ファンからの支持が高いのも共通しています。
暴力表現やセクシュアリティの問題になることもあります。例えば、アクションたっぷりに活躍する美少女のスカートの丈が短すぎるのが、ケシカランという話も聞いたことがあります。
ところがこれをこれまでよりポジティブに捉えられることが増えています。実写作品の大きな瞳の美少女は、この春に公開された『レディ・プレイヤー1』のヒロインのアバターにも見られました。そうした表現が「奇妙」から「カッコいい」に転換しつつあるようです。
さらにアメリカだけでなく、アジア、ヨーロッパなどで、日本のアニメ・マンガスタイルを自身の作品に取りいれる動きが広がっています。
アメリカで生まれたウェブCGアニメーション『RWBY』は、まさにそうした大きな目の美少女たちが活躍するヒット作です。
中国で大ヒットになったスマホアプリゲーム『陰陽師』。舞台が日本の平安時代であるだけでなく、キャラクターや演出にも日本作品のイメージをかぶせます。
フランスのコミック『ラディアン』は、日本の少年マンガのような頭身を落としたシンプルな力強いキャラクターが繰り広げる冒険ファンタジーです。ヨーロッパであまりないモノクロ作品です。
こうした作品は日本の模倣というよりも、日本のアニメ・マンガで育った世代が、自分たちに心地よいものとしてそれを吸収した結果です。オリジナリティもたっぷりです。ファンからの支持が高いのも共通しています。
日本スタイルは、今後も世界的にまだまだ増えそうです。さらにそれは海外展開を目指す日本コンテンツの強力なライバルに育っており、日本の作り手もうかうかしてられません。
残りの質問ですが、引き続き配信関連が多くなっています。配信についてはお話したいことも多いですが、COMEMO BY NIKKEIの今後のテーマに取り上げるかも!と思っています。
ですので、今回の回答はなしとして、引き続きセミナーにご参加いただけますとありがたいです!
残りの質問ですが、引き続き配信関連が多くなっています。配信についてはお話したいことも多いですが、COMEMO BY NIKKEIの今後のテーマに取り上げるかも!と思っています。
ですので、今回の回答はなしとして、引き続きセミナーにご参加いただけますとありがたいです!
次回の「COMEMOxアニメビジネス NIGHT OUT」は9月20日、「融合するアニメ業界とゲーム業界!」がテーマです。
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