ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
とんでもない難易度は数々の悲喜こもごもな思い出をもたらした「ロマンシア」
2018年7月31日 06:05
当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、その難易度の高さなどが話題になったアクションアドベンチャーゲーム「ロマンシア」を見ていきます。
日本ファルコムの“ドラゴンスレイヤー”シリーズは木屋善夫氏プロデュースの一連の作品ですが、「ドラゴンスレイヤー」「ザナドゥ」「ザナドゥ シナリオII」に続く作品として登場したのが、最初は“Dragon Slayer Jr.”で後に“ドラゴンスレイヤー3”となった「ロマンシア」です。「ザナドゥ シナリオII」とは打って変わって、ポップな色使いの画面を可愛らしいキャラクターがちょこまかと動くため、当初は簡単そうに思ったものです。
当面の目的は、ロマンシア王国の王女セリナを助け出すことですが、最終的にはシリーズを通してのお約束が待っています。本作はRPGのように見えて謎解き要素を含んだアクションゲームとなっているのですが、アクションの腕よりは隠された謎が解けるかどうかがとにかく重要でした。ゲーム中はほぼノーヒントのため、手に入れたアイテムの使い道が分からないことは日常茶飯事で、プレイしながらその謎も明かしていかなければなりませんでした。ハマりに気づかず先へ進んでしまい、途中で進行が行き詰まってしまうこともしばしば。
当時、クリアしてエンディングを見ていますが、今プレイし直して最後まで進められるとは到底思えません。隠しコマンドを使えばコンティニューすることもできましたが、ハマり状態でコンティニューしてしまうと結局は最初からやり直しとなってしまいます。一つ一つの謎に対してトライ&エラーで正解を導き出した後、正解の手順通りに通してプレイすることで、初めてエンディングへとたどり着くことができるのでした。
マニュアルを読むと、都築和彦氏によるヒント満載? のマンガが掲載されていて、これを読めば序盤の進行が随分と楽になります。しかし、購入後はマニュアルを見ずに始めることが多かったため、ヒントが描かれていることを知らずにプレイして詰まることがよくありました。読めば、カルマを貯めることが重要、という基本的なこともちゃんと記されているのですが(笑)。
とはいえ、高い難易度を除けば美しい画面やキャラクター、洗練された動き、スムースなスクロール、良く出来たアクションと、さすがファルコム! と思わせるハイクオリティな作品でした。当時はまだまだ“難しいゲームが良い”とされていた時代でもあり、今考えると本作の高難易度も致し方ないものだったのかもしれません。
なお、音楽は前作「ザナドゥ シナリオII」に引き続き阿部隆人氏と古代祐三氏(オープニングを担当)が制作しており、高い難易度をBGMが癒してくれたという話を良く耳にしました。実際、今聞いても素晴らしい楽曲が複数収録されていますので、プレイする機会があればじっくりと鑑賞するのも良いと思います。
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