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 「夜パフェ専門店 パフェテリア パル」の美しきパフェ……! 
	
	飲んだあと、シメにパフェを食べる。 
札幌のすすきのを中心とした地域にひろがる食文化である。 多くのメディアが取り上げており、各地の百貨店の催事にも進出している。ご存知の方も多いかもしれない。 しかしパフェか。夜食べるものという発想がこれまであまりなかった食べ物だ。 現地を取材し関係者の方に話を聞いたところ、札幌でしか組みあがりえないパズルが絶妙に組みあがった結果発達した文明であるということが分かった。 
	
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。 
				
			前の記事:「みたことがない食べ物を10品集めたら話題性がすごかった」 人気記事:「決めようぜ最高のプログラム言語を綱引きで」 > 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes 「シメにパフェを食べる」とははじめに一旦様相を整理しておきたい。 
シメにパフェを食べるという札幌のこの状況、どういうことなのか。ざっくりだいたいこんな感じらしい。 ・すすきのを中心に夜に開店し深夜閉店するパフェ専門の店が多数ある ・長時間並ばねば入れない人気店が多い ・一時のブームではなく札幌の地に確実に息づきつつある ・女性だけではなく男性にもファンが多い 特徴的なのは、夜に開店するパフェ専門の店が多数ある、という部分だろう。パフェの専門店に行列ができるというのも意外だ。 「そういうことになっている」というのだから疑うわけではないが、ちゃんとこの目で確かめてみたいとは常々思っていた。 開店前の店を見るという新しい観光そしてようやく機会を得てこのたび札幌へ到着……! 
	新千歳空港からすすきのへ直行し16時。パフェの店は夜に開くというのが本当であればまだどこも開店前の時間である。 
有名店の「パフェ、珈琲、酒、佐藤」本当に開店前! 「落雪注意」は冬場の行列客向けアナウンスだろうか 
	二号店の「パフェ、珈琲、酒、佐々木」もやはりまだ……! 
	こちらも有名店「ぴーぷる・ぴーぷ」も閉まっている……ウォォ 
	多くの店が18時から19時のあいだにオープンし、閉店は24時すぎ(午前3時閉店の店も)と掲げている。 
疑っていたわけではなかったのだが、夜に開くパフェの専門店がたくさんあるといううわさは本当だったのだ! 旅行に来て「店が閉まっていた」というのはがっかりするものだが、私はいまはじめて閉まった店に来たことに意義を感じ興奮している……。 日本有数の観光地、札幌。閉まってる店でも感激させてくるから強い。 こちらも人気店の「ななかま堂」、テープが引いてあり開店したらさぞ並ぶんだろうなあという雰囲気。うおお……。 
	他の都市にもたとえば喫茶店が夜遅くまでやっていて、そこで飲んだ後にシメのパフェを食べるお客があるという話は聞く(当サイトにもこのような記事がある)。 
が、専門店が数多くあるというのは札幌だけなのではないか。 目で見たぞ。事態は本当だ。 うわさには聞いていたが実際この目で見ると結構驚く。新大陸は本当にあったのだ……!ハトを飛ばして仲間に伝えねば(そのハトがこの記事です)。 シメにパフェ、その思想の過激さ目でみたものの、なんでこんなことになったかは地元の方にしっかり話を聞かねばなるまい。 
今回は「札幌パフェ推進委員会」という地元の振興団体の方にお会いできることになっている。 その前にまずは一旦、シメにパフェを食べるというのがどういうことなのか体験してみようじゃないか。 パフェは「シメ」なので「シメの前段階」からやらねばなるまい。イッヒッヒ 
	季節的にギリギリ滑り込みでアスパラをいただけた。あまい……! 
	アスパラにかかっているのはウニのソース。残ったソースを食べきるためにアスパラのあとにご飯を少し入れましょうかとマスターにすすめていただいてそりゃもう絶対いただくしかないだろう。 
……あれ……。もう締まっちゃってない!? 1人飲み会は気を抜くと締まる 
	うっかり1軒目で幸せに終了しそうになってしまった(私の胃はとてもとても小さい)。このあとのパフェに備え早々にここは引き上げた。 
それにしても、札幌の居酒屋にはうまいものしかないだろう。 にもかわらず1軒目で満腹にせずにパフェに行こうというのはやっぱりちょっと思想が過激すぎなのではないか。 時間は22時に 
	すすきのは平日にもかかわらず観光客らしき人々も多くガッツリした人でだ。 
この人たちのなかにもおそらくシメにパフェをという人がいるんだろうと思うと気がせく。 本当に夜中のパフェ店が大繁盛19時開店、3時閉店というパフェ専門店「幸せのレシピ スイート」にやってきた 
	と、ここで心中の落ち着きをとりもどすべく、すみません助っ人を呼んだので紹介させてもらっていいでしょうか。 
なにしろ気持ちが落ち着かないうえ、1人だと1品しか食べられないので食べ手を呼んだのだ。 スポーツレポーターの高木聖佳さん(左)とタレントの阿井莉沙さん(右) 
	急にあか抜けた方々にご協力いただけることになり恐縮しきりだが、お二人はともにJリーグの川崎フロンターレの応援番組に出演されている。番組はどちらも当サイトと運営元が同じ(イッツコムという会社です)。言ってみればデイリーポータルZときょうだいメディアなのである。 
ちょうど川崎フロンターレと北海道コンサドーレ札幌の試合があったため札幌に来ており協力してもらえることになったのだ。 パフェは1人ではいくつも食べられないのでこれは本当にありがたい……。 お二人にとってもビジネス会食をこなした後。まさにシメのパフェだ 
	きた……! 
	22時の……パフェ……! 
	ガチのパフェだ…!! 
	本当にパフェは頼んだとおりきたし、しかも22時の店内は大大繁盛だ。この時間にパフェを食べるということが、けっして珍しい行為ではないのだ。 
食への意識が高度で初体験の私はうろたえるばかりである。 次ページで詳しくレポートしつつ、有識者へのインタビューへ続きます。 
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