色気のある美青年
私がバイトしてるスタジオの先生(経営者)は、雑誌や広告写真、普通の商業写真はもちろん子供やファミリー写真も撮る。そしてネットでの申込があればヌード写真を撮ることもある。数はそんなに多くないけれど、それでも最近はだんだん増えて来てるそうだ。
このヌード撮影はバイト達の間でも結構人気で、やっぱり安い時給でも将来はカメラでやってくことを目指すバイトにとっては貴重な被写体だからだ。ほとんどは20〜30代の女性。一応ネットでは「18歳以上の方」と限定はしているが実際にはそうじゃないケースもある。そして”女性”とも限定はしていない。だから極稀に男の人の依頼もある。そして今日はその”貴重な男”のヌードを撮るらしく、シフトに入ってないバイトも学校帰りにスタジオに来た。結局、バイトのほとんどにあたる4人と先生がスタジオでセッティングしていた。ドアのチャイムが鳴り、私は先生に指示されモデルさんを出迎えに行った。
若い男「あ、今日撮影お願いしてた村上です。」
鎖骨まで開いたシャツと色気のある顔。私の第一印象はそんな感じで、動揺がバレないように平静を装って彼をスタジオに案内した。
私「モデルさん来られました。」
先生「あー、どうも。えーと村上クン?どーぞどーぞ。いやイケメンだねぇ。」
村上「こ、こんにちは。よろしくお願いします。」
カメラマンはトーク上手でなくては一流になれない。特にモデルを撮影する上ではクチの上手さが作品に影響する。雑誌、広告のモデル達の気分を高揚させるのは、全てファインダーを覗くカメラマンの力量によるモノと言っていい。特に一般のモデルさんの場合は。先生はすでにその体制に入っていることを私達は悟った。まずは天気の話をし、世間話を挟み、やがて服装や髪型などの容姿に触れ、そして本題へと潜り込んで行く。
先生「うん、髪型もカッコいいしさ。じゃ、アッチに着替えるところあるから、そこでイイかな?」
先生は私に目配せし、彼を案内させた。スタジオの隅に置いてあるボックス型の脱衣スペース。私は”中にタオルがありますので”と説明した。私に軽く頭を下げ中へと入った。数分後にはそのタオル一枚だけの姿の彼がココを出て来る。先生はどうだか知らないけど、何度かは経験してきたとは言え、今スタジオの中にいる者全員の心音が聞こえるようだった。
先生は別の子に玄関に「CLOSED」のサインをかけるように指示し、別の子にメーター(露出計)を持たせ”彼”が裸で立つであろう場所を指示する。淡々と作業が進む中、彼のベルトの金具の音がかすかに聞こえる。時間を見計らって先生がボックスに向かって言った。
先生「村上クン、どうかな?そろそろ。」
先生はカメラのモニタを見ながら彼の返事を確認する。
村上「あ。はい。大丈夫です。」
なんとなく力ない彼の声。「じゃ、よろしく!」先生の声が響いた数秒後、ボックスの扉が開いた。大抵このタイミングで、みんな別にどーでもいいような作業をする。さして影響のない小さなゴミを拾ったり、意味なく機材に触れたり。私は普通にボックスを見た。腰のタオルを手でギュっと掴んだ裸の彼が出て来た。スリッパを履いて、前髪なんかを気にしながら。そしてコッチに向かって来る。
先生「うん、じゃコッチいいかなぁ?かっこいいね。やっぱり。カラダも。」
照れる彼に更に話しかける。そう、先生の話術はいよいよ臨戦に入る。
先生「なんかスポーツやってる?モテるよなぁコレじゃ。かっこいいよね。佐々木(バイト♂)と大違いだな。え?」
バイトの子を見せしめにし、先生のアゲアゲは続く。そして
先生「じゃあさ、よし、スリッパと、でタオルはソコに置こうか。」
いよいよ彼は意を決しなければならなくなった。彼は超絶に照れながら、私達の前で全てを晒す。先生はそのタイミングではあえてナニも言わない。その瞬間には触れず、わざとバイトの誰かに話しかけ視線と話題を反らす。私達も視界に彼の部分を捉えながらも、今この時が別に特別じゃない事を装う。
先生は間を呼んで話しかける。「おおぅイイねイイね!綺麗、スンゲー奇麗じゃん。」
そして彼に近づきメーターチェックする。最初は自分からと決まっている。先生の趣味もあるだろうが、やはりモデルがノって来るまでは自らが動くというのが気遣いなんだろう。その頃にはバイト達もじっくり彼を見ることが出来る。彼の特殊な雰囲気を少しづつ馴染ませて行く。
先生は何枚か手持ちで撮り、気に入ったショットをモデルに見せた。
先生「ね、イイよね。」
モデルは恥ずかしそうな複雑な心境で最初の一枚を見る。照れながら大声で笑う人、両手で頬を覆いまっ赤な顔になる人、さまざま。彼は照れ笑いをしながら少し落ち着かない動作をする。彼のソレがプルンっと揺れる。
先生が言うにはモデルの緊張もソコに出るらしい。緊張しているとソコもちょっとこわばって、小さく萎縮するのだと。
先生「オッケー、オッケー、バッチリ。よぉし、じゃ、ちょっと床に座ってくれる?ちょっと冷たいかも知れないけど、あ、なんならマット挽いてもイんだけどさ、なるべく、こう村上クンだけのほうが綺麗だからさ。ちょっと一回座ってみて。」
村上クンは大丈夫です。と先生に告げた。先生は親指を立て、暗黙の指示で今度はメーターを井村さん(♀)に指示。井村サンは凝視しないように意識しながら自分と同じ歳くらいの裸で座る男の子に近づいた。去り際に彼に軽く頭を下げ、彼もまたぎこちなく会釈する。
先生「じゃ、こんな感じに出来る?」
と自ら実演してポーズを提案。先生も見据えながら手や足の位置を確認する村上クン。なんどか先生の指示が入り構図が決まる。
先生「おっけ、そのまま。。。そのままだよ。。。コッチね。」
デジカメのシャッター音が響き、
先生「顔をね、もうちょっと。。あ、そうそう。で、目はね。。。。。ココ。ココを見る感、そーそーそのままね。」
何度もシャッターを押す。そして先生のアゲアゲが入る。
先生「いいね。いいよ。そ、その感じ!そーそー!」
いつもながら見上げたもんだと思う。まるで宝石職人のように、もっと、もっとと彼を磨き上げる。この頃にはモデルはある程度場慣れしてくる。そして先生は遠巻きで見て来たゾーンに入る。
先生「よし、あ、村上くん、ちょっとさ、おチンチン隠れちゃってるからさ。ちょっと見えるように出来るかな?」
先生は”女性は胸、男性は性器を写してこそ”がモットー。♂♀の最大の特徴が写った作品こそが完成体。いつもそう言っている。村上クンは、ちょっと前の恥じらいの表情に戻り足を軽く開いてソレを太ももの上に寝かせた。このタイミングでの「羞恥心」こそ、作品に色を着けるのだと言う。
男性器を露にした彼。先生はそのことに触れず黙々と彼を撮る。何枚も。そして手を止め、ふたたび何枚かを彼に見せる。
先生「ほら。ほら、イイでしょ。ね。やっぱりね、おチンチンが入ると一気に高まるよね。」
先生は定位置に戻り三脚にカメラをセット。そして今までのトーンを抑えた口調で言う。
先生「おチンチン見て。そうそう。色っぽい感じで。そう。。。赤くて卑猥な色だよね。」
勃起させてしまう村上クン。真っ赤な顔で慌てる村上クンに先生はシャッターを押しながら言う。
先生「いいんだよソレで。スゴイよ。スゴイ。」
そしてカメラを三脚から外し手持ちで彼に近づく。先生の本当の作品は、いつもこの時から産まれる。
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