2018年7月30日 11:00
Appleは7月12日、「MacBook Pro」の2018年モデルを発表した。Touch BarとTouch IDを搭載し、新筐体を採用したMacBook Proは今回で3世代目。第8世代CPUを搭載するなど基本性能を着実に強化しつつ、外付けグラフィックアクセラレーター(以下eGPU)と組み合わせ、デスクトップPCクラスの描画性能や、エンコード性能を実現したと謳われている。
今回は13型MacBook ProとBlackmagic Designの「Blackmagic eGPU」を借用したので、2018年モデルのおもな進化点から、単体での性能、eGPUを接続した際の処理性能向上などを検証していこう。なお15インチMacBook Proについても別途記事を掲載する予定だ。
第8世代4コアCPU「Core i7-8559U」を搭載可能
新たに発売されたTouch Bar搭載13インチMacBook Proの標準構成モデルは、Core i5-8259U/8GBメモリ(LPDDR3-2133)/256GB PCIe SSD搭載モデル(198,800円)とCore i5-8259U/8GBメモリ(LPDDR3-2133)/512GB PCIe SSD搭載モデル(220,800円)の2モデル。Touch Bar非搭載モデルも引き続き併売されるが、新モデルは用意されていない。
Apple Storeなどで購入する際には、CPUは第8世代Core i5-8259U/Core i7-8559U、メモリは8GB/16GB、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TB、キーボードは日本語(JIS)/英語(米国)/英語(英国)/中国語-拼音/中国語-注音/韓国語/スペイン語から選択可能。ちなみにCore i7(+33,000円)、16GBメモリ(+22,000円)、2TBストレージ(+132,000~154,000円)を選択した場合の価格は407,800円となる。
【表1】13インチMacBook Pro標準構成モデルのスペック | ||
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Touch BarとTouch ID 2.3GHzプロセッサ 256GBストレージ | Touch BarとTouch ID 2.3GHzプロセッサ 512GBストレージ | |
OS | macOS High Sierra バージョン10.13.6 | |
CPU | 第8世代Core i5-8259U(2.30/3.80GHz) | |
iGPU | Iris Plus Graphics 655(Core i5-8259U:300MHz~1.05GHz、Core i7-8559U:300MHz~1.20GHz) | |
dGPU | - | |
メモリ | LPDDR3-2133 SDRAM 8GB ※16GBに変更可能 | |
ストレージ | 256GB PCIe SSD ※512GB、1TB、2TBに変更可能 | 512GB PCIe SSD 1TB、2TBに変更可能 |
ディスプレイサイズ | 13.3型IPS液晶(2,560×1,600ドット、227ppi、500cd/平方m、Display P3、True Toneテクノロジー) | |
ワイヤレス | IEEE802.11ac、Bluetooth 5.0 | |
インターフェイス | Thunderbolt 3(USB Type-C)×4(充電、Display Port、Thunderbolt(最大40Gbps)、USB 3.1 Gen2(最大10Gbps))、ヘッドフォン端子×1 | |
Touch Bar、Touch ID | 搭載 | |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | |
バッテリ | 58.0Whリチウムポリマー | |
連続動作時間 | 最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧、最大10時間のiTunesムービー再生、最大30日のスタンバイ時間 | |
サイズ | 304.1×212.4×14.9mm(幅×奥行き×高さ) | |
重量 | 1.37kg | |
価格 | 198,800円~ | 220,800円~ |
2018年モデルのおもな進化点について
13インチMacBook Proの2018年モデルのおもな進化点は下記のとおり。
・第8世代クアッドコアプロセッサ搭載
・大容量バッテリ搭載
・True Toneテクノロジー搭載
・Apple T2チップ搭載
・2TB SSDを選択可能に
・第3世代バタフライ構造キーボード採用
・Blackmagic eGPUが登場
まずCPUを第7世代デュアルコアから第8世代クアッドコアに変更することで性能が大幅に向上。製品公式サイトでは音楽制作アプリ「Logic Pro X」、写真編集アプリ「Adobe Lightroom Classic CC」で最大2倍の性能向上を実現したと謳われている。
消費電力向上に伴いバッテリは49.2Whから58.0Whへ大容量化。しかし本体重量は1.37kgと変わっていない。Appleによれば「バッテリアーキテクチャの最適化」によるものとのことだが、具体的な内容は開示されなかった。筐体サイズは変更されていないので、本体重量を維持するために内部的に軽量化が図られているわけだ。
ディスプレイ解像度、輝度、色域は変わらないが、MacBookとしては初めて「True Toneテクノロジー」が採用された。環境光センサー(アンビエントライトセンサー)が色温度を検出するタイプに変更されており、ディスプレイの明るさだけでなくホワイトバランスも自動調整される。
「iMac Pro」に先行搭載されていた「Apple T2チップ」が採用された点も大きなトピック。セキュアブート機能、暗号化ストレージ機能を担う「Secure Enclaveコプロセッサ」が組み込まれているほか、システム管理、オーディオ、SSDなどのコントローラも統合化されている。
セキュリティ性が強固になり、「Hey Siri」の聞き取りも可能になった。ちなみに、Apple T2チップの暗号化鍵が記録されている部分が破損した場合はバックアップから復元する必要がある。「Time Machine」やオンラインストレージへのバックアップは必須だ。
第3世代のバタフライ構造キーボードが採用されている点も大きな変化だ。薄型化とキーの安定性向上を目的に採用されたバタフライ構造キーボードだが、打鍵感について不満の声が多く、また精密な構造が理由でゴミが混入すると感触が悪化したり、入力ミスが頻発するという問題が発生しており、従来モデルを対象に「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」が実施されている(最初の小売り販売日から4年間適用)。
第2世代のキーボードには打鍵感への改良が加えられているが、第3世代ではキースイッチ周辺にシリコン膜が追加されている。Appleは「より静かにタイピングができるキーボードを採用しました」と製品公式サイトに記載しているが、副次的な効果としてゴミの混入によるキーの不具合減少も見込める。
携帯性と性能を両立するための周辺機器として、eGPUを公式サイトでアピールしている点はターニングポイントと言える。ただしAppleが推奨して、現在独占販売している「Blackmagic eGPU」(89,800円)はMacBook Proの2018年モデル専用ではない。Thunderbolt 3インターフェイスを搭載し、「macOS High Sierra 10.13.6」以降が動作する従来のMac、またWindows搭載PCでも利用可能だ(記事執筆時点では互換性の問題が確認されているため、非推奨)。とは言え外部グラフィックス(以下dGPU)を内蔵していない13インチMacBook Proにとって、eGPUが重要な周辺機器であることは間違いない。
外観は基本的に変更なし、見分けがつくのはoptionキー
基本的に2018年モデルの外観に変更はない。カラーはスペースグレイとシルバーの2色が用意されており、筐体材質はアルミニウムだ。本体サイズは304.1×212.4×14.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.37kgと変更なし。インターフェイスもThunderbolt 3(USB Type-C)×4、ヘッドフォン端子×1と同じ構成だ。
明確に見分けがつくのがoptionキーの記号の「⌥」。2017年モデルの第2世代バタフライ構造キーボードよりも高さが広くなっている。
外観に大きな変更はないが、内部的に改善されたのがキーボード。シリコン膜が追加された第3世代のバタフライ構造キーボードは打鍵音が明らかに低くなっている。静かな環境で利用する機会が多い方にはうれしい進化だ。
蛇足だが、筆者は2016年モデルのMacBook Proのキーボードを「MacBook および MacBook Pro キーボード修理プログラム」で交換しているが、2018年モデルのMacBook Proのほうが打鍵音は明確に低かった。打鍵音から判断すると、キーボード修理プログラムによって新たに搭載されているキーボードは第3世代と同じ構造ではないようだ。
ディスプレイ画質に変更はないがTrue Toneテクノロジーは有用
13インチMacBook Proの13.3インチIPS液晶ディスプレイは、解像度が2,560×1,600ドット(227ppi)、輝度が500cd/平方m、色域がDisplay P3と従来モデルから変更はない。しかし環境光の色温度に応じてディスプレイのホワイトバランスを調整する「True Toneテクノロジー」を搭載することで、どんな場所でも同じ色味で画像、映像を見られる。
ただしディスプレイは経時変化によって色温度、輝度が変わっていく。プロクオリティーのカラーチェックに利用するのであれば、定期的にディスプレイのキャリブレーションを実施し、「輝度を自動調節」と「True Tone」はオフで利用するべきだ。
今回、実際の色域をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測してみたが、sRGBカバー率が100.0%、sRGB比が136.3%、Adobe RGBカバー率が89.5%、Adobe RGB比が101.9%、DCI-P3カバー率が99.4%、DCI-P3比が101.4%、Display P3カバー率が99.4%、Display P3比が101.4%と非常に広い色域を備えていることを確認できた。
しかしデジタルシネマ規格のDCI-P3、それをベースにしたAppleのDisplay P3を99.4%カバーしているのに対して、出版や印刷分野でスタンダードとされているAdobe RGBカバー率は89.5&とやや低い。出版や印刷分野の業務用途に使うのなら、Adobe RGBの広色域を謳うディスプレイを別途用意したほうがいい。
サウンド面についても触れておこう。13インチMacBook Proにはキーボード面左右と底面左右にスピーカー用の開口部が設けられている。ノートPCとしては余裕のある設計が施されており、伸びやかで、かつ迫力のある重低音を聞かせてくれる。今回試聴した際も、最大ボリュームで音割れやビビリ音などが気になることはなかった。少なくとも筆者がレビューしたノートPCのなかでは、最高レベルのサウンドだ。
eGPU「Blackmagic eGPU」はつなぐだけでオーケー
eGPU「Blackmagic eGPU」は「Radeon Pro 580」を内蔵した外付けグラフィックアクセラレータ。現在品薄のようで、記事執筆時点(7月27日)にApple Storeからオンライン購入した場合のお届け予定日は8月25日~9月7日となっている。
Blackmagic eGPUに同梱されているのは電源ケーブル、「Thunderbolt 3ケーブル(0.5m)」、マニュアルのみ。Blackmagic eGPUに電源ケーブルを接続したのちに、MacとThunderbolt 3ケーブルでつなぐだけ。Blackmagic eGPUには電源ボタンはないので電源を入れる必要はなく、ソフトウェアのインストールも要求されない。画面上部のメニューバーにeGPUのアイコンが表示されたらセットアップ完了だ。
ただしBlackmagic eGPUが使われるかどうかはアプリケーション次第。今回いくつかのベンチマークソフト、アプリケーションを試してみたが、eGPUが機能しなかったものが多かった。また現時点では「Boot Camp」上のWindowsは、eGPUをサポートしていない点にも留意しておこう。
気になるベンチマーク結果
最後にベンチマークを実施してみよう。今回はCore i7-8559U、16GBメモリ、2TBストレージを搭載したフルスペック仕様(407,800円)のモデルを借用している。ベンチマークに使用したアプリケーションは下記の通り。
・CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
・CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.2.3」
・3Dベンチマーク「GFXBench OpenGL」
・3Dベンチマーク「GFXBench Metal」
・ストレージベンチマーク「Blackmagic Disk Speed Test」
・「Adobe Lightroom Classic CC」RAW画像の現像時間を計測
・「Adobe Premiere Pro CC」4K動画の書き出し時間を計測
・「DaVinci Resolve 15 Beta」4K動画の書き出し時間を計測
・「iMovie」4K動画の書き出し時間を計測
・バッテリ駆動時間を計測するためブラウザー「Safari」でYouTube動画を連続再生
なお今回はeGPU「Blackmagic eGPU」装着後の性能も計測しているが、「Blackmagic Disk Speed Test」とバッテリベンチマークは省略している。
下記が検証機の仕様と、その結果だ。
13インチMacBook Pro(2018) | 13インチMacBook Pro(2018)+eGPU | |
---|---|---|
CPU | Core i7-8559U(4コア8スレッド、2.70~4.50GHz) | |
GPU | Intel Iris Plus Graphics 655(300MHz~1.20GHz) | Intel Iris Plus Graphics 655(300MHz~1.20GHz) |
AMD Radeon Pro 580 | ||
メモリ | LPDDR3-2133 SDRAM 16GB(8GB×2) | |
ストレージ | 2TB PCIe SSD | |
TDP | 28W | |
OS | macOS High Sierra バージョン10.13.6 |
13インチMacBook Pro(2018) | 13インチMacBook Pro(2018)+eGPU | |
---|---|---|
CINEBENCH R15 | ||
OpenGL | 40.26 fps | 40.44 fps |
CPU | 683 cb | 672 cb |
CPU(Single Core) | 179 cb | 180 cb |
Geekbench 4.2.3 | ||
32-bit Single-Core Score | 4436 | 4484 |
32-bit Multi-Core Score | 16108 | 15710 |
64-bit Single-Core Score | 5305 | 5419 |
64-bit Multi-Core Score | 18589 | 18231 |
OpenCL(iGPU) | 35448 | 36152 |
OpenCL(dGPU) | - | - |
OpenCL(eGPU) | - | 110674 |
Metal(iGPU) | 37285 | 37000 |
Metal(dGPU) | - | - |
Metal(eGPU) | - | 115624 |
GFXBench OpenGL | ||
マンハッタン | 1906.4 Frames | 1932.8 Frames |
1080p マンハッタンオフスクリーン | 4124.9 Frames | 4089.7 Frames |
ティラノサウルス レックス | 3342.2 Frames | 3345.4 Frames |
1080p ティラノサウルスレックス オフスクリーン | 11649 Frames | 11675 Frames |
GFXBench Metal | ||
マンハッタン | 2972.36 Frames | 3661.81 Frames |
1080p マンハッタンオフスクリーン | 7058.79 Frames | 23669.1 Frames |
ティラノサウルス レックス | 3351.8 Frames | 3325.92 Frames |
1080p ティラノサウルスレックス オフスクリーン | 12151.5 Frames | 42474.1 Frames |
Blackmagic Disk Speed Test(単位:MB/s) | ||
WRITE 1回目 | 2576 | - |
WRITE 2回目 | 2669.9 | - |
WRITE 3回目 | 2649.7 | - |
WRITE 4回目 | 2620.3 | - |
WRITE 5回目 | 2631.4 | - |
WRITE 平均 | 2629.46 | - |
READ 1回目 | 2478.4 | - |
READ 2回目 | 2504.7 | - |
READ 3回目 | 2477.8 | - |
READ 4回目 | 2488.6 | - |
READ 5回目 | 2468.5 | - |
READ 平均 | 2483.6 | - |
「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像 | ||
7,952☓5,304ドット、自動設定 | 5分16秒77 | 5分22秒20 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、30fps(OpenCL) | 4分29秒40 | 5分10秒97 |
3,840×2,160ドット、30fps(Metal) | 4分58秒42 | 4分33秒63 |
DaVinci Resolve 15 Betaで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、YouTube(2160p) | 13分11秒45 | 3分35秒24 |
iMovieで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、29.97fps(品質:高、圧縮:高速) | 3分33秒64 | 3分25秒38 |
YouTube動画を連続再生した動作時間 | ||
ディスプレイの明るさ6/16 | 7時間31分8秒 | - |
まず13インチMacBook Pro単体の性能を見てみよう。CINEBENCH R15のCPUスコアは683 cb、Geekbench 4.2.3のMulti-Core Scoreは18589。過去のMacBook Proのレビュー記事(nCPU/dGPUが性能アップ、タイピング音もマイルド化したMacBook Pro 15インチ|n@@)から引用すると、CINEBENCH R15のCPUスコアは15インチMacBook Pro(2016)にわずか31cb差に迫るスコアを記録しており、Geekbench 4.2.3のMulti-Core Scoreで15インチMacBook Pro(2017)を2724も上回るスコアを叩き出している。
13インチMacBook Pro | 15インチMacBook Pro(2017) | 15インチMacBook Pro(2016) | |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-8559U(2.70~4.50GHz) | Core i7-7820HQ(2.9/3.9GHz) | Core i7-6920HQ(2.9/3.80GHz) |
GPU | Intel Iris Plus Graphics 655(300MHz~1.20GHz) | Radeon Pro 560(4GB) | Radeon Pro 460(4GB) |
CINEBENCH R15 | |||
OpenGL | 40.26 fps | 92.35 fps | 85.35 fps |
CPU | 683 cb | 763 cb | 714 cb |
CPU(Single Core) | 179 cb | 159 cb | 152 cb |
Geekbench | |||
64-bit Multi-Core Score | 18589 | 15865 | 15402 |
OpenCL(iGPU) | 35448 | 21058 | 19614 |
OpenCL(dGPU) | - | 49920 | 49779 |
Metal(iGPU) | 37285 | 19374 | 18057 |
Metal(dGPU) | - | 29280 | 32286 |
4K動画の書き出しはAdobe Premiere Pro CCとiMovieで実時間より短時間で終了している。13インチMacBook Proは4コア8スレッドのプロセッサを搭載することで、単体でもクリエイティブ系アプリケーションを動作させるのに十分な処理能力を手に入れたと言える。
一方、eGPU装着後のベンチマークスコアは限定的な結果に終わった。まだBlackmagic eGPUが発売されたばかりということもあり、CINEBENCH R15、GFXBench OpenGL、Adobe Lightroom Classic CC、iMovieでeGPU機能が使われなかった。Apple純正の動画編集アプリであるiMovieが対応していなかったのは残念な結果だ。
しかしBlackmagic Design自身の動画編集アプリ「DaVinci Resolve 15 Beta」では、eGPU装着前に13分11秒45だったところ、装着後に3分35秒24へと73%もの短縮率が記録されている。
MacBook Proの製品公式サイトには、13インチMacBook ProにBlackmagic eGPUを組み合わせることで、クリエイティブハブ「Unity Editor」で8倍、「Blackmagic DaVinci Resolve Studio」で5倍、アクションアドベンチャーゲーム「Rise of the Tomb Raider」で4.8倍、アクションビルディングゲーム「Fortnite」で3.6倍の性能を発揮すると掲載されている。より多くのアプリケーションが積極的にeGPUに対応することを期待したい。
なお室温27℃の部屋で、DaVinci Resolve 15 Betaで4K動画を書き出しているさいの発熱をサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」で計測してみたが、キーボード面の最大温度は50.7℃、底面の最大温度は49.4℃に達していた。性能から考えると極端に発熱が高いわけではないが、膝上で使うのは少々厳しく感じた。
普段は携帯性を重視、でも自宅ではハイパワーを享受したい方に
dGPUを内蔵するゲーミングノートPCが増えているが、それが高性能であるほど消費電力が増えるし、また小型化も難しくなる。もちろん高性能をつねに携帯したいならdGPU内蔵ノートPC以外に選択肢はないが、ハイパワーを要求する作業を外出先でしないならデメリットのほうが大きい。
外出先では携帯性を重視し、重たい作業は自宅でじっくり、快適に取り組むと割り切れば、軽量ノートPC+eGPUというコンビは理にかなっている。eGPUにキーボード、マウス、ディスプレイ、ストレージなどを接続しておけば、ケーブル1本ですぐに使えるというのも大きなメリットだ。
eGPUの性能を最大限に引き出すアプリは現状まだ少ないが、MacだけでなくWindowsノートPCでもeGPUの注目度は高まっているので、対応アプリはじょじょに増えていくことは間違いない。ハイパワーを享受するための新たな選択肢として、13インチMacBook ProとBlackmagic eGPUの組み合わせは魅力的だ。