(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年7月27日付)
あれは友人の日とも言われる水曜日だったから、欧州は米国の「敵」から「親友」になった。月曜日になれば、事情が変わっている可能性もある。
もしかしたら、欧州はドナルド・トランプ大統領のお気に入りリストに名前を留めていられるかもしれない。
確かなことが言えるのは、トランプ氏だけだ。その本人でさえ、おそらくよく分かっていないのだろう。
しかし筆者の直感では、トランプ氏とジャン・クロード・ユンケル欧州委員長が25日に締結した停戦協定はしばらく持ちこたえるだろう。
トランプ氏は拍手喝采を浴びるのが大好きだし、土壇場で成し遂げたブリュッセルとの合意は大西洋の両岸で大歓迎されている。
欧州としては一息つけた格好だ。中国の先行きは、それに比例するかのように暗くなった。
トランプ氏が最新の手品を披露する前から、その兆しはあった。今回の合意を受けて、中国への締め付けは欧州諸国や米国財界の支持を得る公算が高まっている。
両者とも、西側諸国が団結して中国に向き合い、外国人と中国国内企業が対等な条件で競争できる環境を整えるよう圧力をかけていくことを、以前から支持してきた。