ビール関連イベントがめじろ押しの福博の秋に異変が起きている。ドイツビールを紹介する「オクトーバーフェスト」を銘打ったイベントが今年は二つあるからだ。冷泉公園(福岡市博多区)で毎年開かれてきた「福岡オクトーバーフェスト2015」(10月16〜25日)と、舞鶴公園(同市中央区)に現れた新参の「舞鶴公園オクトーバーフェスト2015」(9月18〜27日)。ドイツ伝統のビール祭を手本とした運営手法に違いはなく、わずか1カ月間隔のそっくりイベントに、愛好家は「どっちに行けば」と泡を食うばかりだ。
■友好提携を実現
「便乗商法と思わざるを得ない」−。「冷泉公園」の関係者は後発イベントへの不信感をにじませる。冷泉公園の「フェスト」は2010年、それ以前に同市早良区で開催されていた同名イベントを引き継ぐ形で始まった。実行委員会は、商店街など地元関係者が中心。今回は50銘柄を超すビールが出展予定で「ハッカープショール」など本場のフェストビールも登場。発祥地のバイエルン州の醸造所でつくる「バイエルンビール協会」との友好提携も実現し「本場が認めた唯一のフェスト」をPRする戦略だ。
実行委の矢壁和彦事務局長は「地元と協力して博多の風物詩に育ててきた。先に開催されるのは痛いが、地域、利用者、スタッフの誰もが喜べるイベントにするため努力するだけだ」。
■内容充実に自信
一方、「舞鶴公園」の主催団体の一つ「オクトーバーフェスト実行委員会」(東京)は「03年に東京で日本初のフェストを手がけたのはわれわれ。その後、全国でイベントを展開してきた歴史もある」と、こちらも「元祖」を譲らない。
初めて本格的な飲食イベントの会場となる舞鶴公園には、「ライカイムヘルヴァイス」など「日本初上陸」を含む35銘柄のドイツビールがそろい、「本場の雰囲気が伝わる充実した内容になった」(木村麻耶・実行委広報担当)と自信をみせる。
運営に携わる地場企業の担当者は「消費者はドイツビールを堪能できる機会が増えて良かったのでは。どちらのイベントも楽しんでほしい」と余裕を見せる。
■バイエルン「中立」
こうした事態にバイエルン州駐日代表部は「州の文化紹介に役立つなら後援するが、特定のイベントにお墨付きを与えることはない」と中立を強調する。
愛好家には戸惑いも。冷泉公園のフェストを毎年訪ねていたという福岡県太宰府市の団体職員の女性(51)は「今年は舞鶴公園に移ったと思っていた」と驚いた様子。インターネット上にも「今年は2回?」「冷泉公園じゃなくなったのね」などのつぶやきが広がっている。福岡市南区の石油店経営男性(57)は「せっかくだから価格競争でもしてくれたら」と話した。
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