京都府北部にある関西唯一の広大な原生林「芦生研究林」をご存じでしょうか。京都大学フィールド科学教育研究センター等が研究のために管理しているこの場所には、人の手が入っていない2000ヘクタールもの原生林が存在しており、そこには貴重な動植物が多数棲息すると言われています。
以前も私は芦生へと赴き、その環境に関する記事を執筆しました。木々にさえぎられたほのかな日差しの中、自然そのままの森林を歩いていくという体験は、非常に価値のあるものであったと思います。
しかし、その際探索を行ったのはごく一部の場所のみ。原生林のさらに奥にある「ブナの木峠」と呼ばれる場所から先は遭難の危険性が高いため、あらかじめ入林が認められている団体の許可がない限り入ることはできないとされています。しかしこのたび、認定団体のひとつである研究林付近の宿泊施設「芦生山の家」のご主人が拙記事に興味をお持ちになられたことで、ガイド同伴での入林が実現! 原生林の奥深くへと赴くチャンスが、実に意外な形でめぐってきたのです。
というわけで今回は、豊かな自然が残る芦生研究林の風景や状態に関する詳細なレポートです。関西最後の原生林に息づく動植物たちを、しっかり写真に収めてきました。
芦生山の家で一泊し、朝8時30分に出発。写真の撮影会に来たというグループと一緒に行くこととなりました。天気は快晴、絶妙のトレッキングびよりです。前回は京都大学の研究棟を経由して徒歩で行きましたが、今回はある程度先のところまでバスを使用。
欅峠(けやきとうげ)で下車し、ガイドさんの案内に従って進んでいきます。あたりにはブナやトチ、スギなどが覆い茂っており「こりゃあすごいところに来たぞ」という気分。ちなみに携帯電話も通じませんでした。
芦生の良さはなんといっても、その豊富な自然。歩けば歩くほど、それに比例したたくさんの動植物に出会うことができます。
たとえばこれは「ヤマウルシ」。金沢輪島の特産品である漆器の材料となることで知られる植物なのですが、刺激物ゆえ触れると手がかぶれてしまいます。
ツタ状の「ツタウルシ」も棲息していました。刺激物の強さはヤマウルシより上だそうです。そのような毒性を持つ植物であるとは外見上判断しづらいため、うっかりさわってしまう人も多いのだとか。
ガイドさんに「面白いものがある」と見せられた不思議な形の葉っぱ。よくよく見れば「オトシブミ」という昆虫のゆりかごでした。この虫は葉っぱを信じられないぐらい巧妙な技術によって加工してゆりかごを作り、中に卵を産みつけるのです。卵からふ化した幼虫は周りの葉を食べて成長するので、エサ探しのリスクを負わずに成虫へと羽化することが可能となります。
このモミジのような植物は「モミジチャルメルソウ」。なんとも変わった名前ですが、モミジの他に楽器の「チャルメラ」にも形が似ていることから名付けられたのだとか。その独特なニオイによってキノコバエという虫を引き寄せ、花粉を運ばせるといった習性も持っています。しかし残念ながらキノコバエは見当たらず。
淡いピンク色をしたラッパ型の花は「タニウツギ」。主に山地などに分布しているスイカズラ科の植物で、鑑賞用としても人気がありますが、その色が火や血の色を彷彿させるとして、忌み嫌う地方もあるのだとか。
黄色く縦長な花びらの植物は「ハナニガナ」。「ニガナ」という名前の由来は、茎などに強烈な苦味成分を含んでいるから。遭難してお腹が空いていたとしても、食べられそうにはないですね。
そして白く平たいこの花は「ツルアジサイ」。見た目は大きく異なりますが、これでもアジサイと同種の植物です。比較的栽培が容易で、ツタよりも華やかなので、レンガや塀に這わせて観賞用とする方も多くおられるようですね。
途中、「長治谷作業所」と呼ばれている京都大学の施設に到着。簡単な炊事や宿泊が可能となっており、研究者はこの場所を中心に気象観測や動植物の生態調査を行っているようです。
『....オオカミを放そう』すでに半島からの野獣どもが定住してるよw
シカ害を防ぐためにオオカミを放そう
ば韓頭地域が関西と呼ぶ近畿圏内には原生林はもっとあったと思うけど。糺すの森とか熊野辺りとか
「関西唯一」とあるけど、奈良の春日山原生林を忘れてはいませんか?
ダムは許せん