ピアノを習っているお子さんがいる保護者の皆さん
夏休みの終わりに発表会があるお教室、ありますよね
先生から
「親子連弾をしましょう」
という提案を頂いている方も おられるかと思います
親子連弾の狙い
親子連弾、実は曲者です
うまくいけば今後のピアノの練習に弾みがつきます
うまくいかなければ
音楽の練習は、それで終わりでしょうか
提案する先生にとっても相手を選ぶ、提案なんです
連弾を提案する狙いの一つは、「合奏することを学ぶため」
ピアノは、一人で完結してしまうことのできる楽器です
これはピアノのいい面ですが、同時に悪い面でもあります
聞く人を想定しない演奏ができてしまうからです
相手を考えて演奏できるようになるには、「合奏」がとてもいい練習になります
「家族合奏」は練習できる環境があるので、先生としては提案したい部分です
ただし、ご兄弟の関係性、レベルによってはとてもデリケートな問題があります
もちろん親子でも、問題がないわけではありません
先生が提案するということは、「連弾に適している」「合奏の経験を積ませたい」と思われるペアだということを心にとめてください
全くピアノの経験がない保護者様
頭を下げて子供に教えてもらいましょう
ピアノ経験がない保護者の方に親子連弾を勧めるのはいくつか理由があります
- 子供の頑張りを認めてほしい
- 子供の演奏を普段から聞いて声掛けをしてほしい
- ピアノの練習は、時間のかかるものだということを理解してほしい
- 一緒に音楽を楽しむ経験をしてほしい
- 舞台の怖さを知ってほしい
練習前にまずストレッチをしましょう
軽く両手を握って、肘が伸びるように腕を前に出します
手首をゆっくりと、ぐるぐる回します
肘が伸びた状態で、力を込めてゆっくり手を大きくパーに開きます
では、練習を始めましょう
具体的な練習は以下の通りです
練習の回数を厳守してください
(慣れない人が突然たくさん練習すると怪我をします)
怪我をしやすいのは大人の方です
気をつけて練習に取り組んでください
1日目の練習
- 子供に親の弾くパートを1度弾いてもらう
- ゆっくりと弾いてもらう
- 左手だけ隣で子供に弾いてもらいながら、その手を見ながら3回練習する
- 右手だけ隣で子供に弾いてもらいながら、その手を見ながら3回練習する
- ゆっくりと両手で、1回弾いてみる
2日目の練習
- 左手だけ1回練習する 1人で弾けなかったら、隣で子供に弾いてもらう
- 右手だけ1回練習する 1人で弾けなかったら、隣で子供に弾いてもらう
- 両手でゆっくり練習する
- できないところを部分的に子供に弾いてもらいながら、1日3回両手で練習する
3日目の練習
- 両手の練習をゆっくりする できないところは部分練習を重ねる
- 子供にゆっくりカウントを取ってもらう 均等なカウントで弾けるように練習する
- 両手で3回弾けるように練習する
4日目の練習
- ゆっくりのカウントで1人で弾けるようになるまで練習する
- ゆっくりのカウントで1人で弾けるようになったら、子供に子供パートを弾いてもらって合わせ始める
- 子供が上手に弾けることを尊敬を持ってほめる
5日目からの練習
- ゆっくり均等なカウントで 連弾が出来るように練習する
- 合わないところは、部分練習する
- ただし、練習は1日5回まで
- 上手になってきたら、子供のおかげで上手になったことを感謝して必ずありがとうを伝えましょう
しつこいようですが、練習しすぎないように注意してください
ピアノを習っているお子さんは大丈夫です
大人の方が危険です
怪我をしないように、くれぐれも練習しすぎないでください
ピアノの練習経験がある保護者の方
先生が親子連弾を勧める理由は以下ようなことが考えられます
- 合奏の大切さを子供に知ってほしい
- 相手に合わせる難しさを感じてほしい
- 子供それぞれの個人差を保護者の方にわかってほしい
- 発表会の華として、輝いてほしい
- ほかの生徒さん、保護者の目標になってほしい
- 今後の練習の弾みになるように、経験値を積んでほしい
練習にはかなりの注意が必要です
1日目の練習
- 子供も保護者も、パート練習をゆっくりのカウントでします
- 久しぶりにピアノに向かう保護者の方は、5分間練習を厳守してください(最初-3日間は5分だけです)
2日目の練習
- ゆっくりとカウントを取りながら、合わせてみます
- 最初からできなくても当たり前なので、間違えたところはお互いに笑い飛ばして部分練習してください
- うまくいったら、「うちら天才じゃない?!」とお互い褒めまくってテンションをあげましょう
3日目の練習
1.とにかくゆっくりのカウントに合わせます
2.間違えたところは全て保護者の責任とします
「ごめん、私が間違えたんだよねー もう一回練習させて」
と練習を促します
3.練習のしずぎに注意してください
4日目以降の練習
1.10分程度は大丈夫だと思います
2.うまくいかなかったら保護者のせい、うまくいったら子供のおかげとしながら
子供をうまく乗せつつ練習続けます
経験者こそ、けがをしがちです
練習のし過ぎにはくれぐれも注意してください
練習目標
ピアノの経験のない方もある方も
舞台に立つと頭が真っ白になると思います
何も考えていなくても、手元を見ていなくても弾けるように練習を重ねてください
子供は意外と、いい形の緊張ができるものです
子供の心配より、大人の心配をしてください
肘のあたりに痛みを感じたら
肘の辺りに痛みを感じたら、すぐに練習を休んでください
翌日になっても痛みが取れないようなら「野球肘」か「テニス肘」になっている可能性があります
整形外科に行くことをお勧めします
ピアノの先生にも報告してください
完治までには、ワンシーズンもしくは数シーズンかかる場合があります
まれに背中の痛みを訴える方もいます
ひとり、ひとつづつ、椅子を用意してください
椅子の位置を調整して、背中が曲がらないようにしてください
背中がまっすぐ伸びているのに、痛みを感じる場合には、足を開いて踏ん張るようにしてピアノに向かってください
それでも改善されないようなら、整形外科に行くことをお勧めします
演奏上の注意 お子様への声掛け
ゆっくりのカウントで弾けるようになるまで、早いペースで引くのは絶対に避けてください
ひとつの曲の中で、早くなったり、ゆっくりなったりが一番悪い例です
同じペースで引けるなら、ゆっくりでもそれは音楽の表現です
少しでも弾けるようになってきたら
「あなたのおかげで弾けるようになった」
「楽しいね」
子供に向かって言葉にして伝えましょう
「楽しいからもう一回弾こう、練習しよう」
と、練習回数が増えるかもしれません
ちょっとでも上手くいかないところがあったら
「ごめん、緊張しちゃった」
「もう一回、練習させて」
と、言って練習を重ねます
いかに上手に子供を乗せられるかが、親子連弾の勝負と見せ所です
上手に楽しんでくださいね
健闘をお祈りします