伊藤雅雪、涙の世界王者!「とにかく倒す、倒す、倒す。ずっと思っていた」アウェーで攻め続け判定勝ち
◆プロボクシング 世界戦▽WBO世界スーパーフェザー級(58・8キロ以下)王座決定戦12回戦 クリストファー・ディアス―伊藤雅雪(28日、米フロリダ州キシミー、キシミー・シビック・センター)
WBO世界スーパーフェザー級2位・伊藤雅雪(27)=伴流=が、世界初挑戦で王座獲得に成功した。同級1位クリストファー・ディアス(23)=プエルトリコ=に3―0の判定勝ち。23戦全勝の相手との大一番で下馬評を覆し、日本人が米国で王座奪取するのは、1981年11月の三原正(三迫)以来37年ぶりの快挙となった。海外での王座奪取は11度目(10人目)。伊藤の戦績は24勝(12KO)1敗1分け、ディアスは23勝(15KO)1敗。
相手の母国に近い場所でアウェーとなった一戦。ブーイングを浴びる中、終始攻める姿勢を貫いた。相手の強力な左フックを警戒しながらスタート。2回には右をもらったが、右、左、右と打ち返す。迎えた4回。右ストレートが相手の顎を捉えてダウンを先取した。中盤以降も一進一退の攻防が続き、相手の連打をもらう場面もあったが、磨いてきた4発目、5発目のパンチを浴びせて攻め続けた。結果は3―0の完勝。勝利のコールを聞くと、跳びはねて号泣した。
試合後は現地のインタビューに応じた。「必ずやってきたことをできると自分で自分を信じていた。毎ラウンド、絶対に世界チャンピオンになると信じて戦った」と心境を吐露。「1ラウンドやって自分の力が通用するとわかった。自分の中ではポイントは考えてなかった。とにかく倒す、倒す、倒す。ずっとそう思っていました」と攻撃的な姿勢で本場のファンをとりこにした。
「本当にリスペクトできる相手。試合前からナイスガイと言ってきた。今は夢の途中。与えてもらえるなら、もっとデカイ、デカイ試合をしていきたい」。インタビューを終えると、涙を流す妻・衣理香さん(28)や娘と抱擁を交わした。