コンビニ殻付きゆで卵 健康、時短で中高年に人気
2018年07月29日
コンビニエンスストアで販売する殻付きのゆで卵が人気だ。卵の高い栄養価が注目を集め、健康志向の中高年の消費者から支持を集めている。各社は、「半熟」のゆで具合や、黄身まで味付けしたおいしさをPR。今夏は全国各地を厳しい暑さが襲い、家庭で調理する機会が減っていることも売り上げ増を後押しする。
ファミリーマートは国産の殻付きゆで卵「半熟 ゆでたまご」(1個入り70円)を売り込む。2012年の発売以降、売り上げは右肩上がりで伸びている。「40、50代の男性から購入率が高い」(同社)。タンパク質が豊富な点に加え、生卵より調理の手間が省ける点が受けているという。
ローソンは「味付たまご」(1個入り85円)を販売する。程よい固さの半熟具合で、塩味がしっかりと黄身に染み込んでいる。同社は「家庭で再現できない食味が人気」と話す。同商品の6月の売り上げは前年同月比1割増と好調だった。主な購買層は30~50代。常温で持ち運べるため、昼食や夕食時におにぎりやサラダなどと一緒に購入する消費者が多いという。
例年、7、8月に最も売れる。同社は「夏の暑さで料理を敬遠する消費者から引き合いが強まる」と期待する。
ファミリーマートは国産の殻付きゆで卵「半熟 ゆでたまご」(1個入り70円)を売り込む。2012年の発売以降、売り上げは右肩上がりで伸びている。「40、50代の男性から購入率が高い」(同社)。タンパク質が豊富な点に加え、生卵より調理の手間が省ける点が受けているという。
ローソンは「味付たまご」(1個入り85円)を販売する。程よい固さの半熟具合で、塩味がしっかりと黄身に染み込んでいる。同社は「家庭で再現できない食味が人気」と話す。同商品の6月の売り上げは前年同月比1割増と好調だった。主な購買層は30~50代。常温で持ち運べるため、昼食や夕食時におにぎりやサラダなどと一緒に購入する消費者が多いという。
例年、7、8月に最も売れる。同社は「夏の暑さで料理を敬遠する消費者から引き合いが強まる」と期待する。
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事務負担 3割軽減 ペーパーレスなど JAの改革後押し 共済連
JA共済連は27日、JA共済事業での自己改革の状況を発表した。共済申し込み手続きのペーパーレス化などを通じ、2017年度末時点で、JAの共済事務にかかる業務時間を約28%軽減(14年度比)。これらの削減によりJAは、共済事業の組合員対応や事業の充実ができる。共済連はこれらの取り組みで、農業者の所得増大などに取り組むJAの自己改革を後押しする。
2018年07月28日
[結んで開いて 第1部][人手をもっと!](1) くにさき七島藺(上) 伝統と革新の融合(大分県国東市) 貧乏草と呼ばせない
農家の人手不足を、多様な業種の人々と共に克服する地域がある。農業との接点をどう強めていったのか。キャンペーン第1部では、地域を守り続けてきた人たちと、これから共に歩もうとする人たち、双方の働き掛けや思いから、将来の姿を見た。(キャンペーン取材班)
ボトルケース、円座、マット──。大分県国東市で作られる「くにさき七島藺(しちとうい)」で編んだ商品が今春、流行に敏感な若者の視線を集めるアパレル大手・ビームスジャパン(東京・新宿)の店頭に並んだ。畳表としての活躍の場を減らしていた「貧乏草」が「宝の草」になろうとしている。伝統と革新。昔からの住民、新たに参入してきた住民が手を携え、いくつもの縄で地域の特産を編み上げる。
新しい命を吹き込むのは、同市に移り住んだ工芸作家、岩切千佳さん(41)。この地で大切に守られてきた七島藺ならではの手触りや色つやに、勝負を懸けた。
くにさき七島藺は350年の歴史を誇る。最盛期は県内全域で栽培されたが、高度経済成長の陰で衰退。2009年の生産者は5戸。復活は絶望視されていた。
くにさき七島藺振興会事務局長で、畳店を営む細田利彦さん(63)も当初、粗末な草と思い込んでいた。だが、実物は「びっくりするほどの品質だった」。伝統の魅力を明るく知らせれば、若者を呼び込める。確信した。
10年に生産者らと振興会を設立。イラストレーターや新聞記者ら、関係者以外の人も巻き込んだ。情報発信に外部の知恵を生かした。記事になりそうなイベントや活動を仕掛けていく。新しい「くにさき七島藺」を世に送り出すために必要な仕事だ。
江戸時代から続く産地の再生に関わる。そのやりがいから、担い手を志す人が生まれてきた。
岩切さんも、その一人。宮崎県国富町出身。同市を訪れた時、左手を負傷していた。リハビリとして工芸を体験。転機になった。
「ただの草なのに、いろいろな表情になる」
時間とともに青々とした色があめ色に変わった。編み方でさまざまな形になる。その特性にほれた。工芸作家として生きると決めた。
メディアで働いていた経験を生かし、情報発信と営業も担う。ビームスジャパンに取引を持ち掛け、実現にこぎ着けた。「今、好きなことができている」。数万円の品から数百円のアクセサリーまでを手掛け、幅広い層に魅力を伝える。
栽培を志し、30代の夫婦が国東市に移住した。30年以上大分市の大学に勤めた諸冨康弘さん(56)は、Uターンで伝統の守り手となった。今年で栽培4年目。自然を相手に自らの裁量で経営を回す楽しさを実感する。
作業の傍ら、仕事で培った力で行政との調整役も担う。「人生後半のライフワークだ」と、使命感に燃える。産地は再生に向けて歩み始めた。
<キャンペーン「結んで開いて」>
日本農業新聞の2018年度キャンペーン「結んで開いて」では、人々がつながる力を描きます。お互いの力を集める「結んで」。新しい人やモノを受け入れたり発信したりしていく「開いて」。その組み合わせで、これまで難しかった課題解決を目指す動きを追います。17年度キャンペーン「若者力」で描いた各地の活力をさらに広げ、直面する高齢化、人口減少の時代を生き抜くヒントを探します。
2018年07月24日
安定の17年産米 今年も少ない下げ材料
2017年産米は、出来秋の好相場を1年間維持しながら終盤を迎えた。高値反発で一時は値下げの声が出たものの、需給の締まりで前年比1000円高の水準で推移した。今後の焦点は18年産の行方に移るが、値下げ材料は少ない。買い取りに移行した産地はリスクへの備えを忘れてはならない。
17年産米の相対取引価格は、前年より1300円高の1万5600円前後で推移している。特に年間変動幅は、3年連続して200円の小幅に収まるほど安定している。これまでは、引きが強まれば産地が値上げ攻勢に出て、逆に、荷余り感が出れば相場は下がり、年間に500円から1000円ほどの変動は当たり前だった。これほど小幅な変動続きは珍しい。
価格安定の原因は、産地と米卸の間で、相場の居所の探り合いが続いてきたためだ。米卸サイドからは3年連続の値上げへの反発は強いものの、産地が飼料用米などに仕向けることで主食用米の需給が締まったことは確かだ。結局、価格変更の決定打がないまま、1年が過ぎたといえる。
相場を乱してきた目に余る特売が影を潜めたことも大きい。「コシヒカリ」を中心にスーパーの特売は、15年産で5キロ1500円を割り、16年産も同1500円台の特売が残った。
ところが17年産米になって、同1600円を割る特売はようやく姿を消し、相対取引価格60キロ当たり1万5000円台に見合う5キロ1800円前後にまで特売水準は高まっている。
焦点の18年産米は、8月に主力の「コシヒカリ」産地の概算金が決まる。米卸サイドからは、連続値上げを警戒する声が、今年も強まっているが、産地も米卸も、昨年同様に居所の探り合いが続くと見られる。相場の行方を左右するのは、作柄を除けば期末在庫の水準だが、この3年間は着実に減少し、過去5年間では最も低下したと見られている。
そうした中、注目されるのは17年産米の相場が、2度の乱高下を繰り返した過去10年の間で、どの水準にまで回復したかだ。前々回の高値よりは500円上回ったものの、前回よりは1000円ほど低い水準で、決して法外な高値ではない。
さらに、相場観を探る目安として、「5中3方式」も話題になる。これは、過去5年のうち最高値の年と最安値の年を除いた3年分の平均価格だが、現在のように相場が上向いている時は、安値の時期分で計算するため、産地にとってはとても納得のいかないほど低水準となる。
ただ、注意しなければならないのは、この1、2年に買い取り方式に移行した県だ。概算金より高値で買い取っても、上げ基調が続いたため、これまでは差損を出すことはなかったが、18年産の相場が不透明な中では、積立金などのリスク対策が必要だ。万が一にも、差損を出すことは許されない。
2018年07月26日
米騒動100年の教え 食料安保の重要性問う
歴史に名を刻む米騒動からきょうで100年を迎えた。富山の寒村から起きた騒動は、全国に広がり社会運動化し大正デモクラシーとも重なる。1世紀の時を経て、米の変わらぬ重要性と食料の安定生産・供給の大切さを問い直したい。米騒動を食料安全保障の起点と位置付け、議論を掘り下げるべきだ。
それは小さな動きが発端だった。1918年7月23日、富山県魚津町(当時)の漁師の妻らが地元米穀店に集結し、生活苦を訴え、安く売るよう求めた。同様の動きが全国に広がり延べ100万人が参加する事態となった。ついに軍隊が鎮圧に乗り出し、寺内正毅内閣が総辞職する大問題にまで突き進んだ。背景には17年のロシア革命に対応した日本軍のシベリア出兵に伴う米の買い占め、売り惜しみなどもあった。このことは、食料安保の視点で米騒動を見ることが欠かせないことを裏付ける。
米騒動は、政府の地租改正による小作料減免を求める小作争議、農民運動の高まりとも重なる。共済事業や生協運動など協同組合の父・賀川豊彦は22年、日本農民組合を設立し、貧しい農民の救済に立ち上がる。組織化した本格的な農民運動の始まりでもある。
米騒動の今日的教訓は、農政の課題ともつながる。当時は米生産の低迷、米価高騰で農民、消費者が苦しんだ。一方で巨利を得たのは、生産を担わない寄生地主や中間マージンを得た米大手業者や資本家たちだった。
米価安定こそが、社会の安定装置として欠かせないという政策的な命題となる。米騒動の反省から、政府は21年に朝鮮や台湾などの外米対策も踏まえ「米穀法」を作り、33年に「米穀統制法」、42年に「食糧管理法」、いわゆる食管法で米の政府統制を強めていった。
それが今、貿易自由化が進む中で米生産調整の抜本見直しという事態にまで様変わりした。米騒動の教訓を生かし、揺れ動く米行政の在り方を見直し、問い続けなければならない。
想起すべきは、93年の大凶作で200万トンを超す米輸入に陥った歴史的な出来事だ。「平成の米騒動」と呼ばれた。米大量輸入は、結果的に国内自給に大きな影響を与えた。やがて多角的貿易交渉であるガット・ウルグアイラウンドでのミニマムアクセス(最低輸入機会=(MA)米対応で、米の市場開放を余儀なくされた。
米騒動から100年を経た今、食料・農業・農村は危機的状況だ。食料自給率は38%と先進国最低にとどまったまま。半面で貿易自由化は加速している。国内での農業生産を大前提とした食料安保確立をいま一度、問う必要がある。米直接支払交付金の廃止は農家の経営的な打撃が大きい。経営安定策の充実を急がねばならない。
女性たちの訴えから始まった米騒動の歴史を今に引き継ぎ、食と農の大切さを次代に伝えていきたい。
2018年07月23日
EU、中国に協力要請 「複数国間交渉」立ち上げ狙う? WTO改革
欧州連合(EU)のトゥスク大統領らが中国との首脳会談で、WTO(世界貿易機関)改革の協力を求めたとの一部報道を受け、WTO関係者の間でEUの動きに憶測が広がっている。
途上国の高官は「EUの改革案はコンセンサス(全会一致)による意思決定の原則や途上国への優遇措置を骨抜きにすることが狙いではないか」と懸念。別の高官も「WTO交渉を、全加盟国が参加する多国間方式から有志国が主導する特定分野での複数国間方式へと変容させる意図があるのではないか」と警戒している。
首脳会談は16日に北京で行われた。英紙ファイナンシャル・タイムズによると、トゥスクEU大統領は会談で「世界の貿易構造が変わりつつある」と中国の李克強首相に語り掛けた。WTO改革を持ち出し、産業補助金や知的財産権の規律強化などの項目で新たなルールが必要との考えを示したという。
さらに「貿易戦争を回避するため、世界貿易ルールを再構築することが欧州や中国、ひいては米国、ロシアの共通の義務だ」と強調したという。会談にはユンケル欧州委員長も同席した。ただ、報道では今回のEUの協力要請に対し、中国側がどう反応したのかは明らかにされていない。
WTOは現在、多国間貿易交渉の長期停滞化はもちろん、米国の反対で通商紛争で判決を下す上級委員の選考も暗礁に乗り上げており、紛争処理システムが機能不全に陥るのも時間の問題となっている。
EU側からすると、新生WTO体制の下、電子商取引や投資円滑化といった新分野で有志国による複数国間交渉を立ち上げたいという思いがあり、中国を改革案作りに巻き込もうという思惑があるとみられる。
2018年07月22日
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大豆輸入前年割れ 18年産 対米制裁で2・2%減 中国
中国農業農村部は28日までに、2018年産大豆の輸入量が前年を下回る見通しを発表した。7月から、米国産大豆に追加関税25%を課したことが影響したとみられる。輸入量の前年割れは15年ぶり。この他、食用植物油やトウモロコシの生産や輸入動向もまとめた。
2018年07月29日
コンビニ殻付きゆで卵 健康、時短で中高年に人気
コンビニエンスストアで販売する殻付きのゆで卵が人気だ。卵の高い栄養価が注目を集め、健康志向の中高年の消費者から支持を集めている。各社は、「半熟」のゆで具合や、黄身まで味付けしたおいしさをPR。今夏は全国各地を厳しい暑さが襲い、家庭で調理する機会が減っていることも売り上げ増を後押しする。
ファミリーマートは国産の殻付きゆで卵「半熟 ゆでたまご」(1個入り70円)を売り込む。2012年の発売以降、売り上げは右肩上がりで伸びている。「40、50代の男性から購入率が高い」(同社)。タンパク質が豊富な点に加え、生卵より調理の手間が省ける点が受けているという。
ローソンは「味付たまご」(1個入り85円)を販売する。程よい固さの半熟具合で、塩味がしっかりと黄身に染み込んでいる。同社は「家庭で再現できない食味が人気」と話す。同商品の6月の売り上げは前年同月比1割増と好調だった。主な購買層は30~50代。常温で持ち運べるため、昼食や夕食時におにぎりやサラダなどと一緒に購入する消費者が多いという。
例年、7、8月に最も売れる。同社は「夏の暑さで料理を敬遠する消費者から引き合いが強まる」と期待する。
2018年07月29日
米 小袋販売が増加 少人数世帯、お試し購入も 2キロが9%に 米穀機構調べ
米販売で2キロ袋の少量商品の販売が伸びていることが、米穀機構の調査で分かった。調査では、2キロ袋の販売割合(数量ベース)が9%に達し、過去5年で最も高くなった。持ち運びやすさや鮮度を維持する工夫で、都市部の少人数世帯に支持される。買いやすい価格帯で良食味ブランド米のお試し需要にも応える。(玉井理美)
販売数量に占める2キロ袋の割合は年々拡大している。5年前は6、7%だったが、直近の12カ月では8、9%で推移している。
米卸のむらせ(神奈川県横須賀市)は、2キロのジッパー付きスタンドパック商品の販売に力を入れる。販売は好調で、福島・会津「コシヒカリ」の6月の販売量は2キロが2000袋(4トン)と前年同月に比べ25%増えた。5キロ袋の伸び率(18%)よりも大きい。青森「青天の霹靂(へきれき)」も2キロが同1・5倍に拡大。同社はさらに小さい2合パック(1合150グラム)も販売しており、「ブランド米が相次いで登場する中、2合で試して2キロ、5キロに移る消費の流れができている」と言う。
食品メーカーのはくばく(山梨県中央市)は、2合サイズの「cocome(ココメ)」の販売額が2017年度、前年度比で6%伸びた。都市部の単身や少人数世帯が日常遣いとして購入しているという。北海道「ゆめぴりか」、新潟・魚沼「コシヒカリ」など銘柄米を「いきなり5キロ袋ではなく、試験的に購入するニーズがある」と指摘する。1商品200~300円台。大袋に比べて割高になるものの、気軽に購入しやすい価格帯とあって販売が伸びている。
アイリスオーヤマ(仙台市)も小袋販売に力を入れる。北海道「ゆめぴりか」、山形「つや姫」、新潟「コシヒカリ」などが2合(または3合)ずつ入った銘柄食べ比べセットを販売。小袋サイズの今年上半期の販売額は、前年同期に比べ2倍に伸びており、特にコンビニエンスストア向けの販売が好調だという。
調査結果では2キロ袋の購入割合が高い地域は関東、京浜、近畿地区といった都市部に集中していた。都市部では単身世帯が増えているため、少量を買い求めるニーズが高まっているとみられる。
2018年07月29日
食肉輸入100万トン超え 18年上半期 豚、鶏は最多水準
2018年1~6月の食肉輸入量が100万トンを超え、過去20年で最多だったことが27日発表の財務省の貿易統計で分かった。豚肉と鶏肉生鮮品は過去最多の水準。牛肉は日本で牛海綿状脳症(BSE)が発生し、輸入が急増した01年以来の水準だった。国内の食肉消費が拡大する中、低価格と安定供給を売りにした輸入肉がその需要を奪っている格好だ。
2018年07月28日
生乳需給見通し 猛暑で逼迫感続く
Jミルクは27日、2018年度の生乳・牛乳乳製品の需給見通しを公表し、今夏も生産需給の逼迫(ひっぱく)感が続くことが分かった。猛暑や牧草の品質低下が影響し、5月に発表した18年度生乳生産量の予測値のほぼ横ばいとした。飲用向けの需要が堅調で、Jミルクは供給落ち込みをできる限り食い止めるよう、生産現場へ飼養管理の徹底を呼び掛ける。
2018年07月28日
野菜 8月盆まで品薄も 猛暑に長雨 葉物や結球類不良
7月に入って品薄となり値上がりした野菜相場が、需要期の8月の月遅れ盆まで高値を維持するとの見方が強まってきた。関東以西の猛暑、北日本の長雨といった天候の異変で、ホウレンソウなどの葉物やキャベツといった結球物、ダイコンなどの根菜類を中心に生育不良となっており、出荷量の大幅な回復が見込みにくい。さらに週末に台風が本州に接近すれば、「今後の出回りに影響を与える」(市場関係者)。今後の取引が不安定になる恐れが出ている。
野菜相場は土物類を除いて、品薄となっており、おおむね高値となっている。葉茎菜類や関東以西がメインとなるキャベツやレタスといった結球類は、猛暑と干ばつの影響で、傷みや生育の停滞が出ている。
ダイコンなどの根菜類とピーマンなどの果菜類は、北海道や東北で曇雨天や低温が続き、生育が遅れている。市場関係者は「ここまで複数の天候異変が重なった夏は経験がない」と驚く。
出荷量の回復は、まだ先になるとの見方が強い。キャベツ主産地の群馬県JA嬬恋村は「雨不足で小玉傾向。出荷量は例年の半分ほどで、盆に向けて多少は増えても、通常のペースには戻らない」と分析。ダイコン産地の北海道JAようていも「長雨の影響で小ぶりに加え、正品率も低い。8月上旬に品種は切り替わるが、少ない状態が続く」と厳しい見通しだ。
市場は対応に苦慮する。今年は盆休市が8月14~16の3日間あり、卸売会社は「盆前は在庫確保に引き合いが強まる。供給が足りないからといって、他の品目に商談を切り替えるのは難しい」と指摘。首都圏のスーパーも「全国的に野菜が少ない。売り場をどうつくるか、めどが立っていない」と頭を悩ませる。
産地は安定供給に全力を尽くす。それ以上に、天候不順の影響が大きくなっている。北日本のJAは「出荷量がそろえられるか心配。盆は需要期だけに、安定した販売ができなければ、農家の手取り確保も厳しくなる」と不安を募らせる。
2018年07月27日
農家が赤坂に複合施設 東京農業の魅力発信へ
東京都心の港区赤坂に、東京農業の魅力を発信する複合施設「東京農村」が話題を集めている。都内産農畜産物を使った飲食店や、地域活性化に関わる人の共用オフィス、貸しキッチン、室内菜園などが集結。施主の国分寺中村農園(東京都国分寺市)の中村克之さん(52)は「東京野菜を東京の人に届け、東京農業の価値を高めたい」と意気込む。
中村さんは同市でイチゴやウド、トマトやキュウリなど30種の野菜を80アールで栽培する。JA東京むさし青壮年部のメンバーとして多くの若手農家と交流しながら「手塩にかけて栽培するのに、東京野菜の価値がアピールできていない」と課題を感じていた。そこで、東京農業の底力をもっと発信しようと、東京産を使った飲食店などを集めた拠点づくりを考えた。
施設は東京メトロ赤坂見附駅から徒歩数分。施設面積289平方メートルの5階建てで、1~3階に都産野菜や銘柄豚「TOKYO―X」などを提供する三つの飲食店が入る。4階は共用オフィス、5階は料理教室や室内菜園のスペースを作る。
運営は、中村さんの思いに賛同した農業ベンチャー「エマリコくにたち」代表、菱沼勇介さん(35)が担う。同社は中村さんら100戸の農家から東京野菜を仕入れ、その農産物を使った飲食店を経営し、都心のスーパーにも納めている。
今後は農家の講演やセミナー、交流会などのイベントを開く計画。情報発信だけでなく、ビル全体を食や地域活性化に関わる人が集い、つながる「農を味わうコミュニティ」にしたい考えだ。
菱沼さんは「東京には1万人以上の農家がいる。市場が近いため、農家はさまざまな工夫をしている。東京に地産地消の風を起こしたい」と抱負を語る。
2018年07月26日
麺類の輸出好調 うどん、そうめん、そば 日本食ブーム5年で1・5倍
うどんやそうめん、そばといった麺類の輸出が好調だ。財務省の貿易統計によると、これら麺類3種の2017年の輸出額は、前年比3%増の42億円となった。この5年間で1・5倍に伸び、3年連続で過去最高を更新し、18年もその勢いを維持している。世界的な日本食ブームを追い風に輸出が拡大している。
これらの麺類の輸出額は、データがある1988年以降、長らく十数億円台で推移。だが、少子高齢化による国内市場の伸び悩みを受け、業界を挙げて海外市場の開拓に取り組んだことで、2007年頃に30億円台に伸びた。一時期、減少に転じたものの、和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された13年以降、輸出額は右肩上がりで伸びている。
17年で国別の輸出額が最大だったのは米国で11億円。1988年以降、輸出額は30年連続で首位となっている。現地在住の日本人向けの底堅い需要に加え、米国での日本食ブームが後押ししている。
次いで、香港(8億円)、中国(6億円)が続いた。特に中国の伸びは著しく、ここ5年で15倍に増加。富裕層を中心に、そうめんなどが高級贈答品として人気を集めている。東南アジア諸国連合(ASEAN)は5億円で、安定して増加傾向にある。
麺類は主に、日持ち性がある乾麺として輸出される。乾麺メーカーでつくる全国乾麺協同組合連合会は「特にうどんやそうめんは小麦の麺という点で、世界中でなじみがある。スパゲティのように、各国の調理法に染まりながら、世界の食文化に浸透していってほしい」と期待を寄せる。
2018年07月26日
妊産婦ご飯食支持 栄養バランスを高評価 簡便さ重視傾向強まる 米穀機構調査
米穀機構がまとめた妊産婦を対象にした2017年度のご飯の摂取状況調査によると、栄養バランスの観点からご飯食の評価が高いことが分かった。同機構は、妊娠期は女性が食生活を見直す機会となり、栄養面などから米の利点をアピールしやすいとみる。ただ、炊飯の手間からご飯を炊く回数は減っており、消費を押し上げるには簡便さも重要な鍵を握る。
アンケートは今年で5回目。927人から回答を得た。20~30代が9割を占める。
米を主食とした食事の良さについては、「味が淡泊なので、どのおかずとも合い、栄養バランスが取りやすい」が45%で最も多い。次いで「ご飯を主食とした食事は、エネルギーとして消費されやすい割には満腹感がある」が39%。同機構は「母体の健康維持の基本は、ご飯だとの認識が依然として高い」と分析する。
食事で気を付けていることは、「栄養・健康に優れていること」が7割を超え、栄養面を重視する傾向が強い。「簡単に作れること」(47%)、「安全であること」(46%)が続いた。特に、「簡単に作れる」の回答割合は5年前から6ポイント増と大きく伸び、簡便さを重視する傾向が強まっている。
炊飯回数は、「1日1回」が55%と最も多く、「数日に1回」が31%と続いた。毎日炊飯する割合は5年前から9ポイント減った一方、「数日に1回」は同9ポイント増加。同機構は「まとめ炊きし、冷凍保存する傾向もある」。
ご飯食の回数は、3食のうち夕食が最も多く、1週間で5日以上ご飯食を食べるとの回答割合は7割を超えた。朝食は37%、昼食は50%だった。
同機構は全国の自治体を通じて、妊娠期のご飯レシピ集を配布。妊娠期は食生活を考え直す機会となり、ご飯の重要性をPRする機会とみる。
2018年07月25日
初の低タンパク玄米ご飯 腎臓病患者向けに発売 東洋ライス
東洋ライスは、タンパク質の摂取量を制限される腎臓病患者向けに、低タンパクの玄米パックご飯商品を発売した。食物繊維などの栄養価を残しながら、食べやすく加工した同社の「金芽ロウカット玄米」を原料に、酵素処理によりタンパク質を大幅に減らした。同社の販売サイトなどで販売していく。
2018年07月24日