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    経済

    耐久戦?カラオケボックス業界 変わる勢力図

    カラオケ評論家 唯野奈津実
    無断転載禁止

    「みんなでワイワイ」減り「ヒトカラ」増加

     全国カラオケ事業者協会発行の「カラオケ白書2016」によれば、国内のカラオケ人口は2001年以降、15年間にわたって約4600万~約4800万人の間をほぼ横ばいに推移しています。

     とは言え、利用の仕方はこの15年間で大きく変化しています。昨今は「ヒトカラ」という言葉が市民権を得るようになるほど、一人もしくは少人数でカラオケボックスに通う利用者が増えています。その反面、「飲み会の2次会」や「みんなでワイワイ」といったパーティー的な使われ方は減少傾向にあります。

    多人数向けサービスと少人数グループ利用者との乖離

    • シダックスは今年、不採算店舗の大量閉鎖に踏み切った
      シダックスは今年、不採算店舗の大量閉鎖に踏み切った

     シダックスは、社員食堂運営など給食事業を母体として創業した企業です。カラオケ店舗名も「レストランカラオケ・シダックス」と称するぐらい、「食」に強いこだわりを持っています。

     確かに、多人数で打ち上げパーティーのような目的で楽しむ利用者層にとっては、充実したフードメニューは魅力に映るでしょう。しかしながら、一人カラオケなど少人数での利用者にしてみれば、歌唱中に店員に頻繁に入室されることを避けたいという心理が働き、なかなかフードメニューを注文しづらいものです。

     また、シダックスは自店舗のことを「○○店」ではなく「○○クラブ」と称しています。例えば、東京・浅草にある店舗は「浅草雷門クラブ」です。これは、同社が店舗を単なるカラオケ店としてだけではなく、地域コミュニティーの中心施設として存在することを意識しているためです。

     その狙いの一環として、各店舗内に様々なカルチャー教室を設けるなど、地域に根差したコミュニティーづくりを展開しています。ただ、これもまた「近所の仲間たちでとりあえずカラオケでも……」といったライトな利用者層からは一定の支持が期待できたとしても、「とにかくガッツリ歌いたい!」といったコアな利用者層にしてみれば、カラオケにあまり関係のないサービスにはなかなか食指が動きにくいものです。

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    2016年12月21日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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