新たなる冒険 作:hiro19931215
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仕事に疲れ気持ちも体力も疲弊している状態で久々にサイトを見たら、応援のコメントを頂き元気を頂きました。
また、不定期ではありますが再開します
今後とも、よろしくお願いします。
(急がねば!!)
彼の名前はガゼフ・ストロノーフ。近隣にあるリ・エスティーゼ王国という国の王国戦士長。王国最強と言われる強さを誇り、近隣諸国においてもその名を知られる。王国に伝わる五宝物全ての装備を認められており、その全てを装備した強さは英雄の域に匹敵するという。
筋骨隆々とした逞しい肉体にこの地方では珍しい南方の血を引く黒髪黒目。
王国のみならず周辺国家においても最強の戦士として名高く、王国貴族以外からの評価は国内外問わず非常に高い
そんな彼は、非常に焦っていた。近隣の村を襲っている帝国軍の討伐の為、自分の軍を出したのはいいが。襲われた村の惨劇があまりにも悲惨な状況に絶句した。
誰が、何のために、ここまでやるのか
最初の襲われた村は、生存者は無く女は弄ばれたかのように殺されていており子供の死体も見るに堪えない酷い有様であった。しっかりとした埋葬してもやりたいが、状況が切羽詰っている為簡易的ではあるが彼らを弔っていた。
そんな、状況を見たガゼフは今までにないくらいの怒りと焦りを覚え鬼神のような顔でひたすら馬を走らせた。カルネ村に来る途中にも同じような村を見つけては弔っていた。馬を何日も走らせていた結果、カルネ村に到着したガゼフ一行。ガゼフは、村の中を見渡し人の面影を見たガゼフは安堵したが同時に違和感もあった。
辺りからは、焼かれたような臭いに家の所々が欠損していた。何より、村人達の目線がやけに痛い。いや、痛いというにはあまりにも殺意がこもっており今にも襲いかかってきそうな勢いだ。
「お主達も、先ほどの奴らの仲間か?」
その言葉と同時に村長らしき老人がガゼフ達の前に歩みよってきた。その声は、恐怖と怒りからくるような声でガゼフ達に呼びかけていた。
「我々は、リ・エスティーゼ王国から派遣された。王国騎士団。私は、戦士長のガゼフ・ストロノーフ。一つ訪ねたい、御老公。この村は大丈夫なのか?」
この質問自体の意味が、騎士団の面々には疑問を持ち。村人からは、怒り・憎しみ・悲しみの感情を感じ取ったガゼフ。村人たちの感情を感じ取ったガゼフは悔しさと心咎めの気持ちがあった。だが、ガゼフに中には大きな疑問があった。その質問を受けた村長らしき老人からは重たい声で発せられた
「大丈夫ではないですが、死人はいません」
その言葉だけを発した老人は、口籠りその後何も言わなかった。
(村人達は、無事のようだが。今までと比べると、あまりにも被害が軽い。普通の村人が装備を着用した騎士に死人を出さずに追い返すことはほぼ無理だ。そうなると、誰かこの村を救ってくれた人物がいるはずだ。...だが、誰もそのことを言おうとしない。いや、口止めされているのか?)
そんな懸念を抱きながら、ガゼフは考え込んでいたが
「話は終わりですか?それなら、立ち去っていただけないかな?」
老人から思いもかけない言葉に、騎士団の面子は呆気を食らい。怒声が騎士団から漏れる。
「戦士長になんて事を!」
「あんたたちの為にここまで来たんだぞ!」
「礼の一つもないのか!」
その騎士団の言葉が引き金となり
「お前たちがもっと早く来ないからだろ!」
「どうせ、あなた達は私達のような農民なんか二の次でしょ!」
「お前たちに俺たちの苦しみがわかるか!」
「あんた達なんかぁぁぁぁ!!!」
壊れかけのダムが崩壊したように、両者からの罵倒の嵐が飛びあっていた。
「双方、鎮まれ!!!!!!」
その言葉は、村から聞こえた。騎士団の一員は、突然の第三者の声に警戒し。村人たちは、その者の声にすぐさま反応し声の通りに従った。
「激しい声が聞こえたから、駆け付けましたが。村長、この方たちはどなたでしょう?」
ガゼフ達の前に現れた男は、今まで見た事が無いような高級品のマントを羽織った銀髪の青年だ。そのマントは紅の色が特徴的で、汚れ1つもついていない新品同然の代物のように感じられた。首から下は、少し歩けば金属同士の摩擦音もしそうなほどの装飾品の品々。そして、彼らの目を釘付けにしたのが彼の背丈と同じくらいの大剣だ。形は、騎士団が使っているような両刃の刃ではなく。片刃の大剣であり、持ち手の部分にも今までにないくらい美しい装飾をした大剣を背負っていた。
そんな、彼からはとても優しい声で
「私は、旅人のモモンというものです。そちらのお名前と所属を聞いても?」
「はい、我々は王国騎士団。私は、戦士長のガゼフ・ストロノーフと申します。実は、近隣の村が他の国の騎士団に襲われているとお聞きし派遣されました。」
ガゼフは、彼に対して自然に敬語を使った。明らかに自分より年下であり、一介の旅人に対して王国騎士団長の身分を授かっている身。そんな彼がこのような話し方をするのは、貴族か国王にしか使わない。
彼が、このような言葉を使うのはモモンの物腰の柔らかさと人を引き付ける様な雰囲気を出しているから自然とガゼフも引き込まれたのであろう。
「モモンさん、お聞きしたいのですが」
「なんでしょう?」
「この村を救ってくれたのは、モモンさんでしょうか?」
「はい。この村が襲われているのを見て相手の騎士団を撃退しました。まぁ相手の数が少なかっt」
モモンが最後まで言葉の途中で、ガゼフが頭をモモンの手を取り頭を下げていた。
「本当に感謝します!非力な我らに変わり、国民を!この国の宝を守っていただき!この場を代表し心より感謝します!!」
「頭を上げてください、戦士長殿。私は、当然の事をしたまでです。それにあなた方も、大変苦労されてここまで来られて来たのでしょう?兵士達と馬の様子を見ればわかります」
モモンの言うとおり彼らは戦闘こそしていないものの、村については埋葬をし。何十時間も馬を走らせ、休憩という休憩はほぼしていない。ガゼフの国民を思う気持ちは本物だと、モモンに伝わっていた。
その言葉を聞き、ガゼフはモモンの手を放し頭を上げ。再び、モモンと対面した。
「あなたは、その年でとても慈悲深くお優しいのですね。今度我が国に来られた時は、是非教えていただきたい。陛下に懇願しますので、是非褒美を受け取ってもらいたい」
「ありがとうございます。その際は、ありがたく頂戴します」
このやり取りとガゼフの謝意のおかげで先程の、一触即発な空気は無くなった。
「さて、我々はこの村の安全確認ができたので何かお手伝い出来ることはありますか?」
ガゼフの安心しきった一言にモモンは少し黙り。三秒程黙った後に
「そうですね...では、村人達を町の中心に集めて防衛線を引いてください」
「それは、どうゆうk」
ガゼフの言葉の遮るように、モモンはガゼフ達が来た道を指差す。
「なっ!!!」
モモンが指差した先には、かなりの距離はあるがガゼフ達と異なる鎧を着た騎士のような人影40~50。おそらく、モモンが撃退したのは斥候隊。こちらが本隊ということだろう、ただ村を襲うには数も質も高すぎる。その理由は、単純であるからしてモモンにも理解できた
「恨まれているのですね。戦士長殿」
「巻き込んでしまって申し訳ない」
ガゼフは、人間の中では英雄に等しい程強い。その為、国同士での戦争になった場合彼という存在は強大であり恐怖の対象である。その為、敵国はガゼフを誘い出し疲弊しきっている瞬間を討つ今が絶好のタイミングである。
「それでは、先程も申した通り。村人を中心に集め守ってください」
「何を!あの数を一人で相手など無謀です!我々も共に!」
頑なく、モモンの提案を拒否するガゼフ。その返答にモモンは、手を上に上げ指を鳴らした。
「モモン殿...何..を...」
突然のモモンの行動に呆気をくらったガゼフは、突然倒れた。倒れたというより、睡眠の魔法を受けたのだ。それも、ガゼフだけではなく騎士団一同と村人全員も睡眠の魔法を受けて倒れていた。
全員の意識が無くなったことを確認すると
「...では、この者たちを大きな建物の中に移動させておいてくれ。アウラ」
「かしこまりました。モモンガ様」
その声は、今から戦闘が始まるとは思えない程元気でハキハキした声がモモンガの後ろから聞こえた。アウラは、魔法で自分の姿を消し常にモモンガの傍にいた。ガゼフがモモンガの手を取る瞬間は、攻撃しようとしていたがモモンガに止められていた。アウラの使役するモンスター達により、騎士団と村人は建物の中には運ばれていた。
このモンスター達の中に探知系に優れている個体がおりアウラがモモンガに知らせており、そのおかげで敵の発見が分かったのだ。
「モモンガ様、一つお尋ねしたいのですが?」
「ん?どうした、アウラ?」
「なぜ、あの戦士を受け入れられたのですか?」
「...あの男には、かつての仲間の面影が見えたからだ...まぁ、これで恩は売れたから結果的に上々だ」
モモンガは、少し上を向きかつての仲間を思い出していた。
「...さて、私はこのまま単騎で戦闘する。このアバターの戦闘力も把握しておきたい。」
「かしこまりました。他のメンバーはどのように?」
「探知系阻害の魔法と、村人達の建物に防御魔法を。あと、我々を監視しているものがいないとは限らないからそちらの警戒も頼む」
「かしこまりました。デミウルゴスに伝えて最善のメンバーを厳選します」
「頼むぞ、アウラ」
「はい!!」
「さて、実験の時間だ!」
誤字脱字あったらすんません。
久々なんで、許してください。
にしても、戦士長なのに騎士団であっているのかなとヒシヒシと感じていました。