和歌山県立高校のラグビー部顧問が部活動の校内合宿中に飲酒し、男子部員に暴行していたことが県教委の調査で分かった。部員は右の側頭部に傷や腫れが生じ、3週間程度の通院が必要と診断された。県教委は顧問の処分を検討する。仁坂吉伸知事は7月24日の定例記者会見で「酒を飲んで暴力を振るうとはとんでもない。こんなことを許してはいけない」と述べた。
県教委によると、顧問は30代の男性教諭。校内合宿をしていた7月15日午後7時ごろからバーベキューをし、顧問の他に部員16人、副顧問、OBが参加した。顧問と副顧問は校内飲酒が禁じられているにもかかわらず、500ミリリットル入りの缶ビールを1本半ほどをそれぞれ飲んだ。顧問が3年生男子部員にグラウンド整備が遅いことを注意したところ、「部員の人数が少ないので限界です」と反論され、激高。部員を引き倒し、ジャージーの襟や髪の毛をつかんで引きずり回し、膝で腹部を数回蹴ったり、側頭部を踏み付けたりしたという。
翌16日、顧問は飲酒と暴行の事実を高校側に報告し、保護者や部員に謝罪した。
顧問は「自分でもどうしてこのようなことをしたのか分からない」と話している。校長は「教育公務員として断じて許されない。おわび申し上げる。今後、生徒のケアと再発防止に努める」と陳謝した。高校は事実確認が終わるまでラグビー部の活動を休止する。県教委は、顧問と一緒に飲酒した副顧問についても処分を検討する。