トイレ行かせず職質は違法で無罪

覚醒剤を所持した罪などに問われた春日部市の会社員の男性の裁判で、さいたま地方裁判所は男性がトイレに行きたいと訴えたにもかかわらず、警察が所持品検査を続けて覚醒剤を提出させたことについて違法だと指摘し、無罪を言い渡しました。

春日部市の45歳の会社員の男性は、去年11月さいたま市内のゲームセンターの駐車場で覚醒剤を所持したなどとして覚醒剤取締法違反の罪に問われました。
27日、さいたま地方裁判所で開かれた裁判で、結城剛行裁判官は男性がトイレに行きたいと訴えたにもかかわらず警察が職務質問を続けたことについて、「トイレに行く前に所持品検査に応じることを求め男性の前に立ちふさがるなど心身ともに追い込んで覚醒剤を提出させた」と指摘しました。
そのうえで「職務質問の所持品検査として許容される限度を大きく超えて違法だ」と述べ、無罪を言い渡しました。
これについて、さいたま地方検察庁の古谷伸彦次席検事は「判決内容を精査し適切に対処したい」としています。