サムスンが「破壊不能ディスプレイ」を発表。米国防総省の過酷な耐久テストをクリア
アンブレイカブルというとサミュエル・ジャクソン
韓国サムスンディスプレイは「破壊不可能なスマートフォン用ディスプレイパネル」が米UL LLC(アメリカ向け輸出製品を製造する各国企業に対して認可を行なう安全機関)の認証を得られたことを発表しました。
ULによると、この破壊不能ディスプレイは、米国防総省によって設定された軍事基準に基づくリアルタイム耐久性テストにも合格したとのこと。サムスンディスプレイは、この技術によりスマートフォンや自動車、モバイル軍用機器やポータブルゲーム機、eラーニング用タブレットPCといった耐久性が求められる電子市場製品を開拓できる見通しを述べています。
このディスプレイを技術的に見ると、破損しにくい基板とオーバーレイウィンドウ(画面の上にかぶせる保護材)がしっかり接着されたフレキシブルOLEDパネルであるとのこと。
現世代のフレキシブルディスプレイ製品のオーバーレイウィンドウはガラス製を採用しています。これは曲げなどには耐えるものの、深刻なダメージを受けた場合には壊れることがしばしばあります。
サムスンディスプレイの担当者いわく「強化されたプラスティック製のウィンドウは、破損しにくい特性を持つだけではなく、軽量で透過率が高く、携帯用電子機器に適しています」とのこと。プラスチック基板を用いて衝撃に強いフレキシブルディスプレイを開発した例は他にもありますが、さらに保護材を強固にし、画面の視認性を高くしたアプローチかもしれません。
ULの行ったという耐久性試験は、地上1.2mから地面に連続して26回も落下させ、71度からマイナス32度までの温度テストを実施する過酷さ。その後もパネルは正常に機能し続け、前面や側面、角の部分にも破損は認められなかったとしています。
さらに続いて1.8mからの落下という、米軍規格よりも厳しい条件でのテスト下でも、新型ディスプレイパネルは正常に動作し、損傷の兆しは見られなかったとのこと。破壊不能(unbreakable)はもののたとえではなく、本当に開発陣にはその自信があるようです。
さて、このタイミングでサムスンのフレキシブルディスプレイのニュースとなれば、2019年初めに登場が噂される折りたたみ式スマートフォンとの関連が気になるところ。破壊不能ディスプレイの技術が応用されて、柔軟性と耐衝撃性を兼ね備えた、頑丈な折りたたみスマホが実現することを期待したいものです。