座学を目的とせず、実学を重視する学校「ゼロ高等学院(通称:ゼロ高)」が10月に開校する。
主宰するのは、実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文さん。
「学校教育を壊す(ディスラプトし再構築する)」と自身が発言したのがきっかけで、民間の教育機関の立ち上げに動いた。
堀江さんは7月26日、東京都内で記者会見を開き「必要とされる人を作るのが主目的。最先端の学びや気づき、きっかけを柔軟なうちに届けたい」と意気込んだ。
ゼロ高は、同校の設立を目的とした企業「SNS education株式会社」(内藤賢司社長)が運営。
生徒たちはさまざまなプロジェクト活動に参加し、学べるのが大きな特色となる。
「大切なことは自分でわかっていくしかない」が教育方針
堀江さんらが持つネットワークを活かし、多岐にわたる分野の第一線で活躍するプロフェッショナルたちから最先端の技術や知識を学んでもらう用意がある。
例えば、宇宙ロケットの開発・発射のほか、和牛の生産・販売、寿司職人になるための技術や経営、ファッションやエンジニアリングなどだ。
さらには、静岡県での村づくりや、全国でシェアオフィス作りにも加われるという。
設立の意義とは
社会参画の場や課外活動の場を提供したいと考えたのは、自身の行動によってのみ、自分が本当にやりたいもの、人生をかけて関わりたいものが見つかると考えているからだ、という。
内藤社長は「選択肢を知ることができない世界、未来を諦めなければならない世界を解決したい」と設立の意義を強調した。
「多くの選択肢を知って、仲間と共にその選択肢から選んで行動し、学び、成功するまで失敗できるような環境にしたいです」
ただ、ゼロ高そのものは学校教育法上の「高等学校」には当たらず、高校卒業資格を得られない。
そのため、広域通信制高校である「鹿島山北高等学校(神奈川県)」と連携。生徒は、鹿島山北にも同時に入学することになる。3年間で必要単位を取得することで、高校卒業資格を得られるようにするという。
著名人らが学校顧問に
学校顧問には、元マイクロソフト社長の成毛眞さんや『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』の編集を担当した佐渡島庸平さん、モテクリエイターの「ゆうこす」こと菅本裕子さんらを据える。
大ヒットした本「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を執筆した坪田信貴さん(坪田塾・塾長)も、顧問の一人だ。
坪田さんは、堀江さんと今後の教育について話し合う中で「よく生徒に、何のために学校に行っているのか、と聞かれます」と切り出した。
「集団行動や論理的思考などを学ぶためと言われますが、それは学校でなくても身につくと思っています」
「ゼロ高では『寿司を学ぶために行ってる』とかやりたいことを学ぶために行っていると言える。だから、そんな疑問の声はあがらないと思いますね」
「行動したやつが一番強く、一番得しているんです」
学校を作ると構想してから、この日の会見までわずか半年間だったという。堀江さんは若者に何を求めるのか。
「寿司を作ってみて、センスがないなと思ったら、ロケットエンジンを作ってみよう、とすぐにコースを変えられる。開発の現場にもすぐ行けるから。センスが良ければ、そのまま雇われることだってある」
「とにかく僕たちは、これからの時代、座学より行動してもらいたい。人生、行動したやつが一番強く、一番得しているんです」
定員は400人、10月に入学式を予定
ゼロ高は、全国の高校を卒業していない人が入学対象で、定員は400人を想定している。
費用は3年間で108万円(入学金無料キャンペーン中)。別途、教科書代や課外活動費、鹿島山北高校の学費約30万円(3年間)などが必要になる。
新入学の時期は4月と10月の年2回で、編入・転入生に関しては毎月受け入れる。今年10月に静岡県で入学式を予定している。
バズフィード・ジャパン ニュース記者
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