今から約2年4カ月前の2016年3月に発売された「iPhone SE」が、いまだに売れている。Appleや3キャリアに加え、キャリアのサブブランドと呼ばれるMVNO各社も扱っており、さまざまな販路で購入できる。LINEモバイルは2018年7月にiPhone SEを発売したばかりだ。
Androidスマートフォンだと、大体1年もすれば店頭から姿を消し、2年ほどでOSバージョンアップが打ち切られる。2016年前半に発売された他社のスマホは「Xperia X Performance」や「Galaxy S7 edge」などだが、ずいぶん昔の機種だと感じる。iPhone SEは、なぜいまだに人気なのか。
まず大きいのが「価格」だ。「iPhone X」や「iPhone 8 Plus」などの高スペックのモデルは容量によっては10万円を超えるが、Appleの販売するiPhone SEは32GBが3万9800円(税別、以下同)、128GBが5万800円で、比較的安い。MVNOだとさらに安いことが多く、LINEモバイルは32GBが3万800円、128GBが4万800円だ。UQ mobileは、通常価格は32GBが4万900円、128GBが5万500円だが、店舗によっては一括0円で買えるところもあるようだ(関連記事)。
SIMロックフリースマホは3万~4万円台が人気だが、この価格帯にiPhoneがあるのは大きな強みだ。毎月の通信費を抑えるためにMVNOサービス(格安SIM)を使いたいけど、SIMロックフリー端末はiPhoneが欲しいという人にとって、iPhone SEは有力な選択肢になる。
ほぼ全ての現行スマートフォンが5型~6型のディスプレイを搭載する中、「4型」という小さなディスプレイを採用しているのもiPhone SEの魅力だ。SEの幅はわずか58.6mmで、70mm前後が多い他の機種と比べても小さくて持ちやすい。同じ4型でロングセラーとなった「iPhone 5s」も、中古市場ではいまだに人気だが、発売から間もなく5年がたとうとしており、SEへの世代交代が進みつつある。5sが長らく人気だったことから、その後継機であるSEの人気が続くのも必然といえる。
逆に、2年以上たってもiPhone SEの後継機が登場していないので、このサイズの新しいスマホが欲しい人はSEしか選択肢がない、ともいえる。
他のスペックも見ていこう。プロセッサは「A9」チップを搭載し、カメラはアウトが1200万画素、インが120万画素。指紋センサーのTouch IDは5sと同じ第1世代だ。A9チップやアウトカメラはiPhone 6sと共通しており、今でも必要十分なスペックといえる。なお、FeliCaや防水には対応していない。
もう少し画面が大きくて安価なiPhoneが欲しければ、4.7型のiPhone 6sを選ぶ手もある。キャリアは新品を扱っていないが、AppleやMVNO(主にサブブランド)は販売を続けている。Appleの販売価格は32GBが5万800円、128GBが6万1800円で、当然ながらiPhone 7以降よりは安い。
機種名 | iPhone 5s | iPhone SE | iPhone 6s | iPhone 8 |
---|---|---|---|---|
プロセッサ | A7チップ+M7モーションコプロセッサ | A9チップ+M9モーションコプロセッサ | A9チップ+M9モーションコプロセッサ | A11 Bionicチップ+M11モーションコプロセッサ |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 58.6×123.8×7.6mm | 58.6×123.8×7.8mm | 67.1×138.3×7.1mm | 67.3×138.4×7.3mm |
重量 | 112g | 113g | 143g | 148g |
ディスプレイ | 4型Retinaディスプレイ | 4型Retinaディスプレイ | 4.7型Retina HDディスプレイ | 4.7型Retina HDディスプレイ |
解像度 | 1136×640ピクセル(326ppi) | 1136×640ピクセル(326ppi) | 1334×750ピクセル(326ppi) | 1334×750ピクセル(326ppi) |
Touch ID | ○(第1世代) | ○(第1世代) | ○(第2世代) | ○(第2世代) |
3D Touch | ― | ― | ○ | ○ |
LTE | 下り最大100Mbps | 下り最大150Mbps | 下り最大300Mbps | 下り最大800Mbps |
VoLTE | ― | ○ | ○ | ○ |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac MIMO対応 | 802.11a/b/g/n/ac MIMO対応 |
連続通話時間 | 10時間 | 14時間 | 14時間 | 14時間 |
ワイヤレス充電 | - | - | - | ○ |
アウトカメラ | 800万画素 | 1200万画素 | 1200万画素 | 1200万画素 |
インカメラ | 120万画素 | 120万画素 | 500万画素 | 700万画素 |
防水 | ― | ― | - | ○ |
FeliCa | ― | ― | - | ○ |
Appleの販売価格 | 販売終了 | 32GB:3万9800円 128GB:5万800円 |
32GB:5万800円 128GB:6万1800円 |
64GB:7万8800円 256GB:9万5800円 |
iPhone SEがあとどれぐらい長く使えるのかも気になるところ。2018年秋にリリース予定の「iOS 12」は、「A7」チップを搭載するiPhone 5sも対象になっている。この流れが続くなら、SEは2020年秋の新OSにも対応するので、あと2年以上は最新OSを使える可能性が高い。加えて、iOS 12では同OS対象の全iPhoneのパフォーマンスが改善される。今からiPhone SEを購入しても、しばらくは快適に使い続けられるはずだ。
2018年にiPhone SEの後継機が発売されるとのウワサがあったが、やはり年内に後継機は出ないのでは、という情報も飛び交っている。新品のiPhone SEが売られる日々は、まだ続きそうだ。
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