新たなる冒険 作:hiro19931215
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よろしく、お願いします。
NPC
ノンプレイヤーキャラクターの略。
元来テーブルトークRPG用語の1つであり、プレイヤーが操作しないキャラクターのことを指す。
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「なぜ、喋っている?」
「申し訳ございません。モモンガ様!!」
「よい、別に咎めているわけではない。」
「そのようなことございません!!命令に背き、モモンガ様を御不快にさせてしまった私の舌を切り落とさせていただきます!!」
アルべドは、どこからともなくナイフを取り出し。
自分の舌を出し、ナイフを押し付ける。
「よいと言っておる!」
絶望のオーラをあふれさせ、アルベドが持っていたナイフを叩き落とす。ナイフは地面に落ち、モモンガの手には無機質の感触が残った。
「申し訳ございません!」
涙目になりながらも謝罪を続けるアルベド。
「許そう。私も少し驚いている...」
そう言って、気持ちを切り替え。改めて、置かれた立場を見直す。
(さて、最初は動揺したが一つ一つ整理しよう)
1.ログアウトしない。サーバーダウンも無し。
2.運営と連絡もつかない
3.コンソールがきかない。
4.NPCが動いている。
NPCは、普通プレイヤー側が命令しないと動かないプログラムになっている。
(プログラムというより生きているようだ??コマンドではなく会話になっていたし、表情もあった。さっきのも感触があった...)
モモンガは思考を巡らせた、仮に運営側のサプライズという形で最後まで残っていたプレイヤーに対して、<ユグドラシル2>を配信したというなら納得できる。
だが、配信メッセージも来ない。運営とも連絡がつかない。NPCが勝手に動く。
バグどころの話ではない。それに、さきほどまでのアルベドのやり取りは違和感が無く、本当の生き物と接しているようだった。
つまり、ここでモモンガは一つの仮説をたてる。
(サーバーの不良でユグドラシルに閉じ込められたか、ユグドラシルが現実世界になったか....そんなバカな!!)
絶対的支配者が困惑してる姿を僕たちが見つめる。
(とりあえず、まずは情報収集しなくては!)
「セバス」
「はっ!」
名前を言ったNPCはセバス·チャン
ナザリック第9・10階層に控え、メイド長と共に生活面を支える最高責任者である家令。
(いいのか?命令できるのか?それよりも、俺が命令して大丈夫なのか?)
名を上げられ、モモンガに真剣なまなざしを送っているセバス。
(ええい!ままよ!)
「大墳墓を出て周辺の地理の確認。それと、半径5㎞圏内に言語が通じる生物がいた場合接触し友好的に交渉せよ。相手の条件はほぼ呑んでもよい。共にはプレアデスのソリュシャン、ルプスレギナを同行させよ。戦闘になった場合、勝てそうにない存在に遭遇したら即刻撤収し情報を届けろ。」
「ははっ!!」
「残りのプレアデス達は、各階層に行き。非常事態レベルを最大まで上げさせろ。終わり次第9階層に行き、侵入者が来ないか警戒せよ!!」
「「「はい!モモンガ様!」」」
「なにかあった場合は、すぐ私に報告せよ!!そしてセバス、ソリュシャン、ルプスレギナは油断せず、もしもの場合は生き残ることのみ考えよ!!」
「はっ!ありがたき御言葉!」
「では、行け!!」
モモンガの声とともにセバス、プレアデス達が行動に起こし。20秒もかからずして、玉座の間から姿はなくなっていた。
書いていて思ったのですが、かなりモモンガさんが熱血キャラになってしまいました(笑)