新たなる冒険 作:hiro19931215
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これからももっと面白くしていけるように頑張っていきますので応援よろしくお願いします!
カルネ村編までは、あと2、3話の予定ですのでご了承ください。
補足:前回紹介した、世界級(ワールド)アイテム「混沌と秩序」は天使と悪魔がお互いの手を合わせているネックレス。というモチーフですでよろしくお願いします。
モモンガは、唖然としていた。
「ユグドラシル」の隠された条件を満たしてしまったことにより、世界級(ワールド)アイテム「混沌と秩序」を手に入れてしまったため。
なぜ、唖然とするのか?
普通、強い装備や貴重なアイテムを手に入れたならゲームプレイヤーとしては嬉々として喜ぶのだが....
この世界級アイテムというのは規模が違いすぎるからだ。
世界級アイテムとは、「ユグドラシル」に存在する全アイテムの中でも頂点に位置するアイテム群。
総数二百種類、それぞれが一点物であり、一つの所有が飛躍的な名声の向上に繋がる。世界の名の通り世界観の一翼を担っていることと運営のこだわりもあって、一つ一つが
ゲームバランスを崩壊させかねないほどの破格の効果を持つ。
この効果に対抗するのは困難であり、同格のワールドアイテムを所持するか、最高峰の職業ワールドチャンピオンのスキルを使用することでしか防ぐことは出来ない。
ちなみにモモンガの所属ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」はワールドアイテムを全ギルド中最多の11種類所有していた。
そんな、超貴重アイテムを最後の最後に入手してしまったモモンガ....
(こんな、どえらいモノを最後に入手するなんてなぁ~。確かに、ネットの書き込みを見る限りでは世界級アイテムなんて全部発見できてないもんな.....)
世界級アイテムは能力が規格外すぎる為、入手の方法なども曖昧であり運営側も公式な発表などはしていない。
(世界級アイテムを手に入れるために、よく皆と仮説を立てての討論や無理難題のダンジョンに行ったな......。あの時は皆、世界級アイテムが欲しいが為に、リアルよりこっちを優先してたもんな~。)
モモンガは、少し下を向き昔のことを思い出していた。
(...よく見たら、このアイテムもかなりの規格外度がすごいなぁ~。このアイテムがあれば、たっちさんにも単騎で勝てるんじゃないかな?)
そんなことを思い出しながら手に持っている世界級アイテム「混沌と秩序」
たっちこと「たっち・みー」とは、職業「ワールドチャンピオン」であり、ギルド内で最強、かつゲーム中でも3本の指に入る実力者。呼び名は”純銀の聖騎士”。
メンバー中最も「正義」という言葉にこだわった男。「正義降臨」エフェクトを用意して自分の周辺に浮かせていたほど。
ギルド:アインズ・ウール・ゴウンの前身となった「最初の九人」の発起人であり、異形種であることを理由にPKに晒されてゲームにうんざりしていたモモンガを仲間に勧誘した。モモンガにとっては恩人に当たる人物で元々ギルドマスターのような立ち位置だった。
(というか、たっちさんだけじゃなく他のギル面が集まっても良い勝負になるんじゃないかな?これ?)
そんなことを思いながら、首にかけている「混沌と秩序」を見つめている。
(これ、本当の意味でカオスだよ...プレイヤーがレイドボス並に強くなるじゃん。)
PM23:28
(うわっ、もうこんな時間じゃん!)
この数分で、様々な体験をしたモモンガは時間を忘れていた。
(あと、30分で本当に終わりか~。やっぱり、いざ終わるってなると悲しくなるな...)
モモンガは先ほどまで座っていたところから立ち上がり
(最後は、玉座の間でNPC達と記念撮影で終わるか。この姿も、後で皆に見せつけてやるか♪)
そんなことを思いながら玉座の間まで、歩き出したモモンガである。
--玉座の間--
そこは、かつての仲間たちが凝りに凝って作った神々しい部屋がある。
このナザリック大墳墓は、地上部分の陵墓に加え地下1〜10階層で構成されており、さらに転移しないと行けない隠し部屋たる宝物殿なども存在する。
この部屋は、その最下層に位置する。
そして、かつての仲間達41人の旗が掲げられ、ナザリックの全てを管理する部屋でもある。
その奥にある、玉座にモモンガはそっと腰を落とす。
(やっぱり、何度見てもこの部屋は凄いな。気合の入り方が尋常じゃないや。ははっ)
辺りを見渡すと、戦闘メイド「プレアデス」と「プレアデス」達を指揮下に持つ執事姿の「セバス・チャン」が一糸乱れぬ会釈をしている。そして、玉座の隣には今まで見たことのないような絶世の美女「アルべド」が佇んでいる。
このナザリック大墳墓は、かつて1500人プレイヤーの侵攻にあい「アインズ・ウール・ゴウン」最大の危機があったが。かつての仲間たちのトラップや強力なNPCたちのおかげで未だに、9階層より先を見た者はいない。
(結局、この玉座の間まで誰も侵入できなかったんだよな~。あの時は、かなりハラハラしたな~。あれのおかげで俺たちのギルド名が一気に上がったんだよな...)
PM23:45
(まだ、時間があるな...。そいえば、このアルべドの設定ってどんなんだっけ?)
コンソールを操作し、アルべドの設定を見る。
(...........なっが!!!!!)
途中で見るのを諦めたモモンガ
(作ったのは、タブラさんだったよな。あの人、設定魔だもんな...)
最後の一覧にモモンガは、目を見開いた。
「ちなみに。ビッチである。」
(はぁ~~、ギャップ萌えもあったな...)
それを見たモモンガは、アイテムボックスから一つの杖を取り出した。
その杖は、杖というにはあまりも美しすぎた。
「スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」
ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルド武器。七匹の水晶で出来た蛇が絡み合うことで杖の形をなしており、それぞれの口がそれぞれ違った色の宝石をくわえている。
(これを、作るのに皆有給を使って素材集めしたもんな~。)
・・
(まっ、本物の方は最後まで使わなかったな~)
そんなことを思いつつ、アルべドの設定画面にスタッフをかざす
(本当は、ツールを使わないといけないど...これがあれば!)
アルべドの最後の欄に書いてある。
「ちなみに。ビッチである。」を消し
(う~~~~ん、最後だし。このままじゃかわいそうだよな?)
・・
「モモンガを溺愛している」
に変えてしまった
(かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、恥っっっっず。何してんだ、俺)
己の恥ずかしさに悶絶する、ハーフ悪魔がいた。
PM23:55
(っと、いけないいけない最後に記念撮影するんだった。)
そして、手を水平に上げ命令を出す。
(確か、コマンドは...)
「集え」
そういうと、周りに待機していた。プレアデスたち、セバス、アルべドが玉座を背にし囲むように集まり、待機した。
(写真を撮るには、これか)
カシャ
という、機械音が聞こえた。
(ペロロンチーノさんに見せたら、羨ましがられるだろうなっ)
PM23:58
(はぁ~、明日も早いしもう寝るか...)
と、現実を直視するモモンガ
(もう、二度とこんなにハマるゲームはないだろうな...)
(もう、二度とあのよう素晴らしい仲間には会えないだろうな...)
目を瞑り、サーバーダウンまで待つモモンガ
PM23:59
(はぁ~、今から寝て起きて仕事また寝て起きて仕事か....)
モモンガは、絶望していた。
ユグドラシルがあるから、リアルでも頑張っていた。
仲間がいたから、毎日に楽しみができた。
居場所があったから、生きがいがあった。
それも、あと数分で終わる。終わってしまう。
このまま、リアルに戻っても毎日きつい仕事をこなし、生きがいもなく、楽しみもなくなってしまう。
モモンガ、鈴木悟は思う
(もう、リアルには戻りたくないな...明日から何をしよ...)
モモンガは、葛藤した。
(帰っても、出迎えてくれる人もいない。)
(俺の周りには、誰もいない...)
(俺は、また一人ぼっちになったのか...)
(あんな世界に戻るくらいなら....)
・・・・・・・・・・
(ずっとここにいたいな...)
PM0:00
PM0:01
(ん???????)
(どういうことだ?ログアウトしない?)
「どーなっているんだ?」
「如何なさいましたか?モモンガ様?!」
「なぜ、喋っている?」
(NPCが喋っている。どーなってるんだ?!?!?!?!)
新たな物語の始まりである
今回でやっと、本編に入ることができました。
少し、長くなってしまい申し訳ございません。
ご感想、誤字脱字いただけたら幸いです。