俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:コヘヘ
<< 前の話

51 / 51
完全なギャグです。


閑話 走れアルベド

アルベドは激怒した。

 

彼の暴虐婦人なる王女の存在を許せない。

 

先ず、第一に守護者統括たる自分がお情けを戴けるはずなのに、

 

『村娘』が掠め取った。

 

それは時が経てば良い。勝利するためには必要な犠牲だ。

 

 

しかし、暴虐婦人なる王女は、定命を超越せし、同胞を選んだ。

 

許しておけぬ。同胞に秘して計画するならばなおのことだ。

 

 

聞けば『村娘』まで支援しているという。

 

同胞を誑かし、守護者統括の自分さえ不可避の状況に追い込まれた。

 

 

だから、走る。正当な権利を守る為に。

 

シマバラに邪魔されようが、カジータに邪魔されようが、双子に邪魔されようが関係ない。

 

 

アウラとマーレのタッグも躱して見せる。これが愛の力なのだ。

 

 

デミウルゴスの怒りの言葉等、正当なる我が権利の前には雑音も同じだ。

 

 

御方の息子を自称する道化師には、時間をかけさせられた。

 

手数が多いことこの上なかった。

 

 

コキュートスは罠に嵌めた。

 

我が正当なる権利を用いれば欲する者が手に入るから容易かった。

 

 

セバスに止められたが、ハーレム爺の言うこと等聞く価値もない。

 

その言葉だけで沈んだ。

 

 

竜人戦隊五人組がタッグを組んで自分は取り押さえられた。

 

もはや正義もここまでかと思いきや、光明はあった。

 

彼らの取り押さえるポーズの醜悪さを説いた。

 

そうあれとされた彼らの動揺から手が緩んだ一瞬で逃げ延びた。

 

 

炎を司るスライムが現れた。本領発揮できない以上意味のない無駄な時間稼ぎ。

 

ところが、プレイアデスが到着する。

 

 

私は負けない。数百の敵が来ようとも。

 

 

頂いたお力があれば、いつまでも前を向くことができる。

 

 

プレイアデスの連携を凌ぐのは困難極めた。

 

私が、御身のため、我が正当性を叫ぶと怯むポニーテル。

 

流石、ドッペルゲンガー。我が心を読むとは素晴らしい。

 

これこそ我が同胞に相応しい姿。

 

 

同族とはいえ、あの息子を名乗る存在は、息子ならば、

 

これくらい正当性を察するべきだろう。

 

 

先ほど撒いたデミウルゴスが叫ぶ

 

「計画の大前提を壊してどうする!!」

 

一瞬怯んだ。だが、バレていないからセーフだと開き直る。

 

 

ハーレム爺とデミウルゴスがタッグを組んで襲い掛かる。

 

有り得ない組み合わせに、もはや、ここまでと諦めかけた。

 

 

だが、私は思い出す。誓いの儀式を。

 

正当性は我にあり。我こそは正当なる資格を持つ者と叫ぶ。

 

 

道化師が言いずらそうに言う。

 

「それ、単純にあなたの能力的に与えやすかっただけでは?」

 

ぶん殴った。慈悲はない。

 

 

愛するお方の為に行動すること、

 

それは目の前の目的の人物もわかっているだろうと叫ぶ。

 

「「「おい、馬鹿辞めろ!!!」」」

 

雑音が響く。ついに待ち望んだ扉だ。

 

 

向こうには暴虐婦人なる王女と愛する御方がいる。

 

だから、私は正当性を叫ぶ。

 

「モモンガ様!いい加減私に愛を!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「計画だとあそこでさらに煽って意識させる予定だったのですが、

 

 私が一番辛い役だったんですけど」

 

暴虐婦人なる王女が言う。

 

 

「私なんてほぼ勘付かれていたので、あの後慎重に行動していたのですよ

 

 まぁ、ある意味アルベドが目くらましになりましたが、

 

 あんな馬鹿みたいな不合理な行動はありませんでした」

 

同胞たるデミウルゴスが言う。

 

 

「私、創造主に盛ったんですけど、この作戦で」

 

息子と名乗る存在が落ち込んで言う。

 

 

「アルベド様、流石にないです」

 

村娘に引かれる。

 

 

「ところで何故アルベド様はこのような暴挙に?」

 

気づかないドッペルゲンガー。これは本当に大丈夫なのか?

 

 

「守護者統括殿は謹慎ということでよろしいでしょうか?」

 

デミウルゴスが勝手に仕切る。

 

 

「「「賛成」」」

 

皆が私を封印しようとする。

 

 

「待ってください!アルベド様にも事情が!」

 

ああ、事情が一番わかってないのが私の味方だったなんて。

 

 

「ああ、何か勝手に納得してます。守護者統括殿。

 

 多分、放置しても問題ないです。閉じ込めますが」

 

理不尽極まりないことを言い出す上位二重の影(グレータードッペルゲンガー)。

 

種族を間違えているとしか思えない。

 

 

「デミウルゴス様。やっぱり反省していません。

 

 セバス殿縛るの手伝ってください」

 

ああ、もうダメなのか...

 

 

「一体これは何の騒ぎだ...?」

 

モモンガ様がお言葉をかけてくださる。きっとこの状態から...

 

 

「ただのいつもの暴走です。お気になさらないで『旅』の準備を」

 

デミウルゴスが遮る。

 

 

「ああ、いつものか。変なものでも食べたか?休め」

 

そう言って離れる御方。そんな。

 

 

「『休め』と言われたからには守ってもらいますよ。アルベド」

 

デミウルゴスが言質をとらえたせいで悪魔の笑みを浮かべる。

 

 

「まぁ、自業自得だよね」

 

アウラまで。さっき見逃してあげたのに。

 

 

「守護者統括殿はナザリックの大切な内政の管理者です

 

 全く問題ないですね」

 

シマバラ貴様!いつの間にそこにいる!

 

 

「解散ですね...正直疲れました。本当に」

 

そう言ってデミウルゴスは私を軟禁するために動き出す。

 

セバスまで一緒になっている。まだ、まだあきらめない。

 

 

「諦めてください。本当に」

 

おのれ!パンドラズ・アクター!!

 

 







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。