グーグル傘下の自動運転車、米ウォルマートで送迎サービスへ
米グーグルの親会社アルファベットの傘下で自動運転車を開発しているウェイモは25日、顧客をスーパーのウォルマートへ送り迎えするサービスを試験運用すると発表した。
試験は今のところ、ウェイモがかつてアリゾナ州フィーニックスで行った試験走行の参加者400人余りに限られている。
しかし、試験段階が終わった際にアルファベットがどのように自動運転車を展開させるつもりか、その方向性がうかがえる。
専門家の1人は、コストが要となるだろうと指摘した。
今のところ料金については、ウォルマートのオンライン注文サービスで商品を購入すれば割引を受けられるとしか、明らかになっていない。
コンサルティング会社ベグビーズ・トレイノーの小売業担当ジュリー・パルマー氏は、「このサービスが正式展開されれば、サービスに見合うだけの高い値段設定となるだろう」と話した。
「高額商品を買う顧客限定になると予想される」
グーグルvsアマゾン
ウェイモとウォルマートとの提携は今週初め、顧客が店舗外にウェイモのロゴが描かれた駐車スペースを見つけたことから噂になり、米掲示板サイト「レディット」の自動運転車フォーラムでも共有された。
今回の提携は、米アマゾンの即時配達サービス「プライム・ナウ」に競合するのではと指摘する人もいる。
パルマー氏は、「グーグルとアマゾンは食品小売市場に最先端の手法で進出しようとしている。両社の準備運動段階がやっと見え始めたばかりだ」と話した。
ウェイモのジョン・クラシク最高経営責任者(CEO)は今週、自社の車が公道での試験走行で合計約1130万キロを走ったと発表したばかり。昨年11月時点の2倍に達した。
クラシクCEOはさらに、「現実世界での経験と800億キロにわたるシミュレーション走行で、世界で最も経験豊富なドライバーを構築している」と付け加えた。
今週は他の自動運転車開発企業からも、発表が相次いだ。
- 米フォードは8月から自動運転車部門を分離・独立させ、2023年までに40億ドル(約4430億円)を投じると発表した。5月にはゼネラル・モータース(GM)も同様の計画を明らかにしている。
- 米配車サービスのウーバーは3月、アリゾナ州での自動運転車の試験走行で死亡事故を起こしたが、このたび試験を再開すると発表した。ただ、街の道路地図作成のため、車両には人が乗り、自動運転は行わない。
- 英バス運営会社ステージコーチは、今年後半にも自動運転バスを一般道路以外で試験走行させると発表した。