一目均衡表入門|第5回 転換線と基準線①[監修:細田哲生(三世一目山人)]

※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【一目均衡表入門 連載記事】
第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第5回 転換線と基準線①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第7回 転換線と基準線③[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第8回 先行スパンと遅行スパン①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第9回 先行スパンと遅行スパン②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第10回 準備構成の「型」と9週足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第11回 9週足と9か月足[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第12回 週間実線のB、Yと仲値線[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第13回 B、Yの活用方法[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第14回 『一目均衡表』原著の内容[監修:細田哲生(三世一目山人)]

「いつ、いくらまで」予見する考え方

前回までは、一目均衡表を正しく活用するための骨子となる、三波動、時間関係、値段関係の考え方を解説しました。

おさらいすると、いかなる変動も結果的に三波動を成すと暫定的に考えることにより、「いつ、いくらまで上げるか(下げるか)」、すなわち第三波動に要する時間、目指す価格が先見できる、という内容でした。一般的にあまり知られていない、この三波動の考え方を押さえておけば、今回から解説する一目均衡表5種類の線、すなわち転換線、基準線、先行スパン上限・下限、遅行スパンへの、正しい理解が深まることでしょう。

一目均衡表の著作権は株式会社経済変動総研が有し、原著の出版販売をしています。原著のご購入については一目均衡表公式ホームページをご覧ください。

サービス|一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研

転換線と基準線の作り方を覚える

『一目均衡表』原著では、転換線と基準線を均衡表、それ以外をスパンと分類しています。このうち、まずは均衡表の作り方を見ていきましょう。

転換線は、当日を含めた過去9日間の高値と安値の半値を転換値として算出し、それをつなげた線。同様に、基準線は当日を含めた過去26日間の高値と安値の半値を基準値として算出し、それをつなげた線のことです。第一回でお伝えした通り、均衡表の原型は転換値や基準値を日々記入した「表」でした。

下の画像をご覧ください。I波動(方向性を成す一本の波動)を例に、転換値(線)、基準値(線)の作り方を図示しました。単純なI波動においては、迷うことはないでしょう。また押し(戻り)が入ったV波動、三波動になっても、当該期間の高値と安値から半値を求めるだけなので、難しいことはありません。


転換値(基準値)の算出方法は簡単。当日を含む9日間(26日間)における高値と安値を見付け、単純な足し算と割り算だけで、求められます。そしてそれらを結べば、転換線(基準線)のできあがりです。

日々、均衡表の数値を求めること、線を結ぶこと、そうした経験を積み重ねると、均衡表の動きを先見できるようになります。つまり、いつまでは横ばいを続ける、いつから切り上げる(切り下げる)といった、時間経過と方向性の関係が読めるのです。

このことは、理屈ではなく、体感で覚えてもらうのが一番です。そこで次の章には、グラフに均衡表を書き込む課題を用意しました。ご自身で高値、安値を探し、半値を求め、グラフに記入してみてください。

均衡表作図の例題


※ 画像をクリックすると大きく表示されます(ブラウザの新規タブが開きます)。

転換線と基準線は、手書きでグラフに書き入れてみることにより、その意味するところが実感できるようになります。上記グラフでは33日まで均衡表を引いていますが、それ以降は描画していません。皆さんでグラフの続きがどうなるか、試してみてください(※1日に必ず1円の変動するという法則を採用しています)。

33日目までの転換値と基準値

34日目以降、転換値算出および高値、安値を見付けるヒント

例題の答え

転換線と基準線を書き込む「均衡表作図の例題」の答えです。「kinkouhyou.xls」は転換値と基準値を示した表、「kinkouhyougraph.pdf」は均衡表を書き込んだグラフです。それぞれダウンロード可能です。答え合わせにご利用ください。

<下記よりダウンロード可能です>

kinkouhyou.xls

kinkouhyougraph.pdf

一目均衡表 豆知識

原著の概要

『一目均衡表』(通称、第一巻)は一目均衡表の転換線、基準線、先行スパン、遅行スパンについて、『〜完結編』は三波動の考え方について、『〜週間編』は9週足の考え方について、記しています。

均衡表の性質①

I波動が上昇し続けると仮定した場合、相場実線>転換線>基準線の位置関係が保たれます。逆に下降し続ける場合は、相場実線<転換線<基準線という位置関係になります。

均衡表の性質②

均衡表は波動の中心(相場水準)を一目で明らかにするものです。上げ時代・下げ時代には均衡表と実線が交わることはありません。一方、それらが交わる局面はもみ合いであると捉えることができます。

※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【次を読む】
一目均衡表入門|第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]

細田哲生の写真

細田哲生(ほそだてっせい)

株式会社経済変動総研。三世一目山人。一目山人の遺志を引き継ぎ、正しい一目均衡表の使い方を普及することに従事。経済変動総研主催の「一目均衡表倶楽部」にて、一目均衡表による相場解説、罫線講座を執筆。毎週月曜日ラジオNIKKEIマーケットプレスにて「日経平均一目均衡表から見たテクニカル分析」を放送。

公式サイト:一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研

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