アボカドって、美味しいですよね。
僕はもっぱら、スライスしてお刺身と一緒に並べ、そのままワサビ醤油で、時には魚の切り身と重ねて食べたり、マグロと合わせてざっくりと叩き、マヨネーズやウスターソースなんかで味付けてタルタル風に食べたりします。 が、それだけでなくアボカドは、レシピを紹介する本やWEBサイトにも頻繁に登場する優等生的な食材で、アレンジの幅が広いのも魅力。 有名なところだと、「アボカドをふたつに割って種をくり抜いた穴に“なめたけ”を詰めるだけ」なんてレシピがあり、これが絶品なんだそうです。 もし本当だったら、この世で最も簡単な料理のひとつと言えますよね、それ。 これまでアボカドに対しては割と保守的だった僕ですが、なぜか今、急に気持ちが盛り上がってきました。 よし、試してみよう! せっかくなので、他にもいろいろな食材をアボカドの穴に詰め比べ、実際、アボカドの穴に詰めるべき食材の正解はなんなのか? その答えを探ってみよう!
1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。
前の記事:「ショットよりもじっくりと味わいたい「プレミアムテキーラ」の世界」 人気記事:「居酒屋業界初の「おすそ分けシステム」誕生秘話 」 それでは詰め比べていきましょう!さっそく、黒々と光るアボカドにぐるりと一周包丁を入れ、両手でひねります。
片側の身に残った種にトスッと包丁の付け根の角を刺し、ポコンと外す。 あぁ、この工程、料理中の気持ちいいポイントのかなり上位に入るよなぁ……。 この夏、いちばん詰めたい穴
あ、その前にまず、今回の企画の方針をざっくりと。
1)いきなりタイトルと矛盾してしまいますが、試す食材すべてをアボカドの穴に詰めて食べ比べた場合、一体何個のアボカドを食べなきゃいけないんだ? ってことになりますので、基本的には小さな切り身と食材を合わせて試食していくことにします。 2)詰めるのは、なるべく手順の少ない食材に限ります。「玉ネギを刻んで飴色に炒めたのち、一昼夜寝かせてからヒマラヤ岩塩と国産ハチミツを加えてよく練ったもの」みたいな面倒なものは詰めません。火も使いません。 3)参考まで「相性」「意外性」「好き度」の3項目を最大星5つで評価していきたいと思いますが、僕の舌をそんなにあてにされても困ります。あくまで「個人的な判断」であるとご了承ください。 4)最後に、選ぶ食材は完全に僕のフィーリングですので、「なんであれがないんだ!」と突っ込みたい気持ちは、胸にしまっておいてください。 では。 ひとまず、今回の企画のきっかけになった「なめたけ」を含む8種類の食材を用意してみました。 これでアボカドという食材の特性がなんとなくわかるだろうし、ひとつくらいヒットも見つかるんじゃないかな~? 中心にぽっかりと空いたスペースにはくり抜いた種をあしらって
その1「海苔の佃煮」
相 性 ★★★★★
意外性 ★★★☆☆ 好き度 ★★★★★ 海苔の佃煮も、レシピでアボカドと合わせる食材の定番ですよね。
僕はやったことがなかったので、まずはこれから試してみることに。 そしたらまいった! さすが定番、うますぎる! どうしよう……一番目なのですべての項目を星3つくらいにして基準にしていきたかったのに、うますぎるとしか言いようがない……。 ちきしょう、これ、考えたやつ天才だろ! その2「わさび漬け」
相 性 ★☆☆☆☆
意外性 ★★★☆☆ 好き度 ★☆☆☆☆ あ、良かった、ちゃんと合わないものもある。
いや、良くはないか。 とにかく、ムワッと濃厚なわさび漬けと、青っぽいアボカドの風味がまったくマリアージュしません。 なぜか「パワハラ」という言葉が思い浮かぶ味。 その3「生ハム」
相 性 ★★★★★
意外性 ★★★★☆ 好き度 ★★★★★ わぁ美味しい!
生ハムの深みとアボカドの素直さ、むんにゃりとした口当たり。 対照的な点と共通点がどちらも良い方向に作用していますね。 レモンをひとしぼりすると引き締まってさらに良いかもしれない。 その4「うにいか」
相 性 ★★☆☆☆
意外性 ★★★★☆ 好き度 ★★☆☆☆ 絶対合うだろうと思っていただけに意外性は高し。
珍味系ならなんでもいけるだろうとふんでたけど、そうでもないみたいですね。 なぜか「セクハラ」という言葉が思い浮かびました。 その5「ふりかけ(韓国海苔風味)」
相 性 ★★★☆☆
意外性 ★★★★☆ 好き度 ★★★☆☆ サラサラサクサクの食材とアボカドの相性がどうかと思って選んでみましたが、合いますね。
韓国海苔風味というのも良かったのかもしれない。 ただし、アボカドの個性は消され気味。 その6「なめたけ」
相 性 ★★★☆☆
意外性 ★★★☆☆ 好き度 ★★★☆☆ さて、この記事の発端となった、なめたけです。
いざ食べてみると……? あれれ? うまいはうまい、けど、意外と普通! なんだろう、食べれば食べるほどに理解を深めていけると思っていたアボカドだったのに、むしろ食べれば食べるほどわからなくなっていく。 この企画、大丈夫かな……あんまり軽い気持ちで取り組んでいい相手じゃなかったのかも……。 その7「紅生姜+揚げ玉」
相 性 ★★☆☆☆
意外性 ★★★★☆ 好き度 ★★★☆☆ すべてが別々に分離しており、むしろ単体で食べるよりもそれぞれの味がよくわかる気すら。
アボカドの味をよ~く確認したい時にはいいかもしれません。 その8「食べるラー油」
相 性 ★★☆☆☆
意外性 ★☆☆☆☆ 好き度 ★★☆☆☆ いわゆる、辛そうだけど実はそこまで辛くない、だけどやっぱりちょっと辛い味のする、あれです。
ラー油がうまいから、うまいはうまい。 だけど同時にアボカドに対して、「個性を尊重してあげられずごめん」と謝りたい、そんな感想をいだきました。 さて、ここまでやってきて、当初の予想に反し、アボカドのことがどんどんわからなくなってきてしまいました。 こりゃあもう、とことんまで付き合ってみるしかなさそうだ……。 というわけで引き続き、詰め比べを続行していきたいと思います。 現在の暫定1位「海苔の佃煮」:
この結果だと普通すぎるので、もうちょっとだけ続けてみることにします。
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