トランプ氏と外国首脳の通話、ホワイトハウスが要旨公表を中止
ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスは25日までに、トランプ大統領が外国首脳らと電話で話した内容の公表を中止した。事情に詳しい2人の関係者がCNNに語った。
大統領の電話会談については、終了後に要旨を公表するのが歴代政権の慣例となっていた。これを一時的に中断するのか、永続的に取り止めるのかは明らかでない。
大統領と外国首脳の電話会談は従来、国家安全保障チームが入念に計画を立てたうえで、ホワイトハウスの危機管理室を通してつながれ、側近らが傍聴することもあった。
会談の要旨は事務的な色合いが濃く、目新しい情報が含まれることはめったになかったが、電話会談があったことを示す唯一の正式な記録として公表されてきた。現在も内部向けには流されているという。
ホワイトハウスはトランプ氏が6月中旬、ハンガリー首相の再選に祝意を表した電話会談以降、要旨を公表していない。
トランプ氏はこの2週間のうちに、少なくとも2人の外国首脳と電話で話した。トルコのエルドアン大統領と、イスラエルのネタニヤフ首相だ。ホワイトハウスはどちらについても、外国メディアが伝えた後で会談があったことを認めたが、トランプ氏の発言内容について詳しい説明は控えていた。
要旨が公表されなくなることで、大統領の電話会談から外交的な意味が失われるとの見方もある。
オバマ前政権で国務副長官を務めたトニー・ブリンケン氏はCNNとのインタビューで、「要旨の公表が重要な理由は二つある」と述べた。
一つは透明性を確保するため、もう一つは論調の方向を定めるためだという。「こちらが要旨を公表せず、相手の国だけが公表していたら、先方の論調が優勢になるだろう」と、ブリンケン氏は指摘している。