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【大相撲】

御嶽海、初V一夜明け綱昇進も意欲 秋場所で3横綱破る!

2018年7月24日 紙面から

初優勝を果たした千秋楽から一夜明け、贈呈された写真パネルを手に笑顔の御嶽海=愛知県犬山市の出羽海部屋宿舎で(板津亮兵撮影)

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 大相撲名古屋場所(中日新聞社共催)で初優勝した関脇御嶽海(25)=出羽海=が、千秋楽から一夜明けた23日、愛知県犬山市の出羽海部屋宿舎で記者会見した。爆笑トークで歓喜の余韻に浸った一方、大関とりとなる秋場所に向けて「上とやるときに、一番やる気が出る。絶対に通用する」ときっぱり。休場した3横綱や大関栃ノ心ら上位陣撃破を誓った。

 平成最後の名古屋で賜杯をつかんだ世代交代の担い手が、まさかの苦笑いだ。銀杯で美酒に酔った22日の千秋楽パーティーでの一幕を明かした。

 「お母ちゃんの方がアイドル。悔しい。負けた気がする」。記念撮影では御嶽海本人だけでなく、故郷の長野県上松町から駆けつけた大道マルガリータさん(48)も一緒に、という要望が多かったという。

 もちろん、土俵の主役は譲らない。千秋楽は、横綱と優勝力士しか許されない東支度部屋の一番奥に陣取った。「いい席。また座ると思います」。2度目の優勝と将来の横綱昇進の意欲を、はっきり口にした。

 そうかと思えば、夢を問われると「寝ないと分からないね」といたずらっぽい答え。ウキウキ気分を振りまきたくて仕方がない様子だった。

 上位陣打倒への土台を固める夏巡業を控え、同じ出羽海一門の春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)から「逃がさないぞ」と猛稽古を促されたことにも、「名古屋のウナギみたいに、するするっと」と答えるなどマイペース。それでも、最後は「しっかり、胸を借りるところは借りていく」ときっぱり。さらなる飛躍へ、自覚十分だった。 (志村拓)

◆元横綱三重ノ海「好機つかんで」 部屋OBとして期待

 日本相撲協会の武蔵川元理事長(元横綱三重ノ海)で相撲博物館長の石山五郎さん(70)が23日、名古屋場所で自身以来38年ぶりに出羽海部屋の力士として優勝し、秋場所で大関とりに挑む関脇御嶽海について「出羽海部屋で育った人間だから、うれしい。どんどん稽古をして、このチャンスをつかんでほしい」と期待を寄せた。

 出羽海部屋勢の優勝は今回で50度目。石山館長が横綱三重ノ海として3度目の賜杯を抱いた1980年初場所が最後だった。出羽海部屋は歴代最多の横綱9人を輩出するなど、角界屈指の名門とされる。石山館長は入門当時から生活面などで厳しく指導されたと述懐。「普段の行いなど、いろんな意味で手本となる力士になってもらいたい」と頼もしい後輩に伝統の継承を託した。

◆稀勢8場所休場 「激励」決議せず 横審定例会合

 大相撲名古屋場所後の横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で定例会合を開き、横綱として史上ワーストの8場所連続で休場した稀勢の里(32)=田子ノ浦=に対し、横審の内規にある「激励」について議論したが決議には至らなかった。北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「横綱本人がどう判断するかが大事。外からこうなら引退とか、今言うべきではない。頑張れよ、期待するよ、という話だけで激励することに意味があるのか。ないのではないか」と理由を説明した。

 ワースト記録についても「できるという気力があって休場が続いている。何とか気力を持続して、復帰を実現してほしい」と休場場所数は問題視しなかった。

 ただ、厳しい意見も出た。岡本昭委員(岡安証券最高顧問)は「どのくらい休んだらええねん。8、9、10回休んだらええんか」と疑問を呈していた。 (岸本隆)

 

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