『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』来世でも巡り合う夫婦?

苔のある燈籠

怪談百物語の第11回の牡丹燈籠では、戦国武将の妻が、夫が無事に帰るのを待ち望んでいました。しかし、この夫婦には大きな悲劇が訪れるのですが、来世でも巡り合う事になるので、詳しく紹介しましょう。

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『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』のキャスト

夫婦が来世でも巡り合う『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』に登場する人物や役者さんたちは、以下の通りです。

  • 蘆屋道三/新三郎を救おうとする陰陽師(演:竹中直人)
  • 新三郎/お菓子職人の男(演:北村一輝)
  • お露/新三郎に愛される女性(演:瀬戸朝香)
  • お米/お露に仕える女性(演:木村多江)
  • 平左衛門/お露の父親(演:中丸新将)
  • 志丈/新三郎と親しい医師(演:佐野史郎)

『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』のストーリー

多くの武士たちが命のやりとりを行なっていた戦国時代に、これから戦へ向かおうとする武将がいました。その武将には美しい妻がいたので、その武将は「必ず無事に戻ってくる」と約束をして出陣していきます。その言葉を信じる妻でしたが、不幸にも夫は帰らぬ人となりました。しかし、二人は来世でも巡り合う事になるのです。

菓子職人の身分違いの恋(起)

戦国時代では武将だった男は、250年後の江戸時代では、新三郎という菓子職人として生まれ変わっていました。新三郎には、医師の志丈によくしてもらっていました。

そのような関係だったので、新三郎は、志丈のはからいで、病弱だったお露と巡り合う事になるのです。このお露こそ前世では、戦国武将の妻であった女性で、江戸時代でも夫婦は巡り合う事になりました。

お露は病弱でしたが、新三郎のお菓子をいただき、少しずつ新三郎の真面目な人柄に惹かれていきます。そして、お露の病状は良くなっていき、父親から縁談の話が持ち上がりました。

奈落の底に落とされる新三郎(承)

新三郎は、お露の父の平左衛門からお金を渡されてしまい「こんな物が欲しかったんじゃない」と力なく答えたら「じゃあ、どういうつもりだったんだ?大事な娘を菓子職人のお前にやると思っていたのか?」となじられてしまうのです。

お露は領家の娘という事もあって、身分の違う新三郎と結ばれなくなってしまい、新三郎だけではなく、お露も悲嘆にくれてしまいます。新三郎は、お露や志丈の前から姿を消してしまい、お菓子職人として仕事に没頭するようになりました。

所が、そんな新三郎の前に、お露とお米がやってきます。お露は縁談の話は断った事を伝えてきて、新三郎は驚きます。新三郎はお露のためを思って、身を引いた事を伝えたのですが、お米は「それで、私たちの前から姿を消したのですか?」と静かに責めます。そして、新三郎とお露は少しずつ深い関係に落ちていくのです。

あ然とする志丈(転)

新三郎は、久しぶりに志丈へ会いに行きます。そして、恋い焦がれていたお露と結ばれるものと思って、新三郎は志丈に「お露さんと夫婦になろうと思っています」と告げます。それにあ然とする志丈。なぜなら、新三郎が姿を消してから、お露は体を壊していき亡くなってしまったからです。

お米は、必死にお露を看病していましたが、救えなかった事に責任を感じて、お露のあとを追うようにお米も亡くなっていったのです。志丈は、その話を新三郎に必死に伝えますが、新三郎は「何を言っているんですか、怒りますよ」と全く信じようとしません。

なぜなら、毎夜お米が燈籠を持ち薄暗い灯りを照らしながら、新三郎の家までお露に付き添っていたからです。そして、家に着いたらお米だけが帰っていき、新三郎とお米は抱き合っていました。志丈は、死人のようにやつれてしまった新三郎には、何か大きな異変が起きていると直感して、陰陽師の道三に助けてもらおうとします。

幽霊と愛し合っていた新三郎(結)

夜になり、志丈と道三は密かに新三郎の家に行きますが、そこから新三郎とお露の激しい吐息が聞こえてきます。所が、志丈は戸の近くで耳を近づけようとしたので、道三はスケベな奴だなと止めようとしますが、志丈は「いや、新三郎の声しか聞こえないが?」と言うので、道三は妙だなと思って、密かに戸を開けて、のぞき込みます。

そうしたら、何とガイコツになった死霊のお露と、新三郎が抱き合っていたのです。これに志丈と道三は悲鳴を上げて、急いで逃げていきます。翌日になって、道三たちは新三郎をお露の墓まで連れて行き「このままでは、お露さんに取り憑かれてしまうぞ」と忠告します。それに愕然とする新三郎。

夜になり、燈籠の灯りと共にお露たちは現れます。所が、家は道三によって結界を張っていたので、お露は入れません。所が、お露と新三郎に前世の記憶が戻ってしまい、新三郎はお露と会おうとするのです。道三は「まずい、この二人は前世から結ばれている」と焦ってしまいますが、はたして新三郎とお露はどうなってしまうのでしょうか?

『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』の豆知識

死霊と生者が愛し合う『怪談百物語 第11回牡丹灯篭』に関連する豆知識を紹介するので、良かったら、ご覧になってみて下さい。

映画『OTSUYU〜怪談 牡丹燈籠〜』

牡丹燈籠は、死霊になってしまう女と生きている男が交わっていく物語ですが、それは『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』だけではなく、映画もあって、それが『OTUYU〜怪談 牡丹燈籠〜』です。この映画では、 大鶴義丹さんや夏生ゆうなさんたちが出演しています。

大筋では、二つの作品は共通していますが、映画のほうが少しホラーっぽさが現れている感じがしますね。

色情霊の存在

牡丹燈籠のように、死霊と生者が交わっていくのは、あくまでも怪談であり現実ではありえないと思ってしまうかもしれません。しかし、世の中には色情霊というものが存在して、死霊が生きている異性に対して、夜に激しく迫ってくる事があるのです。

中には、色情霊と交わって命を落とすという話もあるので、あながち牡丹燈籠は非現実的な話ではありません。

『怪談百物語 第11回牡丹灯篭』の感想

お露が亡くなった後も新三郎への思いを断ち切れない『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。

『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』の残念な所

お露が死霊となる姿は、少し血色が良かったので、そこはもう少し特殊メイクして欲しかったかなという感じがしましたね。いくつか凝ったシーンはあっただけに、そこだけが少し残念でしたね。

それとラストシーンが少し美談になってしまうので、その辺りが「清々してくて良かった」という好印象を抱いた方が多かったようですが、私は怪談なのであまり美談にして欲しくなかったかなというイメージを抱きました。

『怪談百物語 第11回牡丹燈籠』の見所

お露が死霊になるシーンは少し怖さを感じないメイクだったのですが、ガイコツになるシーンや燈籠と共に現れるお露たちは、少し怖さを感じるシーンでよかったですね。特に、燈籠の薄灯りで登場するあたりは、時代を感じさせる演出で、第11回の大きな見所です。

日本は、現代版のホラー映画が多いのですが、このように時代を感じさせる怪談ものをもっと増やして欲しいかなと感じましたね。