ANA・JALとマリオットのジレンマ

航空とホテルの上級会員としてワンランク上の旅を志向する

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台風による大幅遅延で乗り継げなかった私がANAに訴えたビジネスクラスへのupgrade

台風がもたらした得難い経験(当然の要求かクレーマーか?)

1. OKA-HND 2時間半以上遅延でKUL便に乗り継げず

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先日、7月に入り、早い夏休みとしてOKA-HND-KUL-HND-JFK-HND-KUL-HND-OKA の過酷な航空旅行兼修行を行い、約3万5千プレミアムポイントを荒稼ぎしましたが、その際の最初のOKA-HNDが台風の影響で2時間半以上遅延して、KUL便に乗り継げなかった際の顛末です。

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前にもSFC修行の際に那覇への機材到着が遅れてBKK便に乗り継ぐ際、ANAスタッフの見事な連携のおかげで走りに走ってギリギリ間に合ったことがありましたが、今回は余裕を持って乗り継ぎ時間を3時間近く取りましたが、結局間に合わず、OKA-HNDはプレミアムクラスに当日upgradeした機内では、担当CAのKさんという方に、可愛いな、と思いつつも文句を散々言ったり、時計とにらめっこのフライトでしたが、羽田空港に着陸近い段階で、コリャ無理だ、と腹をくくり、那覇を出る時点で空港職員に羽田でのアテンドを要求していたので、降機の段階で若い男性スタッフから、クアラルンプール行きには間に合わない旨を聞きました。

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https://tenki.jp/forecaster/s_ono/2018/07/02/1137.html より転載

 2. 知識不足の若手スタッフ

しかし、その時点でのANAの対応は最悪で、新人か?とも思ったそのスタッフは、殆どチケットの予約クラス等のことが分かっていない素人のような人間でした。

 

私ともう一人KUL便に乗り継げなかった60歳くらいの修行僧のおじさんがいましたが、そのスタッフは我々にオプションを提示しましたが、それが頭にくる内容でした。

 

そのおじさんのことは後述するとして、私はダイヤモンド会員なのでSクラスの予約でしたがPYへのupgradeをしていましたが、スタッフはBKKかSINにエコノミークラスで行き、乗り継ぐというのを提示しました。冗談じゃない。翌日の予定があろうと、Suite Loungeでゆっくりとシャワーを浴びて、PYでぐっすり眠って翌日早朝にクアラルンプール到着。ホテルにチェックイン後にシドニーから出張の友人と軽くランチでも、という予定を、国際線ターミナルまで急ぎに急いで汗だくになってBKKだろうがSINであろうが、エコノミークラスで窮屈な時間を過ごして睡眠不足でトランジットし、朝の10時頃にKULの空港から慌ただしくタクシーでKLのホテルに向い、それで待ち合わせの場所に行くなんていうのは絶対に拒絶すべきプランでした。

 

私は元来、旅行で慌ただしいというのは大嫌いな性分で、トランジットの時間もたっぷりと取るし、尚且つ、PYのところをエコノミー?冗談でしょ?勝手に遅れておいて遠回りさせるのにエコノミー?Cクラスでも用意しておけよという思いがありました。

 

それに、私は台風の接近により、那覇発を羽田発にできないか?という話を事前にANAのダイヤモンデスクに相談していたし、本来ならばこういう場合の搭乗放棄は認められるらしく、また、那覇空港では自分が乗る便の次の便は僅か15分遅れで私の便よりもはるかに早く出発しました。また、この乗り継げなかったことで、クアラルンプールのルメリディアンホテルの一泊分が無駄になっており、金銭的損失もありました。

 

だから私は強気で交渉に臨みました。私の要求は纏めると以下の2点

1. 翌日のクアラルンプール便はCクラスにupgrade

2. その日に泊まるホテルを手配、それも安っぽいビジネスホテルは絶対に嫌だ

 

でも、これくらいは当然だと思います。私には全く瑕疵がないのにANAの都合で1日が無駄になったんだから、Cクラスが満席ならばともかく、空いていればupgradeすべきという思いは人間として当然のこと。

また、ホテルにしても、泊まれればいい、みたいなことではこちらとしては困る。物価が違うにしても、中国の大手航空会社でさえ、遅延で乗り継げなかったらまともなホテルを用意すると聞くし、5つ星エアラインと堂々と宣伝している以上、それよりもはるかに上の待遇をすべきです。

 2. 粘りの交渉と修行僧のおじさん

次の交渉相手の20代後半の社員はそれでも本部とやりとりしながら、こっちともやりとりをして、一生懸命やってくれました。私は近めのホテルとして、当然、エクセル東急やロイヤルパークの空港に直結した2つをまず要求しましたが、満室。それならば近めのホテルとして、シェラトン都東京、ANAインターコンチ、ストリングスインターコンチ等を挙げましたが全て却下され、気になったのが、担当者が本部とのやり取りで、「向こうの希望ホテルは全て断っています」と遠くで言っていたこと。つまり、本部の上席の人間が要求を受け付けるな、と指示していたことです。

 

シェラトン都東京なんて大した高いホテルではない。結局、こちらが受け入れたのは、品川プリンスホテルのメインタワーのツインルームを一人で使用にホテルまでの片道のタクシー料金、そして翌日はPYは確保、Cへのupgradeは引継ぎ事項として明日のチェックインカウンターで再交渉というものでした。

 

そして担当者は、封筒にホテル代とタクシー代を現金として封筒に入れて私に渡しました。金額としては正直悪くない金額でした。

 

私はお礼を言ってその場を去りましたが、ふと考えて、「しかし、この午前1時近くに料金割り増しのタクシーを使って、品川プリンス?それならば空港の駐車場に止めたマイカーで朝まで過ごして、朝早くチェックインカウンターでCクラスへのアップグレードを成立させて、意気揚々とSuite Loungeでゆっくりとシャワーを浴びた後、個室ブースで寝るなりなんなりして、そのお金は謝罪の気持ちとして受け取って他に充てた方がよくね?」と思いました。そして品川プリンスにはキャンセルの電話をして、朝まで車の中でエアコンをガンガンに効かせて過ごしました。

 

一方で、私と共に遅延した60歳くらいのおじさんは、このクアラルンプール往復で丁度50,000PPを超えて解脱だったということでしたが、まさに弾丸の修行で、早朝にKULに着いたら、入国せずにあの7:10発の成田便に乗って引き返して名古屋の実家に帰る、という猛烈な修行僧でした。詳しく聞かなかったですが、KUL発の便も日本でボーディングパスを発券できるらしく、また、今回の修行のスケジュールは譲れない、何故なら今回解脱すればカレンダーを貰えるから、とよく分からない人でした。

私の場合は翌日便に乗ってKULに行けば、安くKUL発券したニューヨークまでの超長距離のプレエコ4区間、2区間はアップグレードポイント、2区間マイレージでCクラスにアップグレードした予約に同日の引き返しになるけど乗り継げるので、何が何でも最悪1日ずれても行かなければ大変なことになりますが、おじさんには、今回は諦めて出直せばいいと思いましたが、おじさんはゴネて、「KULに行かなくていいからPPだけ付けろ」とか、「大人しくしていれば付け上がって、YouTubeに一連のことをアップするぞ」とかANAスタッフに言っていました。ただ、ANAもおじさんがブロンズだからなのか、私に対してよりも対応がマズく、ホテルは自分で探すように、と言ったりしたらしいので、おじさんが切れるのもある程度は理解できました。

ただ、行かないのにPPだけ付けるなんてことは無理なことだし、自分で言うのもアレですが、私の場合は人間心理と損失からして当然だと思いますが、おじさんの要求では無理難題をつけるクレーマー、私が考えるANAとしての解決策としては、OKA-HND-KUL-HND-OKAのチケットを全額払い戻して、ホテル代とタクシー代を私に対してと同じように渡し、それでお引き取りいただいて解決させる、それで向こうが納得しなければブラックリストに入れるなりなんなりして、名古屋までの交通費も渡してバイバイ、という感じでいいんじゃないでしょうか?

3. 翌朝の再交渉

翌朝早く、クルマの中で見た日本vsベルギーの敗戦ショックを引きずりながらも国際線ターミナルまで行った私は、チェックインカウンターで昨晩のことを話し、Cクラスへのアップグレードについては自分だけの判断ではできないということで、スーパーバイザーを呼んで決めてもらう、ということで、女性の制服がSuite Louungeとかにいるダークな感じのちょっと偉めの女性と、中堅の男性社員が来て、「お客様のご要望は理解できます。それでは、お客様と当社のダイヤモンドデスクのオペレーターとの搭乗放棄についてのやり取りにおいて、当社の判断が実際に誤っていたのかをハードディスクの通話内容から確認させていただけないでしょうか?」と言ってきました。私はどうぞ、やってください、とその場で確認を待ちました。

その結果、「確かにお客様の仰る通り、当社にミスがございました。ビジネスクラスへupgradeいたします」という結論に至り、Jさんという美人の女性のスーパーバイザーから1Aのチケットを受け取り、Jさん曰く、「1Aは王様の席と言うんですよ」となんだか煽てられながら、「1Aくらい直近ではJALのスカイスイートで昨年12月にも乗ってるわい」とは言わず、お礼の言葉を丁重に言ってその場を去りました。そして、出国してSuite Loungeでシャワーをゆっくり浴びて昼寝したり、ダイニングhで和牛のステーキを食したりと、優雅なSuite Loungeでの時を過ごしました。

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 4. いざ搭乗、ゲートでトラブル、搭乗したら奇跡

結局のところ、発券の際のオペミスがあったためにその予約がシステムから抜け落ちて、夜の出発の際にゲートでひと悶着があって、私はとうとう切れてしまったのですが、1Aではないもののビジネスクラスの席は確保できたので、私の予約の最有効作業で20分くらい出発が遅延してKUL便は出発しました。

 

そして驚くことに、その便のビジネスクラスの担当のCAの中に、昨晩、那覇-羽田の遅延した便のプレミアムクラスで私の担当で、散々文句を言ったKさんという可愛らしい方がいて、7000人以上いるANAのCAの中で、ドメとインターで連続で同じCAが担当するという奇跡にCA一同、そんなこと聞いたことがないと驚愕していました。なんでもKさんは本来は台湾便に乗務するはずが、シフトの変更で急遽KUL便に乗ったとか。まあ、こういうこともあるもんなんだ、と思いながらKULに飛んだのでした。何となく、その便のクルーは和やかでした。

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振り返ってみて

台風による遅延で、昨年シドニーに行った際にはオーストラリア人の奥さんの高齢出産ということで会えなかった友人との再会はまたしても果たせず、またホテル代も一泊分無駄になりましたが、その代わり、遅延においてどういうことが発生するかを知り、また、ダイヤモンド会員は優遇されることも経験しました。

また、どういうことを要求すると、どういう対応なのか、或いは要求しないと単なるお人よしとして損をする、しかし、要求しすぎてごねると問題は解決しないことも解りましたし、ANAリスク管理の現場も目の当たりにしました。自分は院の修士論文で金融機関のリスク管理のような駄論文を書いたし、銀行に勤務時も、新人の時は窓口等でクレーム対応や、ミスの後始末もした経験があるので、ANAの担当者の気持ちはよく理解できました。

ただ、銀行だと、何か問題が発生した際の対応が業種柄硬直化していて、ANAのようなフレキシブルな対応はしなかったので、ANAは上手くやってるなあ、とも思いました。

そして、そんなフレキシブルで人間味のあるANAがますます好きになり、一生、メインの航空会社はANAにしようと心に誓うことにもなりました。

また、ドメとインターで連続で担当になったCAのKさん、問題の解決に真摯に向き合ってくださったAさん、Jさん、カウンタースタッフ、ゲートスタッフの方々には心からお礼を述べたいです。現時点ではANAに乗る予約は入れていませんが、またAnother Skyの流れる機内に乗り込むときのなんとも言えない感覚を早く味わいたいと思っています。

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