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衣裳から見る源氏物語の世界

 2008/09/30(Tue)
 先日の源氏展についてコメントをいただきましたので、今日はちょっとそれに関する話などしてみようと思います。
 平安時代の装束についてお勉強となると、美術展のグッズコーナーなどでもよく「かさねの色目」あたりを見かけます。ちなみに私も持っていますが、こういう本は文字通り「色目」の見本こそ網羅しているものの、それを実際の衣裳にしたらどんな感じになるかはちょっと判りにくいのですね。
 というわけで、「これじゃ全然想像できないよ!」という方に、千尋のお勧め本をご紹介します。

  
服装で楽しむ源氏物語 (PHP文庫)服装で楽しむ源氏物語 (PHP文庫)
(2002/05)
近藤 富枝

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 文庫本と侮るなかれ、私が知る限り、源氏物語に登場する衣裳の紹介本ではもっとも判りやすく楽しい本です。ある程度物語についての基礎知識は必要ですが、カラー口絵には紫の上や明石の君などの衣裳の袖口を再現した写真が載っていて、これが本当に「ああ、あの色目が着物になるとこういう風になるんだ」というのがよく判ります。
 また他にも、桐壺更衣の衣裳はいわゆる十二単よりももっと唐風だったのではないかとか、細長とは一体どんな衣裳だったのかとか、花嫁衣裳はあったのかとか、ある程度古典に馴染んでいるつもりの読者にも目から鱗が落ちるような話が結構あって、勉強にもなる上読み物としても楽しい本です。現在はちょっと手に入れにくいようですが、PHP文庫ならブックオフあたりで探すと案外見つかるかもしれませんね。

  
平安朝の文学と色彩 (中公新書)平安朝の文学と色彩 (中公新書)
(1982/11)
伊原 昭

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 こちらはもう少し専門的な内容ですが、とはいえ中公新書ですから比較的読みやすい本です。平安時代の色彩感覚や、枕草子から伺える清少納言の美意識などに触れた後、いよいよ本命という感じで登場する源氏物語の色彩論は、他では読んだことのない刺激的で面白いものでした。
 私がとりわけ驚きだったのは「光源氏はどんな色の衣裳を着ていたか」に関する部分で、結論から言ってしまいますと、晴れの装束は意外に少ないのです。美男の代名詞として名高い光源氏ですが、紫式部は彼の美貌を表すのに贅沢で華やかな衣裳を用いるのではなく、むしろ鈍色(濃いグレー)の喪服やありきたりな白い直衣(白は直衣の一般的な色)を纏わせているのですね。やつれた喪服姿さえ艶に美しいとか、白い衣裳をしどけなく纏っている姿が優美であるとか、そういうモノトーンの姿を作者は源氏を最も引き立てるものと考えていたようです。…何だかちょっと、パトロンの奥方が参加する衣裳比べで黒羽二重に白無垢の衣裳をコーディネイトしたという、有名な光琳の逸話を連想させますね。(笑)

 ところで、実は私自身、一度十二単を着たことがあります。
 さすがに本格的な着付けではありませんでしたが、2003年に京都・仁和寺で開催された十二単フォーラムで、一応正式な裳唐衣姿をさせていただきました。しかしこの日は5月だというのに暑いの何の、30度という気温の中であの重い衣裳を着ているのはかなり大変で、後半はのぼせかけて突っ伏していた記憶しかありません。(笑) しかも袴の裾をさばくのに苦労したせいか、翌日は太ももが筋肉痛になってしまいました。(^^;)
 なお今年の5月、京都文化博物館の源氏物語展でも久々に着付け体験をやってましたが、その時見た中に以前千尋が着たのとそっくり同じ色・柄の衣裳があってびっくりしました。あのフォーラムで使われた衣裳は色も柄もかなりたくさんあったはずなんですが、もしかすると本当に私が着た衣裳そのものだったかも…?

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