台湾での国際スポーツ大会中止 中国が圧力
総統府「スポーツへの政治介入」と非難

政治
中国・台湾
2018/7/24 21:08
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 【台北=伊原健作】2019年8月に台湾中部で開催予定だった国際スポーツ大会「東アジアユースゲームズ」が24日、中国の反対で中止されることになった。日中韓など9カ国・地域でつくる委員会が同日、臨時理事会を開催。台湾独立派らによる一部の政治活動を問題視した中国が中止を提案し、賛成多数で承認された。台湾の総統府は「スポーツに対する粗暴な政治介入だ」と非難する声明を出した。

 この大会の前身は東アジア各国・地域のオリンピック委員会が共同で開く「東アジア競技大会」だ。衣替えした第1回大会が19年に台中で開かれる予定だった。台湾で初めて開かれるオリンピック関連のスポーツ大会になるはずだった。

 複数の台湾メディアによると、中国は台湾の一部の政治団体が20年の東京五輪に向け、「台湾」名義での参加を目指す活動をしていることを問題視した。理事会では台湾と棄権した日本を除く6カ国・地域が中国の提案に賛成したという。

 中国大陸と台湾が1つの国に属する「一つの中国」原則を掲げる中国との関係上、台湾は国際スポーツ大会に「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」という曖昧な名義で参加する。今回も同様に対応する予定だったが、中国は台湾への圧力を強めているようだ。

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