前回は上部構造のうち、艦橋に関するムダ話が長かったので、その他の構造物を紹介します。
とはいってもほとんどが、甲板からにょきにょき生えてる筒状のもの
これはですねー
大型船になると、船体内部の換気が難しくなります
エアコンや、空気清浄器などが無かった時代は、船の推進力を利用して外気を取り込む工夫が必要でした。
このラッパみたいな筒は「カウルヘッド型通気筒」と言って、簡便で原始的なタイプ
動力を必要としないため、この時代の大型船舶の標準装備的な位置づけです
反面、雨も一緒に吸い込んでしまうし、荒天時に波をかぶるとさらに大変なことになるそうです(*´Д`)
オレンジ色の部分は機関室に通じる通気筒と思われますが、特に念入りに装備されている印象です
次に後方から
画像中央の建屋的なもの、説明書にはアフターブリッジと記載されていました、「後部艦橋」ですね
ん?ブリッジ的では無いが・・・また長くなるので止めておきましょう
この建屋には海図室や無線室があるそうです
あと最後尾にある天幕みたいな構造物はホイールハウスと記載されていました。
あれ?前部艦橋にも操舵室があったのだが・・・
もしや前方の操舵室、後方のホイールハウス どちらでも操舵できるのか!?
あるいは舵の駆動系が故障した際に、舵の真上で臨時で操作する用か?
と、思っていたら
第3回目の航海 | 船乗りシンドカッタの冒険 - 楽天ブログ
このサイトにすごく詳しく「日本丸」での実体験に基づく訓練模様が掲載されていました
どうやら訓練生は4人一組(ホイールという役職)
後方のホイールハウスで操舵を行っていたそうです
前部甲板です
クレーンやアンカー(碇)が設置されています
オレンジ色の物体は貯水タンクだそうです
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さて、作業の効率化のため。ぼちぼち船体を固定した方がよさそうですね
船体と船台を分離したまま作業を続けることも可能なのですが
「耐波性が高い」船は
なんせ地上での安定性が悪い
比較対象として、例えば「新うみのこ」
ね? 船底はぺったんこでしょ?船台なんていらないの
琵琶湖の平水面での安定性を重視した設計です
というわけで不安定な「日本丸」 ボンドでべっちゃり船台に貼り付けてしまいます
うぉぉぉぉぉ!!!
ナナメった!!!
と、わざとらしく絶叫してみましたが、仕様です
帆船の宿命ともいうべきヒール(傾斜)を再現しています
これも稿を改めて、じっくり、ねっとり解説するつもりですが
船のキール(竜骨、船底)から紐解く必要があるため長くなります
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あとは救命ボート?(カッター)ですね
片舷3杯 合計6杯が設定されています
上の画像、何か違和感がありませんか??
そう、6杯のうち4杯しか保護カバーがかかっていません
説明書の画像でも最後方に設置されたカッターにはカバーがかかっていませんでした
うーむ・・・これは残りのカッターはすぐ稼働できるようにあえて外しているのだろうか???
とか思いながら改めて自分で撮影してきた実際の「日本丸」を確認してみると
ちょっ!! バッチリ被せてんじゃねーかYO!!
はっはーん、コレはアレだな
書籍化するときに、どうしても所定のページ数に収まらなくて、最も重要度の低いパーツが排除されてしまった・・・
という大人の事情に違いない
とまぁ、今更確認しようもない下衆の勘繰りを思い巡らしながら、次善策を考えます
ぽく ぽく ぽく ・・・ ちーん (今の若い人に伝わるかなぁ・・・元ネタ)
実は深く考える必要もないんですけどね
こんなこともあろうかと・・・
今作っている作品は、展開図を一旦スキャンして、縮小印刷したもの
追加パーツなぞ、いくらでも複製できるわぁ!!はっはっはぁ!
全てのカッターに保護カバーを付けたのにはもう一つ理由がありまして
上の画像の一部ですが、カッターを保持しておく支柱と索具
これ保護カバーのパーツに接着して固定しているんです
おそらく支柱パーツの湾曲と折り目をきっちり整えたら宙ぶらりんでも何とかなるでしょうが・・・
・・・紙ってね・・・
温度と湿度でめちゃめちゃ伸縮します
組み立てた直後は大丈夫ですが、時間と共にグダグダになるのは容易に想像が付きますね、みなさん
さて、こうして主だった構造物はすべて設置終わりました
いよいよ帆船のキモにして鬼門 (韻を踏んでみる)
マスト(帆柱)の製作に突入していくのであった