イタリア、移民船を5週間受け入れへ EUとの再交渉の間
イタリアのエンツォ・モアベロ・ミラネージ外相は23日、移民船の受け入れを5週間続けると表明した。新たに受け入れる移民の数の配分について、欧州連合(EU)と再交渉する間の措置だとしている。
イタリアは、アフリカから地中海を渡って欧州を目指す移民たちが最初に到着する主な場所になっているが、EU加盟国の間での公平な移民受け入れを求めてきた。
イタリアで先月発足した右派政権は、厳格な移民政策を掲げている。
ミラネージ外相は23日にドイツのハイコ・マース外相と会談した後、「救助されたすべての人々が1つの国に上陸する」のを避ける解決法について合意できるまで、イタリアの港は移民船を受け入れると語った。
イタリアのコンテ首相は先月、移民問題をめぐってEU内で合意形成できなければ、ビザなしで欧州のほぼ全域を行き来できるシェンゲン圏の存続は危うくなると警告していた。
イタリア政府は同月、ドイツの慈善団体「SOSメディテラ」が運営する船、アクアリウス号によって救助された移民600人以上の上陸を拒否。船は最終的にスペインで寄港した。
このほかにも、移民230人を乗せた慈善団体の船ライフライン号の寄港をイタリアが拒否していたが、EU加盟国のうち8カ国が移民の多くを受け入れると表明したことで、ようやくマルタでの寄港が許可された。
しかし、今月16日に遭難した移民船に乗っていた移民のうち3人をリビアの沿岸警備隊が放置し、女性と子供の2人が死亡したと、スペインの慈善団体「プロアクティバ・オープン・アームズ」が指摘。同団体は、リビアの対応はイタリアが支持していたと主張したことから、イタリアの政策への批判が高まっていた。イタリアとリビアは慈善団体の主張を否定している。
(英語記事 Migrant crisis: Italy to accept arrivals until deal reached)