5歳の息子は自閉症スペクトラムです。
前記事でスイミングスクールに通わせることを書きました。今回はその続きです。というか、スイミングスクール体験コースでの息子の姿に、切ないような、可哀相なような、なんだか胸が一杯になってしまって。今の気持ちを忘れたくないのでここに書きたいです。
スイミングスクールに着いたらすぐに、先生(コーチ)が迎えてくれ着替える所に連れて行ってくれました。なので私はそのまま保護者の見学スペースへ。
いつ出てくるか、着替えはできたか、コーチは優しく声掛けしてくれているかな?と不安に思いながら見ていると息子が出てきました。
顔をみると固まっているようでした。怖くてどうしたらいいのか分からなくて落ち着かない様子です。
そうだよね、不安だよね、初めての場所・知らない人ばかり・・・息子にとってはかなり負担だったと思います。
でも先生の指示通り、きちんと動いていました。いきなり始まった準備体操も、周りを見ながらきちんとやっていたし、みんなが並んで座っていたら、息子も並んで座っていました。
あぁ、もう、なんというか。
可哀相な気がして。無理してるのが分かるから。それでも精一杯頑張ろうとしているのが分かるから。
そんなおおげさな・・・と思われてもいい、もう切なくて切なくて。
普通じゃなくていい、普通になろうと頑張らなくていい、何にもできなくてもいい、ずっとずっと安心できる世界に居たらいいのに。と。
もう私が泣きたくなりました。
スイミングスクールに通うのは無理だったか?
「普通の子」になってほしいのか?
習い事をして「普通の子」の真似事をしたかったのか?
「みんなが出来ること」を息子にさせたかったのか?
習い事をさせるのは結局は親の自己満ではないのか?
見学しながらずっと考えました。だって今この時の息子の顔は笑顔じゃない。
途中、鼻に水が入ったようで泣いていました。でもそれは多分、不安や緊張が一気に爆発したような泣き方でした。声は聞こえないけど。
泣いている息子をコーチが抱っこしてくれて、それが本当にうれしくて。息子が泣き止むまで抱っこやおんぶをしてくれて、息子も再びプールに入りました。
あぁ、まだ頑張れるんだね、いつの間にそんなに成長したんだろう。ちょっと前まで泣き出すと切り替えができなくて、すっごく手がかかって大変だったのに。
世の中のお父さんお母さん、みんなこんな瞬間を、それぞれの気持ちでむかえるんだろうなぁと思いながら。
過保護じゃダメで、甘えさせるのは良いけど甘やかすのはダメで。いつもいつも育て方は間違っていないか、母として不安に思っていたけど。いろんなことを考えすぎて頭でっかちになっていたと思います。
「でももうなんでもいいや、こんなにいつの間にか成長してるじゃん」と今日心の底から思いました。
1時間の体験コースが終わって、着替え後の息子に会った時、緊張が一気にほぐれて私の顔を見て泣き出すかな?と思っていたけど、そんなことはなくて笑顔だったんです。
もうね「そんな大げさな・・」と思われるかもしれませんが、こんなに成長した姿をほんの少し前までは想像すらできなくて、息子の特性に悩まされ、母として自信は持てず、それでもどっぷりと療育の世界にいて優しい方たちのおかげでここまで来たんだけど、でも療育の外の世界でも「頑張る姿勢」を見せてくれた息子に、「ありがとう」と言いました。
私は成長が嬉しい、でも同時に可哀相にも思う、だってこれから先いくらでも大変なことが沢山なのが分かるから。
頑張っていこうなんて思わない、そのままで行こう。
そう思えたスイミング体験でした。
ちなみに息子は「たのしかった」と言っていたので、そのまま正式に入会しました。こうやってどんどん新しい世界が始まっていくんだなぁ。