【シリコンバレー=白石武志】米電気自動車(EV)メーカーのテスラが取引先の部品メーカーなどに対し、支払い済みの代金の一部を返還するよう求めていることが22日、分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。自動車メーカーが過去に遡って部品の値引きを求めるのは異例で、テスラの資金繰りの厳しさが改めて浮かび上がった。
WSJによると、テスラは取引先に先週送った書簡の中で「テスラの継続的な運営に不可欠だ」として、2016年以降に支払った代金のうち「意味のある金額」について返還を求めたという。テスラは書簡の中で全てのサプライヤーに収益改善への協力を求めているとしているが、今回の要請の対象範囲は明らかになっていない。
テスラでは新型車「モデル3」の量産が難航し、18年1~3月期に四半期として過去最大の7億955万ドル(約790億円)の最終赤字を計上した。6月末までにモデル3について週産5000台の生産目標は達成したものの、金融業界ではなお資金繰り不安が指摘されている。