「配当も1株5円から出発し、少しずつ配当額を上げていった。内部留保が積み上がるにつれ、社内株価を、年率20%前後で上げていった」(『リクルートのDNA』〈角川書店、江副浩正著〉より)
リクルートでは社内株価を算出している。決算ごとに見直し、社員には給与明細などで常時公開。現状では1株「1万数千円」台のようだ。持ち株会の事務局は総務部が担当する。
「社歴20年・40代の社員なら、持ち株数からいって、上場で資産価値が数千万円、場合によっては億までいってもおかしくない」(リクルートOB)。6月25日夜、NHKで「リクルート、来年度中にも上場」のニュースが流れて以降、「上場前に自分の株をどうしたらいいか」、社員の間で話題が絶えなかったという。
役員持ち株会は数十億円も
また社員持ち株会とは別に、リクルートには役員持ち株会も存在する。こちらでは河野栄子元社長など古参の元役員らが保有しているもよう。1人当たりの資産も数十億円と、ベテラン社員と比べても、ケタが1つ違うと思われる。一説には今回の上場については、「古株の元役員からプレッシャーもあったのではないか」(別のOB)との声もある。ただ、いくら上場で含み益が膨らんでも、放出する株があまりに多ければ、換金するにはハードルが高そうだ。
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