苦味と辛みのダブルパンチ
沖縄料理の食材として知られるゴーヤ。その鮮烈な苦味が、慣れてしまうとたまらない魅力にかわる、やみつき野菜のひとつです。ビタミンCやミネラル、食物繊維がたっぷり含まれているほか、苦味成分には胃の粘膜保護や疲労回復といった効能があり、夏バテ解消の食材としても知られています。
苦味をおさえる調理法もありますが、今日はあえてゴーヤの苦味を生かし、さらにキムチで辛さとうまさを加えて、パンチのきいた夏らしいスープに仕上げましょう。ゴーヤの苦味とキムチの辛味をたまごがまとめて、バランスよく食べやすくなります。
暑くて食欲がないときにもスープなら食が進みますし、ごはんとの相性はもちろん、冷えたビールやハイボールにもよく合います。ぜひ、試してみてくださいね!
ゴーヤとたまごのピリ辛スープ
材料(2人分) 調理時間約10分
ゴーヤ(にがうり) 1本
キムチ 50g
たまご 2個
塩 小さじ 1/2(※キムチの塩分による)
サラダオイル 小さじ2
水 500mL
1.ゴーヤを切る
ゴーヤは縦に割って種とわたをスプーンで取り去り、端から5mmほどの薄切りにする。★1
2.ゴーヤを蒸し煮する
鍋に水100mLと塩小さじ1/3、サラダオイル小さじ2を入れ、ゴーヤを加えてさっと混ぜる。ふたをして、中火で3分蒸し煮する。ふたをあけ、水400mlを追加してあたためる。★2
3.キムチを加え、たまごでとじる
キムチを加え、味をみて残りの塩でととのえる。溶きたまごを少しずつ加える。★3
レシピのポイント解説
・ゴーヤの選び方と切り方
・ゴーヤの蒸し煮
・たまごとじのコツ
★1 ゴーヤの選び方と切り方
ゴーヤは7~8月、今が旬です! ずっしりした重量感があるものを選んでください。イボイボがきれいでハリがあるものが新鮮です。イボが黒ずんでいたり、つぶれてしまっているものは避けましょう。
サイズはあまり大きすぎないものを。20~25cmぐらいがよい
まずへたを切り落とし、縦半分に切ってから、ふわふわのわたごと、種をスプーンですくって取ります。このわたは神経質にとろうとしなくて大丈夫です。割ったときに種が赤くなってしまっているのは、熟しているだけ。種には毒がありますが、しっかり取り去れば、実は問題なく食べられます。
わたは一見苦そうに見えるが、食べてみると苦くはない
5㎜ほどの幅に切ります。
あまり厚く切ると加熱時間がかかるので注意
★2 ゴーヤの蒸し煮
ゴーヤに少量の塩水とサラダオイルを加え、ふたをして蒸し煮をします。サラダオイルを加えることで、ゴーヤの苦味がやわらぎます。5mm幅なら、3分で蒸し煮完了です。あとで加えるキムチにも塩分がありますので、ここでは全量加えずに、小さじ1/3ぐらいを加えておいて、最後に調節します。
ゴーヤと水100mL、塩小さじ1/3、サラダオイルを鍋に入れて火にかける
必ずふたをする
3分たった状態。水400mLを追加してあたためる
★3 たまごとじのコツ
キムチを加え、味をみて塩でととのえ、たまごを溶き入れます。たまごとじのコツは、ある程度たまごが広がれるスペースをあらかじめ作ってやることです。このスープは具材が多いので、箸などで簡単に具を寄せて小さなスペースを作ってやり、そこに溶きたまごを少し流し入れ、たまごが自分で浮かび上がってくるのを待ちます。
たまごを入れたらあまりかき混ぜないこと
たまごが浮かんで来たら、別の場所にずらしてまたスペースを作り、たまごを入れます。これを3~4回繰り返して少しずつたまごを流し入れると、きれいなたまごとじになります。
夏の簡単おかずスープ
ゴーヤとたまごとキムチがあれば、わずか10分足らずでできて、ボリュームもあるこのスープ。汗をかきながら食べて、後味もすっきり、夏の夜にはうってつけです。サラダ油をごま油にかえたり、唐辛子粉を追加すると、さらに風味がプラスされます。
暑いときは食欲も落ちて、つい買ってきたお弁当やそうめんなどに頼りがちになりますよね。ごはんの進むしっかりしたおかずスープを食べて、夏をじょうずに乗り切りましょう。
【アレンジ】たんぱく質を加えてさらにボリュームアップ
肉や豆腐を加えると、さらに食べ応えがでて、スープとごはんだけでも、十分な食事になります。肉は脂のある豚バラ肉でも、淡白な鶏肉でも、それぞれのおいしさになります。
ゴーヤとキムチ、豚肉のスープ
ゴーヤチャンプルーでもおなじみの、間違いない組み合わせをスープにします。といっても、基本のスープでゴーヤを蒸し煮するときに、食べやすく切った薄切り肉を広げて一緒に蒸し煮すればいいだけ。肉を入れるときは、たまごはあってもなくてもOKです。
ゴーヤとキムチ、豆腐のスープ
豆腐を入れると、よりさっぱりとマイルドになります。キムチを入れるタイミングで、木綿豆腐を手でくずして、鍋に加えてあたためましょう。豆腐から水分が出るので、塩かしょうゆを少し足します。豆腐とたまごでやさしさの勝つスープになります。