東京五輪“酷暑”問題の元凶は招致委員会の嘘だった!「温暖で理想的な気候」とプレゼン、今だに「打ち水で対策」と妄言

東京五輪酷暑問題の元凶は招致委員会の嘘だった!「温暖で理想的な気候」とプレゼン、今だに「打ち水で対策」と妄言の画像1
13年のIOC 総会で東京をアピールした安倍首相だが…(首相官邸 HPより)

 日本列島は連日猛暑に見舞われている。18日に総務省消防庁が発表した速報値によると、7月9日から15日まで間に、熱中症で救急搬送された人数は全国で9956人にのぼり、搬送された患者のうち12人が死亡したという。この暑さはこれからもまだまだ続く予報で、引き続き熱中症への警戒が呼びかけられている。

 この暑さを受けて思いを馳せずにはいられないのが、2020年東京オリンピックのことだ。東京オリンピックは20年の7月24日から8月9日にかけて行われる予定であり(パラリンピックは8月25日から9月6日まで)、命の危険すらある酷暑のなかで開かれるからだ。1964年に行われた前回の東京オリンピックは10月10日から10月24日にかけて行われたもので、今回の大会とは状況がまったく違う。

 当然、巷間やSNSには酷暑開催となる2年後のオリンピック開催を憂う声が溢れているわけだが、そんななか、暑さや熱中症対策として国が出している対策はあまりにもこころもとない。

 国土交通省は2015年から複数回にわたり有識者会議を開き、オリンピック期間中の暑さ対策について話し合ってきたが、その結果として導き出された答えは、〈有識者会議は、打ち水のほか、浴衣、よしずの活用など日本ならではの対策を盛り込み、観光PRにも生かしたい考えだ〉(15年4月17日付ニュースサイトYOMIURI ONLINE)だったのである。

 21世紀に導き出された結論とは到底思えぬ、戦時中の竹槍訓練を彷彿とさせる冗談のような熱中症対策には、もはやため息も出ない。そんななか、日増しに高まる世間からの熱中症への危惧に対して、陸上の元日本代表選手である為末大氏はこのようにツイートした。

〈みんなこんなに暑くて大変なこの時期にオリンピックをやるなんてオリパラ委員会は何をやってるんだと言うけれど、アメリカのプロスポーツの間を縫うためにあそこしかできないのが本当のところだと思うので、苦情はNBCとかIOCに伝えた方がいいと思う〉

 NBCはアメリカの3大ネットワークのひとつ。確かに、為末氏が指摘する通り、夏期オリンピックがこの時期に開催されるのは、アメリカのテレビ局の「夏枯れ」対策によるものである。

 しかし、だからといって〈苦情はNBCとかIOCに伝えた方がいいと思う〉というのはまったく正しくない。というのも、日本側は、7月から8月の間に開催する日程でないと東京にオリンピックは呼べないと認識したうえでオリンピック招致を進め、しかも、この時期の東京が野外で激しい運動をできるような気候でないことを隠して招致を強引に押し進めたからである。

 オリンピック招致の際につくられた「立候補ファイル(日本語版)」のなかにある「2020年東京大会の理想的な日程」という項目にはこのように記されている。

〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉

 ここ数日の東京は、最高気温35℃前後を推移し、最低気温も25℃を下回らない熱帯夜が続いている。年によって多少の差はあるにせよ、こうした猛暑は今年の夏だけに限ったことではない。これを〈温暖〉と言い切るのはどう考えても無理があるだろう。〈アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候〉というのも噴飯ものだ。どう考えても〈最高の状態〉になどならないだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

東京五輪“酷暑”問題の元凶は招致委員会の嘘だった!「温暖で理想的な気候」とプレゼン、今だに「打ち水で対策」と妄言のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。IOCオリンピック久米宏安倍晋三東京五輪為末大猛暑編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 タモリと中園ミホの不倫密会を完全スルー!
2 維新応援団・野村弁護士が懲戒、橋下徹にも請求が
3 東京五輪“酷暑”問題の元凶は招致委の大嘘
4 くりぃむ上田が赤坂自民亭を一刀両断!
5 枝野が怒りのフィリバスター「安倍首相はクソ」
6 山本太郎を評価せよ!
7 山本太郎が安倍に放火未遂スキャンダルを質問
8 グッディ!土田マジギレ真の原因
9 未成年飲酒疑惑の手越が日テレW杯番組に
10 災害よりカジノ優先の安倍に山本太郎が激怒!
11 SMAPを殺したのはキムタク
12 カジノ法案強行成立の背後にまた“アベ友”
13 キムタク「両親と絶縁」は静香の影響
14 志らくが『ワイドナ』でも赤坂自民亭めぐり大嘘
15 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
16 りゅうちぇるの意見が真っ当すぎる!
17 フジ『バイキング』で金美齢が部落差別
18 生活保護叩きする前に吉岡里帆ドラマを見ろ
19 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
20 伊勢谷友介は勝間和代がタイプ
1山本太郎が安倍に放火未遂スキャンダルを質問
2安倍の豪雨対策そっちのけ飲み会に非難轟々!側近も
3 安倍が災害対応よりカジノ法案優先
4 枝野が怒りのフィリバスター「安倍首相はクソ」
5災害よりカジノ優先の安倍に山本太郎が激怒!
6タイ洞窟少年にまで自己責任バッシングする日本
7くりぃむ上田が赤坂自民亭を一刀両断!
8加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」
9災害放置の安倍首相が“やってる感”だけ演出
10アベ友・八木秀次に1200万もの公金横流し
11安倍への忖度?山口県警が安倍系建設会社の捜査握り潰し 
12 安倍が災害66時間放置をなかったことに
13 百田尚樹がお茶大LGBT入学に差別攻撃
14志らくと八代弁護士が赤坂自民亭を擁護
15志らくと春蝶が赤坂自民亭めぐり安倍ポチ全開
16カジノ法案強行成立の背後にまた“アベ友”
17生活保護叩きする前に吉岡里帆ドラマを見ろ
18大飯原発逆転再稼働の裏に裁判所の策謀
19アベ友の道徳教科書が不正売り込み
20維新応援団・野村弁護士が懲戒、橋下徹にも請求が

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄