健康医療部 食の安全推進課
丹治 孝祐 Tanji Kosuke
平成25年 入庁
●大阪府庁を志望した理由を教えてください。
就職活動当初は、大阪府で薬剤師が働いていることを知らず、薬局や病院での就職を考えていました。大学の先生や先輩に話を聞いたり、就職セミナーに参加するなど活動を進めていくなかで、初めて行政で働く薬剤師がいることを知りました。行政で薬剤師がどのような仕事をしているのか調べていくと、医療関係の方だけでなく、飲食店の店員や美容師などの様々な業種の方を相手にしていること、施設の監視や講習会の開催など幅広い分野の仕事を行っていることが分かりました。調剤以外のことにもチャレンジしてみたいという思いがあったので、ぜひここで働きたいと考えるようになりました。目指すと決めてから採用試験まではあまり時間がなかったので、必死に勉強しましたね。また、大阪で生まれ、今までずっと大阪でしたので、地元で働いて貢献できることも動機の一つです。
●最初に配属された四條畷保健所では、どんな仕事をしましたか?
四條畷保健所では、食品関係事業者や府民などからの申請や問合せを受けて仕事をする地域業務を担当しました。主な仕事としては、飲食店への許認可業務、違反食品や食中毒の調査を行いました。また、講習会などの講師を担当することもありました。印象に残っていることは、働き出してすぐの頃、高校生を相手に文化祭での食品の取扱いについて説明会を行ったのですが、学生達からの質問に答えられず、しどろもどろになり、同席していた先輩に助けてもらったことですね。
飲食店の店主、食品工場の責任者、学園祭で食品を提供する学生など、本当にいろいろな職種、立場の方と出会いました。初めての職場で勉強することばかりでしたね。
●次に異動した茨木保健所では、どんな仕事をしましたか?
茨木保健所では広域業務を担当しました。広域業務は、自分たちで計画を立てて施設へ監視に出向くことが主な仕事になります。外回りがメインになるので、自動車を運転することが多いですね。飲食店や食品工場だけではなく、老人ホームや学校など食品に係わる様々な施設へ向かいます。施設の衛生管理などが正しく行われているか確認し、不備がある場合はどうすれば改善できるかを営業者と一緒に考え、助言や指導をします。他にも、府内に流通している食品の表示が正しく記載されているかを確認するため、スーパーなどに監視に行ったり、保健所内で食品の微生物・理化学検査を行います。大規模な食中毒が起こると他の保健所の応援に行くこともあります。
その他、食品衛生研修会という、各自治体の食品衛生監視員が食品衛生に関する研究を行い、その内容を発表する事業があり、茨木保健所での研究を行うメンバーに選ばれました。研究の内容は、ウェルシュ菌という食中毒菌による食中毒事例の発生原因を探るというものでした。発生原因に関する仮説を立てて、それを実証するために検査を行うのですが、思ったとおりにいかないことのほうが多かったですね。時間はかかりましたが、同じ保健所の職員や研究所の方々に検査の協力や助言をいただき、何とか研究内容をまとめ上げることができました。その結果、研究は近畿の研修会で優秀課題に選ばれ、また東京で行われた全国の研修会でも研究内容を紹介してもらうことができました。作業自体は非常に大変でしたが、成果が認められ誇らしかったです。
●入庁する前にイメージしていた仕事と違う点はありましたか?
食品衛生法などの法律や条例、文章作成のルールや許認可システムの取扱い方法など、想像していた以上に学ぶことがたくさんありました。入庁1年目は、これら以外にも府庁のルールや手続、専門用語など本当に分からないことばかりで、業者を相手に説明をするときも苦労しました。研修会で勉強したり、先輩職員に教えていただいたりと周りに助けられながら仕事を覚えていきました。
●現在の健康医療部食の安全推進課での仕事内容について教えてください。
食品安全グループでは、食品衛生法などの施行に関する業務を行っています。具体的には、猛毒を持つふぐの処理に従事する人を登録して登録証を交付したり、食肉衛生検査所などの現場を物品調達などの面でサポートしたり、保健所などからの問い合わせへの対応、講習会や検診の計画立案などを行っています。年度当初に仕事を分担するので、各々の主担当は決まっているのですが、グループ内で情報共有し、みんなで協力して進めています。現在は、検診に関する業務を主担当として行っています。仕事内容は、関係機関との契約の手続や検診の案内文の作成など、デスクワークが主になります。検診実施の時期が迫ってくると、担当者との事前打合せや調整を行うため病院などへ出張する機会が多くなります。
保健所では地域の方と接することが多かったのですが、本庁の仕事は、食品関係事業者、保健所、他自治体や国の担当者など多くの方と連絡を取り合って仕事を行うので、様々な情報を知ることが出来ますし、広い視野を持って仕事をすることが出来ます。また、条例等の改正や予算関係の業務など、ここでしか経験出来ない仕事が多いですね。
●仕事のやりがいは、どんなときに感じますか?
仕事の種類が多い分、食に関する様々な分野の知識を吸収することができることに魅力を感じます。様々な業種の方と接して、その業界の話を直接聞くことができるのも興味深く、とても勉強になります。そういう意味では、就職活動の時に思い描いていたように、異なった様々な業種の人と接し、幅広い分野の仕事を経験できています。
また、現在の職場で担当させてもらっているふぐ処理講習会などの事業は、実施するまでの準備や調整は非常に大変ですが、無事に終了した際には達成感を感じることが出来ます。
●仕事をしていく上で、どんなことを心がけていますか?
気持ちの切り替えを上手に行うことです。入庁当初は、一から覚えることが多く、仕事を任せてもらったプレッシャーもあり、自宅でも仕事のことを考えてしまい、仕事と私生活の境界線があやふやになっていました。気持ちの切り替えがうまくできないと、ストレスを溜め込んでしまって仕事にもプライベートにも悪い影響を与えてしまいます。今ではメリハリをつけて、仕事するときは仕事に集中、仕事が終わればプライベートの時間を大切にして、遊ぶときは思い切り楽しむことにしています。
また、現在の本庁の仕事は業務量そのものが多く忙しいので、時期によっては残業もあります。複数の業務が重なることもよくありますが、優先順位を考えながら、一つ一つきちんと進めるように心がけています。
●自らの手でどんな大阪をつくっていきたいですか。府職員としての大阪府・府民への想いをお聞かせください。
府民が健康で豊かな生活を送れるように、食の安全を守ることが私たちの仕事です。現在の職場では、直接府民に接することは少ないですが、保健所などの業務がスムーズに進むようにすることで間接的に府民の食の安全・安心を守っていき、地元である大阪府に貢献できればと考えています。
●今後、どんな仕事をしてみたいか、これからの目標・抱負をお聞かせください。
入庁から5年目になりますが、法律や条例など、学ぶべきことはまだまだ多く、今でも勉強の毎日です。そんななかでも、事業所の衛生指導や府民との応対など保健所での経験が、今の業務にも役立っていると思います。
これからも本庁、保健所、検査所など様々な職場を経験し、どんな職場でも活躍できる幅広い知識を習得したいですね。
●大阪府庁を目指している方に、メッセージをお願いします。
私自身もそうですが、本当に幅広い仕事を任せてもらえます。いろいろなことに挑戦したいというチャレンジ精神のある方に入庁していただきたいです。病院や薬局、製薬会社とは違う、ここでしかできない経験ができ、キャリアを積んでいくことができます。今、薬学を学んでいる方はぜひ検討してみてください。大阪府の薬学職は、薬事、食品、環境、検査の4つの分野がありますが、どこに配属されても勉強すべきことはたくさんあり、仕事をしながら知識を身に付けていかなければなりません。今まで勉強してきたこと以外も前向きに学ぶ気持ちを持って、臨んでもらえればと思います。
※掲載されている職員の職務内容、所属及び所属名称は配属当時のものです。
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