俺は超越者(オーバーロード)だった件 作:コヘヘ
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スルメ「狂信者しかほぼいない村でパワーレベリングすればそうなる」
ツアー「ふざけるなあああああ!!!」
早朝から元気の良いエンリの察しの良さに驚いた俺はこれからすること全てを話した。
エンリは物凄く嬉しそうに絶対やると断言した。
…大丈夫だろうか。
エンリから説明を受けたカルネ村の連中、いや皆は、それは凄い覚悟の持ち主だった。
ブリタ嬢を除き、全村人、子供から年寄りまで『破滅の竜王』に挑むとか言い出した。
…パンドラズ・アクター。ヤバいわこの村。
子供と老人は辞めさせた。ブリタ嬢も普通に気にしないように厳命した。
何だろうブリタ嬢は、ガチの宗教団体に囲まれた一般人みたいな感じだった。
…ポーションの件は俺の自業自得だし、遠回しに何かフォローするべきかもしれない。
俺が行動した結果が、カルネ村だと思うとブリタ嬢には物凄く関わりにくい。
流石にこれだけいると困るので、
希望者全員に完全催眠で『破滅の竜王』を見せたが、怯えたのは一瞬だった。
『戦う者』の目だった。覚悟ガンギマリだった。
希望者を整理し、俺は『戦士Lv+1』を参加者全員に与えた。
ンフィーレアとリイジーには『賢者の呪帯』を与えた。
俺は、完全に拘束した『破滅の竜王』のHPをギリギリまで減らした上で、
『神器級』の弓等で射させるつもりだった。
ユグドラシル時代、ありとあらゆるところから略奪し、
解散したギルドから貰ったものだ。
我ながら碌でもない経歴だ。最後のは良い話だが。
かなりの個数があるが、それでも200人近くいる村人全員に分け与えるのは無理だ。
なので、ローテションを組んで、次の日以降に『山河社稷図』に入らせて、
『破滅の竜王』に挑ませることにした。
個人個人のレベルキャップが気になるが、
おそらく最大レベルにするのには十日もいらないだろう。
…カルネ村の皆の、あの勢いだと。
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カルネ村の皆とは違い、
エンリには、地下に潜ませていたスケルトン等1万体を相手にさせると告げた。
我ながら頭おかしいことを言ったが、エンリは俺が詳細を説明する前に同意した。
俺は流石にドン引きしてしまった。
俺は慌てて、エンリに『ゴブリン将軍の角笛』の真の効果を説明した。
説明を受けたエンリは、物凄く慌てていた。
これそんなにヤバいアイテムだったのかと顔に出ていた。
…そうだよな。
最初に会った時、俺慌てていたから角笛10個くらい入った袋で渡していたからな。
『真の効果』とか普通思わないよな。
大事にしていたのか、一個しか使ってないみたいだし。
大事にアイテムを取っておいてくれた俺は嬉しくなり、
エンリが『家族』と呼ぶゴブリン達にもワールドアイテムを付与した。
ゴブリン・リーダーを始めとしたゴブリンと狼たちには『戦士Lv+1』を与えた。
ゴブリン・メイジ とゴブリン・クレリックには『MP+500%指輪』の効果を与えた。
付与したらゴブリン・リーダーを始め全員に、
「不敬かもしれないですが、エンリ姉さんのことよろしくお願いします!」
と言われた。
...エンリも満更じゃないようだった。
…俺は過去に完全にやらかした責任は取るつもりだったので、了承した。
子供とか言われたが、流石に未成年は勘弁して欲しいとだけ言った。時間稼ぎだ。
俺はそもそも子供を作れるのか?人化しているとはいえそこは疑問だ。
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エンリは『ゴブリン将軍の角笛』の真の効果を発揮した。
総数5000を超える精強なゴブリン軍団が召喚された。
スケルトン等ものともせずにあっという間に駆逐した。
圧巻だった。俺も興奮した。アレは凄い。
ゴブリン軍師の巧みな戦術捌きは俺も大変参考になった。
正直、ユグドラシル時代を含めても、殲滅戦の理想だったと思う。
そんなユグドラシルでも見なかった光景にテンション上がった俺は、
十三レッドキャップスやゴブリン重装歩兵団、聖騎士隊等に『戦士Lv+1』を与え、
ゴブリン魔法支援団や魔法砲撃隊等に『MP+500%指輪』を与えた。
5000人超のゴブリン全員に、だ。
…流石にやり過ぎた。
自分でも超越者(オーバーロード)がここまでできることは初めてわかったが。
…俺はエンリのレベルを計測した。エンリはLv35相当になっていた。
多分まだ上がる。
俺のユグドラシル時代の経験則だと、
ちょうど戦わせたスケルトンを始めとする
アンデッドの経験値で増加する程度のレベルだったから。
多分、カルネ村ってプレイヤーの子孫の村かもしれない。
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これは後でわかったことだが、元々いたカルネ村人はLv30台まで上昇した。
...本当にプレイヤーの村だった可能性が出てきた。今後調べるつもりだ。
とはいえ、流石にLv35以上はエンリを除きいなかった。
ンフィーレアとリイジーは魔法で攻撃させたためか魔法職でLv20過ぎになった。
二人には、それ以上はあげさせなかった。
まだ上がりそうだったが、研究のことをその時になって思い出した。
ここは判断ミスだったと思う。
カルネ村外から来た村人は低いとLv10でカンスト。
高くてもLv20前後でカンストした。
ナザリックからNPCを呼んで『職業』を調べた。
するとレベルの法則がおおよそわかった。
この世界では、やはり、これまでの『経験』からレベルが上がる。
ほとんどの村人は、ファーマーという謎クラスがカンストしていたりした。
恐らくそのまま『農民』という意味だろう。
コック等の生産職もあった。
それ以降のレベルはアーチャーが主体だった。
セイクリッド・アーチャーとかもあった。これは俺も知らない。
『破滅の竜王』の安全が確保された、
カルネ村後続組には『剣』や『槍』等を使わせてみた。
結果、戦士(ファイター)等の基礎の他、
サムライとかケンセイ等の上級職まで含まれていた。
レベル60必要なはずで本来取得できない上級職等もあった。
ただ、レベルだけ高くなっても良くないので技術や経験をマニュアル化した物を送った。
訓練を積めば一流の戦士達だ。
エンリはLv43でストップした。ほぼ指揮官系統の『職業』だった。
もはや、カルネ村戦力だけで人類征服可能かもしれない。
法国には番外席次がいるし、第一席次もいるから無理だが。
『破滅の竜王』に挑める狂信者がカルネ村で止まるように俺は信じてもいない『神』に祈った。
あのエレアの顔を思い出した。
ニヤリと笑った。
数年後、『魔王国』中がレベルがカンストした住民だらけになることを俺は知らない。
その頃には、レベルアップマニュアル化が完璧だったので、
屈強な戦士、魔法使い、聖騎士、野伏等が国中に満ち溢れた。
ツアーに滅茶苦茶怒られた。
モモンガ様はリイジーのことを老人扱いしていません。
変態枠で扱っています。
なので『破滅の竜王』にも挑ませています。