古株・古参が新規にモヤモヤする理由とその解決策

デビュー曲「シンデレラガール」の売り上げは70万枚を突破し、幸先のいいスタートを切ったKing&Princeさん。ドラマ「花晴れ」とその宣伝や、音楽番組での活躍などマスメディアでの露出も増え、夏はEX、冬は帝劇を中心にキャパ500~2000人程度の箱を往復していた頃とは比べ物にならないくらい多くのひとが「平野紫耀」「キンプリ」って名前を知るようになりました。EX?クリエ?少年倶楽部ってどうやって見れるの?みたいな人たちが、「花のち晴れヤバいTT 神楽木格好いい…」「シンデレラガールいい曲だね!」と言っているのを見て、聞いて、驚きと感動と戸惑いを覚えているジャニヲタも多くいると思います。先日マシュマロにこんなメッセージを頂きました。

Mさんの「ずっととあるアイドルを応援してた所謂古株が急に人気になった時の古株の気持ち」に対するお話をもっと聞いてみたいです。私は新規がついて人気になるのは凄く本人達にとっても私達にとってもいい事なのは理解していますがなんとなく嫌というか、手放しで喜べません。でも自分でもなぜそう思うのか分かりません。‘遠くに行ってしまったようで嫌だ’とかではないと思います。どちらかというと‘やっと世間が気づいたか、私はずっと前から好きだったよ’と古株アピールしたくなってしまいます。言ってしまうとキンプリを見てるとそう思います。古株の気持ちって複雑ですよね。自分でも感情の整理が出来ません。良ければいつかMさんのブログで古株について書いていただけたら嬉しいです。

わ、わ、わかる~~~~~~~~!!!!!!!私は今までこのブログでも繰り返し申し上げていたように、マスメディアLOVE!テレビLOVE!ドラマLOVE!大好きなアイドルにはもれなくドラマに出てほしい!社会現象を起こしてほしい!HEY HEY HEY時には起こせよムーブメント!!!って感じだったんですけど、いざ紫耀くんが連ドラに出演して、周りの子が「ひらのしょう格好いい」とインスタだのTwitterだので言及しているのを見て、心の奥底でモヤ~っとした汚い何かが渦巻いているのに気づいて、「あれ?私、紫耀くんに公に出てほしかったんじゃないの?」と戸惑いました。しかし、「なんだ~結局アイドルに遠くに行ってほしくないんじゃ~~ん!」と言われたらそれは断じて違くてSMAP育ちゆえに東京ドーム公演こそ至高・月曜夜に街からOLを消してくれ!と今でも強く思っています。このモヤっとした気持ちについてしばらく考えて私なりの答えを導きだしたのでここでお答えします。あらかじめ言っておきますが私は新規大歓迎だし、この文章は「なぜモヤモヤ私してるんだろ?」と悩んでる古参のみなさん、「新規でごめんなさい」と悩んでる新規のみなさんに向けて書いてます。そんなこと1ミクロンも感じない人はまわれ右です!

注)現場至上主義、好きなアイドルには物理的にも心理的にも近くにいてほしい、「みんなの知らない〇〇くんが好き」という方は、宗派が異なるため共感を得られないと思います。

 

1.マイノリティとアイデンティティ

新規にモヤっとしてしまう原因のひとつは、ジャニオタ・「〇〇くんを好きな自分」がアイデンティティになってしまっているからだと考えます。

この文章を読んでくださっている方は日本語理解者なので日本人という前提でたとえ話を書かせていただきます。そしてあくまで以下の話は、新規の方にもわかっていただくために作ったフィクションです。

みなさんは日本人というアイデンティティを持っていますよね、で、「日本ってどこにあるの?」レベルの地域に行ったと仮定します。そこには日本人はおろか他の地域から来た人は一人もいません。自分は日本語が母語だし、日本代表みたいな気分になって、寿司だのニンテンドーだのを紹介しようと試みますが、「魚を生で食べるなんて気持ち悪い」「なにこれ外で遊ぶほうが楽しい」と一蹴されてしまいます。異文化の人に自分の文化を押し付けてはいけないんだ、とあなたは学び、日本人がいない中で日本人だというアイデンティティを持ったまま、孤独に現地に馴染もうと必死で勉強します。数年後、同じあなたと日本人がその地域にやってきました。そしてその子が寿司や日本のものを紹介したら、その場にいたみんなが「なにこれ最高だね!もっと教えて!日本語教えて!日本って面白い国だね!」と言い出します。それを見たあなたはショックを受けます。ずっとずっと仲間が欲しかった。ずっと日本のすばらしさを知ってほしかった。そうやって反応してくれるなら私だって日本のことたくさん紹介したのに!私の時はみんな見向きもしなかったじゃない!私は誰にも褒められず自分の常識を隠してきたのに!今更「え、あなたも日本人だったの?」なんて言わないで!私はこいつが来る前からずっと日本人として孤独に戦ってきたのよ!どうして誰も私のことを褒めてくれないの?と悲しくなってしまいました。

 

自分で選択できない幼少期の環境や所属民族によって確立された「日本人」「韓国人」「アメリカ人」「フランス人」みたいなアイデンティティと同様に、「ジャニオタ」「〇〇くんが好き」というアイデンティティが古参には確立されてしまっている。アイドルを好きになるのなんて、趣味なんだし、自分で選んでやってることなんだから、周りの反応なんて気にするようなことじゃなくない?って言われるかもだけど、アイデンティティって周りからの扱いからも形成される部分があるので、古参が時間とお金をかけすぎている(からヲタクが勝手にアイデンティティ育んでる)だけじゃないと思います。メディアに出ていないアイドルを追うのって、一定数に「キモい」と思われているかもっていう肩身が狭い気持ちがずーっとあります。実際に言われたこともあったりして、自分の好きなことを否定されることによって傷付き、それによって「自分はジャニオタなんだ」「自分は〇〇くんが好きなんだ」って意識が強まります。「キモい」とか「ダサい」とか「趣味が悪い」と思われたり言われていなかったとしても、メディアに出ていないから知ってる人がまわりにいなくて、「言っても伝わらないだろうな」って自分の趣味をずっと口にするのを我慢してきた人が多いと思います。もちろんこれは、被害妄想の可能性だってあります。でもそうやって、長く傷付いたり我慢してるうちに、勝手にアイデンティティがはっきりと確立されていきます。すると、自分の好きなアイドルをdisられたとき、disられているのはアイドルなのに、「自分」が否定されてる気分になってきます。あまりにもその期間が長かったり、頻度が高くなると、「早く報われたい…」みたいな気分になってくる。

結果、自分のずっと好きなアイドルを、過去に否定してきた人が、アイドルが公に出た際に「好き~」と言っているのを見ると、本来はその人とアイドルの関係が変わっただけなのに、アイドルの存在だけでなく、「ずっと好きだった私」も認めてほしい!!とエゴが出てきてしまうんですね。「あの時は悪かった」と「アイドルファンである私」にもひとこと謝ってほしいって思っちゃうんです。後から自分と似たようなひとがそのコミュニティに誕生してショックを受けるのも、その人と自分は違う!と叫びたくなるのも、長い間がアイデンティティを主張できなかったフラストレーションからくるんじゃないかなぁ。だって新規の子と一緒にされたら過去の「好きでいた私」はなかったことにされてるってことですからね。必死に隠してただけなのに。後からでもいいから過去の自分も認めてほしい。

これに対する解決策は、周りに何を言われても気にしない自分とそのアイデンティティを自分で愛する強さを持つ自分は誰かのアイデンティティや誰かの愛するモノを否定せず、少数派は少数派というだけでしんどい思いをしているかもしれないと想像力をきたえて世界を優しくするしかありません。わたしは、強くて優しいひとになりたい。

 

2.私は世界を変えることができない

私は平野紫耀くんを好きになったのは2013年の2月頃で、それまで木村拓哉さんがすきだったんですね。今の日本で木村拓哉を知らないひとってかなり限られてくると思うし、2013年までに「ドラマ全話視聴率30%越え」とか「最高視聴率40%越え」とか、「抱かれたい男No.1」とか「街に張られたポスターが盗まれる」とか、そういう男で、二年に一度ドームツアーしてました。一方で紫耀くんは地上波に一分も出たことがないレベルで、二階後列はクソ席とか言われる松竹座っていう超々閉鎖的な空間の中でたっっっった1000人ぽっきり相手に舞台やコンサートをしていました。どう考えても物理的には紫耀くんのほうが近かったんですけど、私は当時から精神的スタンスは紫耀くんと木村さんは同じで、ポテンシャルも同じだと本気で思ってました。平野紫耀くんは、然るべき場所に立てば木村拓哉級の人気になるのに、どうして彼はたった1000人ぽっきりに手を振っているの?いつになったら世間は紫耀くんの存在に気づくの?紫耀くんの存在に気づかない日本人全員バカなの?とずーーーーーっともどかしかったんですよ。当時私は「地動説を唱えた科学者ってこんな気分だったのかなぁ」とよく言っていて、紫耀くんが売れるというのは私の意見ではなく事実で、まだ世間が気づいていないだけ、そのうち気づく、はやくみんなに気づいてほしい、と思ってました。5年間、その事実と世間の認識との乖離に、ずっともどかしさを感じていました。そして、そう感じていたのは私だけじゃないはず。

来たる2018年春、紫耀くんは無事「社会に放り出され(by紫耀くん)」、それまでジャニヲタじゃなかった層までガンガンに落としていってるんですけど、そこで私が「ほらみろ!!私は5年間ずっと言ってたじゃん!!!」と主張したところで、「だから何?」「そんなの後からなんとでも言えるじゃん」と一蹴されて終わりです。なぜなら、ファンは供給を享受する存在、カネの対価にサービスや商品を受け取る存在にすぎず、アイドルを売るのはエンタメを仕掛ける人たちだからです。「この子は売れる!」と言うのなら誰だってできるわけで、それを私は実現させることはできません。この事実を受け入れないといけない。しんどかったり、モヤモヤするのは、自分にその力がないということを突き付けられたからかもしれません。「大衆より早く紫耀くんを好きになった自分ってすごい!」ではなく、「はやく紫耀くんを見つけてほしい!」と思っていたはずなのに、その5年間が、もどかしすぎて、いつの間にか「自分の見る目を認めてほしい!」に変わっていました。自分の先見の明を周りに認めてもらいたいのなら、エンタメを作る側の人間になる。日本のエンタメ界に影響力を持つ存在になる。しかない。結果出すしかないんです。あぁ無能って辛いですね。

余談ですが、私はずっと平成初期が好きで、音楽とかファッションとかずっとずっと好きって言い続けてきたんですね。でも最近また90年代リバイバルで、90年代風のファッションとか流行ってるじゃないですか。でも微妙に当時と違ったりして、「90’s好き~」って言ってる子を見るとモヤモヤするんですけど、それを黙らせられる存在になるにはトレンドに合わせて好みが変わるような子の好みを操作できるくらいの、ファッションのドレンドを発信する側になるしかない。いままでずっと話を聞いてもらえなかったのは、私の影響力がない証拠です。

 

3.ヲタクとか関係ないよ

1と2で書いたことのまとめというか、派生なんですけど、自分と同じコミュニティで、自分より新しくファンになったひとが、自分が今まで我慢していたのに、大きな声で「私〇〇が好きなんだ~~」って言っていたときに、モヤっとしてしまうのは、(1)そのコミュニティでの唯一のポジションであるというアイデンティティを奪われたとショックを受ける (2)自分は我慢していたのに大きな声で好きなことを好きだと叫べることへの羨ましさ からくると思います。

もしくは自分が今までずっと「〇〇くんって格好いい」と言い続けてたのに誰にも聞いてもらえず、新しくファンになった人が同じように「〇〇くんって素敵なんだよ」と紹介した途端まわりが「本当だ~」と話しを聞き始めたら、「私の時は話を聞かなかったのに!!」と(3)自分の声を受け入れてもらえなかったことからモヤモヤしてしまうのだと思います。

結局、(1)自分のアイデンティティを周りに受け入れられる(2)好きなものを堂々を叫べるようになる(3)発言の影響力を持つ ようになりたいのなら、自分自身がひととしてトレンドセッターになれるくらいの影響力を持つしかないのかなと思います。なぜなら、全て「私を知ってほしい!」「私の話を聞いてほしい!」「私の考えてることが実現してほしい!」と、ただの自分の主張でしかないから。アイドルとか関係ない。自分を周りに受け入れられたいなら、それなりの魅力・実力を身につけないといけない。魅力も実力もないのに自分!自分!とただ叫んで誰にも響かず落ち込むのは、力のなさを露呈しているだけ。ダサいね。

 

4.究極は

もうひとつのラクになる方法は、周りに自分をわかってもらいたいと思うことをやめること。周りの評価に依存するとすっごく疲れます。自分のアイデンティティ、好きなもの、考えは、私自身がわかっていればいい。それを自分が大切にして、信じていればそれでいい。周りがどう意見を変えようが、私の信じるものには関係ない。そう考えられると、一気にラクになれる気がします。まぁ、それができないから、私はモヤっとしたんですけどね。落ち着いた人間になりたい。

なんかこう、スピリチュアルになってきましたね。。。

 

5.アイドルは関係ない

だから、古参が新規に対してモヤモヤしてしまうのにアイドルは直接的には関係ないと私は思っています。アイドルと古参・新規が直接関係するとすると、アイドル側がマーケティングとして忠誠的顧客であるお得意様(古参)に価値を置くか、新規顧客確保に価値を置くかですが、アイドルもビジネスなので、どちらがコスパよく利益に繋がるかで選択されるんじゃないかなぁ。でもそれはマーケティングの問題だから、顧客であるファンが払うカネの対価が下がるわけではないし、仮に新規顧客確保に注力をそそいで古参がその待遇に不満に思っても「そのサービスを利用しない」という選択ができるしそれしかできることはないから、戦略に怒っても不毛だと思います。新たなサービスを探すか、自分でサービスをつくり出すか。しかもその場合、関係性は古参⇔アイドルで、新規は関係なくなるね。つまりサービスに不満がある場合は、怒りの矛先はサービス(アイドル側)に向けられるべきで、新規に向けるのはお門違いってことになると思います。

加えて、値段設定や提供サービスを通してターゲット顧客層を設定するのもアイドルで、すなわちファンの民度を決めるのは担タレで、アイドルがファンを育てるしかないと思ってます。ファン層に多様性が生まれることやファン層が変化することに不満を覚えるのならそれはアイドル側の戦略が自分の好みと異なると考えるべきなんじゃないかな。

 

6.新規は悪くない

ということで、新規は何も悪くない。でも誰かや誰かの好きなものを否定するのは絶対やめようね、もし過去に身近な誰かに明らかに否定的な言葉をかけてしまったら謝ろう?という結論です。それは言葉のブーメランでもあって、私もやっと最近K-popにハマったわけですけど、今までずっとハマれなくてごめんなさいという気持ちで勉強しております。SMAPの時もJr.の時もそうでした。ずっと新規である劣等感みたいなのかんじてた。でも、ひとにはハマるタイミングというのがあって、それは人それぞれ違います。もっと早くファンになりたかった!って誰もが思うことです。結婚相手と違ってファンの枠はひとりじゃない。後からファンになったって正しくファンになれる。ただ問題は、悲しいことにコンサートの席の数には制限がある。ここからは本題からすこしズレますが、チケット当落問題の何がつらいかというと、「自分ではどうにもできない、自分が選ばれる側」だから。恋愛とか受験とか就活とかと一緒で、ある程度勝率をあげることはできるけれど、最終的に決めるのは向こう側で、自分はどうにもできないから、フラストレーションが溜まる。運に「想いの重さ」は関係ありません。だから古参・新規も関係ない。しかも、運のある人だけでなく、コネのある人、大金持ち、は結局行ける。自分の何もなさにさらに落ち込んでしまいます。そもそも、人脈や経済力など、相対評価をし始めるとめっちゃつらいんですよね。古参・新規問題も同じで、どっちが前から好きかなんてヲタクの間で比べるしかできないし、そうやって比べ続けてたらずーっと自分より古参に劣等感感じて、自分より新規を排他し続けることになる。そんなんしんどくない?私はしんどいです。だから古参・新規というものさしでファンをくくることはしないし言葉も使わないようにする。視野を広く持ちたいです。

 

7.自分が辛い理由を理解すること

古参・新規問題も、チケット落選問題も、周りから見たらたかが趣味で何を言っとるんじゃって感じかもしれません。でもしんどいのはしんどい。そのしんどいのが解決されなくても、「なぜ私はしんどいのか?」を理解することで、すこしは見えてくるものがあるかもしれません。

とか言って、私は毎日毎日しんどいしんどい言ってクッソネガティヴなんですけどね。いつか自分を好きになって周りには感謝だけして生きていけるようになりたいです。。

 

 

 

いやー今回の件を通して、「ごく出は永遠の新規」と言われる理由がよーくわかりました(笑)とはいってもキンプリちゃんはまだまだ跳ねる余地があると思うので、これから予防して自分の気持ちをコントロールしたいものですね。最初にも書きましたが、基本的に私は新規大歓迎です。というか、正直まだデビューしたばっかりですから、今ファンになった方たちなんてSMAP規模でいうとみんな古参です(笑)過去じゃなくて未来向いていきましょう。