Webライターが『FocusWriter』を1年使ったのでおすすめしていく

Webライターが『FocusWriter』を1年使ったのでおすすめしていく

数あるテキストエディタの中で、『FocusWriter(フォーカスライター)』を執筆ツールに据えてからそろそろ1年が経つ。そろそろ善し悪しがわかるレベルにまでは使い込んだと思うので、フリーニャンス(@yadomin_)がこの好いてやまない執筆ソフトを紹介していく。

今までさまざまなテキストエディタを使ってきたが、これは特に「1000文字以上のブログやライティング」をする際におすすめしたいエディタだ。

本記事は、Webライター的な視点から

  • どんな人・用途に向いているか
  • Focuswriterのすぐれた点・メリット
  • 使ううえで注意したいこと・デメリット
  • インストール方法

を伝えていこう。

ちなみに、この記事もFocusWriterで書いた。

 

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シンプルでオシャレ、とにかく集中したい人に向くエディタ

『FocusWriter』のすぐれた点は、フォーカス(集中)するために必要な環境を自分で設定できる、という点だ。

以下で、僕が実際に使っているカスタマイズの一例を紹介してみる。

 

いかにも集中できそうな真っ黒のテーマ。目が疲れにくそう。背景は自作。
すたーばっくすとかで使うとモテそう。
集中できるかどうかはさておいて、こういうテーマにしてもいい。

設定したテーマはいくつでも登録できるので、たとえば僕はその日の気分によってテーマを使い分けている。上記の画像だと、集中したいときは真っ黒いテーマ、ちょっと楽しく書きたいときは一番下の「マインクラフト」テーマを使う。

ちなみに、上記テーマで使っている壁紙は、海外の壁紙配信サイトWallpaper AbyssWallpapers Craftのもの。この2サイトは、個人利用の範疇であれば無料で利用可能だ。

「編集しながら書く」「コードを打つ」「文書を作る」のには不向き

FocusWriterは、「文章のみに特化したテキストエディタ」のひとつだ。画像を貼り付けられないし文字配置も細かくできないので、文書作成を主な用途とするWordとはそもそもの役割が違う。ましてやコードを打つのには致命的に向いていない。

そういった意味では、使う人を選ぶかもしれない。一方、「文章を書く機能だけのテキストエディタがほしい」という目的でいえばかなり向いているエディタだ。

では、続いてFocusWriterを実際に使い倒してみて感じた、すぐれた点を紹介していこう。

FocusWriter(フォーカスライター)のすぐれた点

https://gottcode.org/focuswriter/

あくまでいくつかのエディタとWordとの比較になるが、FocusWriterのすぐれた点を挙げていこう。

  • 無料で軽い。Win版・Mac版・Linux版あり
  • 文章特化型の「書かざるをえない」エディタ
  • 見た目はシンプルなのに機能は必要十分
  • 背景からボックスの大きさまで自分好みに

メリット1:無料で軽い。Win版・Mac版・Linux版あり

「FocusWriter」は0ドル~20ドルまで好きな額を支払ってダウンロードできるエディタだ。無料でDLしてもいいし、「無料で使うなんてとんでもない!」と思うなら、お金を払ってもいい。

似たような「書くことに特化したエディタ」には、「Writeroom」や、「Byword」があるが、あちらは有料なうえ、MacOSでしか使えないというWin勢的に致命的な弱点がある。

しかし、こちらはWin版だけでなくLinux版まである。さらに、有料のWriteroomやBywordにも負けないくらい、執筆に必要な機能は十分すぎるぐらい揃っているのがポイントだ。シンプルなぶん、低スペックのPCでも非常にサクサク動く

メリット2:文章執筆に特化した「書かざるをえない」エディタ

起動した瞬間から「さあ書け」といわんばかりに、ただテキストボックスのみの画面が現れるのがFocusWriterの特徴であり、メリットだ。Word2016などは新しく新規の文書を作る必要があるが、そういったワンクッションは挟まずに書き始められる。

もちろん、全画面表示にしている間は、タスクバーも表示されないしうっかり他のウインドウを見ることもない。こうなるともう集中して原稿を書かざるを得ない、という状況を作り出せる。

これは持論だが、執筆においては何よりも初動の勢いが大切だ。勢いを殺すことなく書く環境を一発でつくれるこのエディタは、僕にとって非常にありがたい。

 

ただ、サボれないようにして無理矢理集中させる」たぐいのツールではないから、そちらの効果を求めているユーザーにはあまり向いていない。Alt+Tabキーを押せば別ウインドウに切り替えられるし、F11を押せば全画面表示を終了させられるためだ。

受動的ではなく能動的に、気持ちを切り替えて書きまくりたい、というニーズに確実に応えてくれるツールであることは間違いない。

メリット3:見た目はシンプルなのに機能は必要十分

書くことしかできないのではないかと思ってしまうが、メモ帳の数十倍は高機能なので安心してほしい。以下のように、最低限欲しいひととおりの機能は備わっている。

Point

  • 自動保存
  • 6形式で保存可能(docx、txt、text、rff、odt、fodt)
  • 見出し、アウトライン機能
  • 書式設定(文字装飾、インデント、割付など)
  • 検索、置換、スペルチェック(英語のみ)
  • 文字数カウント(文字数・段落数・単語数など)
  • ドラッグした範囲の文字数カウント

さらに、執筆に集中できるような以下の機能もある。これは、Windows向けテキストエディタではなかなか珍しい。

タイマー機能、日毎の進捗機能

まず、タイマーと進捗。タイマーは別で用意すればいいじゃんという声が聞こえてこなくもないし、実際タイマー機能は個人的に使っていないが、何かと捗るのでよし。

タイマーは、時間指定と時刻指定のふたつがあり、シーンに合わせて柔軟に設定可能だ。一度設定したアラームは、設定履歴からまたすぐ同じ設定で起動できる。

 

日ごとの進捗は、目標を執筆時間か文字数から設定でき、毎日それが達成できているかをカレンダーで確認できる機能。下画面で邪魔にならない程度に常時表示できるので、モチベーションにつながる。履歴は保存でき、連続執筆期間を表示できる機能もあり。

フォーカス機能

現在のカーソルがある範囲(1行、3行、段落)以外の文字が暗くなる機能。説明してもピンとこないかもしれないので、以下の画像を見て欲しい。

このように、現在書いている範囲がハイライトされることで、「今どこ書いているんだっけ?」と迷子になりにくくなる。あとなんかすごく集中できている気がする。

タイプライタースクロール

ざっくり解説すると、これは「カーソルが常に中央になるように文書が自動スクロールされる」機能だ。主にMacOS向けのテキストエディタで採用されている印象がある。

使ってみればわかるが、カーソルが迷子にならず、かつ常に画面中央を見続けていればいいこの機能は見た目以上に執筆を捗らせてくれる。

タイプライター音が鳴る

タイピング音やエンターキーを押したときに、音が鳴るように設定できる。音源は決まっていて、オンオフで選択可能だ。

書いている間のBGM代わりにしてもいいし、書くのが楽しくなる効果もある。

メリット4:背景からボックスの大きさまで自由に調整できる

先ほど紹介したように、背景は自由に設定できるし、テキストボックスを透明にすることもできる。これだけ自由度の高いエディタも珍しいのではないだろうか。以下は設定できる箇所の一例だ。

Point

  • フォント・フォントサイズ
  • 背景色or背景画像
  • テキストボックスの位置・大きさ・不透明度・影・ぼかし・角丸
  • マージン・段落間のマージン
  • 行間スペース

ちなみに僕は、一般的なメディアが1行40字なのに合わせて、フォントサイズを12pt、ボックス範囲を675px、マージンは65pxで設定している。

 

上記がFocusWriterの魅力だが、長く使っているとそれなりに慣れというか、我慢するところも必要だった。続いて、FocusWriterのデメリットも紹介していこう。

FocusWriter(フォーカスライター)にはこんなデメリットも

FocusWriterにも、それなりに目に付く欠点はもちろん存在する。ある程度は我慢しながら使っている部分だが、ひょっとしたら簡単な解決策があったりするのかもしれない。

以下の2項目には注意が必要だ。

  • アウトライン機能が使いにくい
  • 見出し解除のショートカットが設定できない

アウトライン機能が使いにくい

FocusWriterにもアウトライン機能はあるが、困ったことに段落か見出しに応じて自動で設定される。

Wordのように見やすく階層表示がされるわけではない(というか、どう使うのか未だによくわかっていない)ので、正直ちょっと使いづらさは否めない。別途アウトラインプロセッサを用意するか、手元にメモ帳でも置いて確認しながら書くと良いだろう。

ちなみに、僕は「WorkFlowy」というアウトラインプロセッサで大まかな構成を作ってから、FocusWriterにコピペして仕上げるという手法をとっている。

見出し解除のショートカットが設定できない

わりと困っているのが、見出し設定を解除するためのショートカットキーが設定できないという点。これが影響して、FocusWriterで見出しなどを成形するのは諦めている。

結論として、別途アウトラインプロセッサ・Wordなど構成をメモできるものを用意するのがおすすめだ。

構成作りには他のソフトやメモ帳のほうが向く

とはいえ、上記の欠点はツールを使い分ければ補えるので、別段支障をきたしているというわけではない。ただ、あくまで構成などもFocusWriter側でカバーしようとすると、使いづらさに肩すかしを食らうかもしれないので、注意してほしい。

それでは、最後にインストール方法を紹介していこう。

FocusWriterのインストール方法

FocusWriterは、公式サイトからインストールできる。まずは以下のURLから配布ページにアクセスしよう。

 

 

英語だらけでさっぱりわからないと思うが、とりあえず右側のメニューから使用するOSを選択。

ダウンロード時にはチップを支払うことができる。応援したい人は20ドルまで払えるので任意の金額を選び、無料でDLするなら0ドルを選ぼう。

https://gottcode.org/focuswriter/

チップを払う場合、PayPal決済となるのでPayPalアカウントが必要となる。

ダウンロードが完了したら、設定ウィザードが表示される。ライセンス契約に同意し、保存先フォルダを決め、ショートカットを作成するかどうかを決め、インストールしよう。

インストールが完了したら、アプリケーションを開こう。下記画像のようなロゴが表示されれば、インストールは成功だ。

 

自分好みにいろいろとカスタマイズしてみよう

自分で好きなように作業環境をいくつも作れるエディタ、FocusWriter。カスタマイズしているとつい時間を取られてしまうが、それもこのエディタの楽しみの一つだ。

特に、以下の点においては非常に優れている。

Good
  • 無料なのに、有料のWriteroomやBywordに負けない機能性と快適さ
  • 好きなようにテーマやテキストボックスをカスタマイズできる
  • 全画面表示で執筆に集中する環境を一瞬で整えられる
  • 書くのに必要な機能(書式設定や文字数カウント)は一通り揃っている
  • フォーカス機能やカーソルが中央になる「タイプライタースクロール」も

 

反面、以下のような点には弱い。

Bad
  • アウトライン設定が少々貧弱なので、構成や様式を細かく整えるのに不向き
  • 画像を貼れないので編集しながらは書けない
  • コードを書こうとするとすごいストレスになると思う

 

あくまでブログやライティングなど、スピーディーに書き進めることを目的とした人向けだ。

とはいえ、すべて日本語なので、設定はしやすい。まずはテーマをいじってみて、自分の好きな壁紙を貼り付けたりするといいかもしれない。

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