ソフトバンクは2018年7月20日、都内で法人向けイベント「SoftBank World 2018」の2日目を開催した。初日の基調講演にはソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が登壇したのに対し、2日目の基調講演はソフトバンクの宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)が務めた。宮内社長は「The Power of Data」をテーマに、データのコピー・アンド・ペーストといったPCの定型作業をソフトウエアロボット(ソフトロボ)で自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や人工知能(AI)を活用するソフトバンク社内の事例を紹介し、来場者にデジタル化への対応を呼びかけた。
アリババグループのデータ量はソフトバンクの1000倍に
冒頭、宮内社長は4年前に講演した中国ネット大手アリババ集団のジャック・マー会長の発言に触れた。「マー氏は石炭、石油の後にデータの時代が来ると予測した。4年後の今、それが実現している。来場者の皆さんもそれぞれの業界でデジタルプラットフォーマーになるという視点を持ってほしい」と呼びかけた(写真1)。
データの活用について、宮内社長はアリババ集団が扱うデータが1000ペタバイトに達していると話し、「ソフトバンクの1ペタバイトに比べて1000倍だ。スマート決済や顔認証、スコアリングの活用など、中国は米国を超える進化を遂げている」と指摘。その背後にあるアリババ集団のパブリッククラウドサービス「Alibaba Cloud」を紹介した。
日本国内ではAlibaba Cloudをソフトバンクとアリババ集団の合弁会社であるSBクラウドが提供している。日中間の高速ネットワークをバックボーンに、7月からは日本向けにAIやIoT(インターネット・オブ・シングズ)に関するサービスを提供開始したという。宮内社長は「アリババが提唱する『ACID+S』、すなわちAI、クラウド(Cloud)、IoT、データ(Data)にセキュリティ(Security)を加えたものを、1つのパッケージとして提供していく」と話した。
アリババ集団からは、Alibaba CloudのIoTビジネスを統括するクー・ウェイバイスプレジデントが登壇(写真3)。Alibaba Cloudのシステム構成のほか、中国政府とともに取り組むスマートシティ「雄安新区」や江蘇省無錫市のIoTタウンを紹介した(写真4)。
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