設計プロポ手続き開始 無線通信システム整備へ 概算総事業費1.8億(色麻町)
加美郡色麻町は、老朽化した有線放送設備に代わるデジタル方式の無線通信システムを、来年度から平成26年度までの3カ年で整備する。
3カ年の工事や備品購入などに要する費用は、概算で1億8,000万円以内と想定している。
実施設計は今年度中に完了させ、設計成果に基づいて来年度予算に必要な工事費などを計上する構え。
実施設計者の選定は公募型プロポーザル方式で行うこととし、27日に公募手続きを開始した。
プロポの最優秀提案者は来月11日には決定、通知し、同者を優先交渉権者として契約に向けた協議に入る。
協議が順調に推移すれば、同月中には契約締結の運びとなる。
同者には来年度から3カ年の施工監理業務も随契発注される予定。
なお、仮に契約協議が不調に終わった場合は、プロポの次点者との交渉に移る。
実施設計業務の委託費は、一般会計の9月補正予算に「情報通信施設実施設計」の名目で840万円を計上している。
また、関連費用としてプロポ審査の支援業務を外部コンサルに委託するための費用50万円、審査を担当する審査委員会の委員謝礼(報償費)2万3,000円も確保した。
プロポの審査委員会は学識者や町幹部職員ら11人で構成、委員長は富樫敦宮城大学教授が務める。
新しい無線通信システムはモバイルWiMAX(802・16e)技術を採用し、町内全世帯(1,965世帯:8月末現在)と全事業所に端末を配備。携帯端末による移動通信にも対応する計画だ。
これが稼働すれば、従来の電話・放送機能だけでなく、双方向のデータ通信が可能になる。
活用方法としては例えば、災害時に住民が近所の道路や河川・水路などの被災状況をデジタルカメラで撮影し、画像ファイルを添付して町役場に送信するといったことが考えられる。
回線の通信容量や端末の性能によっては、動画のやり取りが行える可能性もある。
既存の有線放送は、昭和33年に本放送を開始。機能的には加入者間の通話や、行政からの情報提供(音声)に限定されているが、多くの町民に親しまれ、現在でも全世帯の7割に当たる約1,200世帯が加入。3月の東日本大震災では、停電時でも防災・復旧情報などを放送し続けるなど、重要な役割を果たしている。
現在の設備機器は平成5年に整備されたもので、老朽化が進んでいる。定期交換部品の入手も難しくなってきていることや、国が自治体の放送設備のデジタル化による機能強化を推進していることもあって、デジタル無線方式への全面的な移行が決まった。
新システム整備は「王城寺原演習場関連公共用施設整備事業」の一環とし、防衛省の補助を活用することにしている。
実施設計プロポの参加資格、日程、設計業務の概要などは以下のとおり(※プロポ公告、要領様式などは町ホームページに掲示中)。
【色麻町情報通信施設実施設計・工事監理委託業務プロポーザル】
〈日程〉
▽参加申請書類の提出期限=10月7日午後1時。提出方法は持参
▽参加資格審査結果の通知=10月11日午後5時までにファクス送信
▽質問=10月3日正午までに所定様式でファクスまたは電子メールで提出
▽回答=10月4日午後5時までに個別に行う
▽企画提案書の提出期限=11月1日午後5時。提出方法は持参
▽審査結果の通知=11月11日までに書面で通知する
〈参加資格〉
モバイルWiMAX技術による無線システム施設の調査、設計、工事監理業務の実績があること、無線局免許申請取得の実績および事業者開局実績があることなど
〈業務概要〉
▽整備する無線システムの概要=[1]色麻町においてモバイルWiMAX(802・16e)技術による無線ネットワーク設備を整備[2]町内全戸(事業所を含む)に端末装置を配置し効果的な双方向情報伝達を行う[3]屋内外にいる住民(町周辺にいる町民を含む)に既存端末装置等(携帯電話等)による双方向情報伝達(モバイル通信)を行う[4]防災関係者等の特定者に対する個別情報を伝達[5]公共施設間等でデータ通信を行う[6]センター設備、無線局設備、端末装置に長期停電に対応した非常電源装置を整備(計画容量は7日間程度)[7]総事業費は1億8,000万円の範囲内※設計費、施工監理費を除く
▽業務の概要=[1]無線システム整備実施設計[2]無線システムを運用するための無線局免許申請から取得までの業務一式[3]無線システム工事監理
〈業務期間・契約〉
▽契約方法および予算額の範囲=選定された事業者と23年度実施分については提案のあった見積金額以内で随意契約するものとし、24年度以降については再度見積書を徴収し随意契約する
▽年度ごとの業務内容=23年度(単年度契約)実施設計業務(無線局免許申請業務を含む)、24~26年度(複数年契約)工事監理業務(無線局免許取得に係る変更申請等を含む)
▽提案できる見積額=実施設計業務は800万円以内、工事監理業務は730万円以内(いずれも税抜き)の範囲内とし、各業務ごとに見積金額を記載すること
▽業務委託期間=契約日から26年度まで(ただし実施設計委託業務は24年3月12日までに行う)
〈業務の目的〉
平成5年に整備した有線放送施設は、運用開始後18年が経過し老朽化したため、王城寺原演習場関連公共用施設(通信施設:情報提供施設)整備事業(以下「本事業」)により、新たな施設を整備する。本事業により整備する施設は、総務大臣が許可する無線局免許により運用する無線通信システムで、住民間の通信や行政情報提供に加え、防災・防犯・福祉分野等広範な分野で利活用し、様々な今日的課題解決を図ろうとするもの
〈担当課〉
町総合振興課政策推進室