3敗の朝乃山は巧者の妙義龍との攻防のある展開を制して、新入幕だった昨年秋場所以来となる2桁勝利をマークした。「うれしい。調子が良くなければ2桁は勝てない」と、日に日に自信が増してきているようだ。
妙義龍の押しに攻め込まれて体勢が崩れたが、詰まった土俵際で左足を踏ん張り、左上手に手が掛かった。そこからの逆襲は迫力十分。しっかりと引きつけて寄り切り。「体が動いているから残れたし、攻めも速い」と手応えをうかがわせた。
直前の一番で同期の豊山が3敗を守った。朝乃山はこれを見て、「目の前で勝ったので、刺激になった」と発奮。御嶽海との2差をキープする白星につなげた。14日目は遠藤戦。勝てば3敗を保つことになり、逆転での初優勝の可能性が残る。
「意識したら、硬くなる」と語る本人は無欲の姿勢を強調。「あと一つ勝てば敢闘賞をもらえるかな…。あしたは人気力士(遠藤)を倒して、僕も人気力士になりたい」と上機嫌だった。