それは小さな恋心   作:belgdol

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タンポポの花

―胸に咲いたのはタンポポの花。それはきっと、暖かい陽だまりでした。

 

 アインズ様の前で両手をあげて。

 

「ん」

 

 っていうだけいってぴょんぴょん跳ねて見せるだなんて、ちょっと不敬かなー、なんて思いもしたけど。

その時のあたしは、そうしたかったのだ。

ちょっとした打算もあった。

アインズ様はお優しくて、あたしは子供だ。

だから、このくらいの我儘なら許していただけるんじゃないかなって。

 

 そして、その期待は裏切られずにあたしとマーレはアインズ様のお膝の上をゲットしたのだ。

骨しかない太ももの上に座るのはちょっと、お尻が痛かったけど。

そんなの不敬だとか、考えちゃいけないとか思う暇もないくらい、その時は幸せだった。

 

 アインズ様にお会いしたくなったんです、って言ったら。

アインズ様もあたし達に会えて嬉しいって言ってくれたし。

天にも昇る心地って、多分ああいう時のことをいうんだろうね。

 

 アインズ様から頂いたぶくぶく茶釜様のお声が聴ける腕時計の時報もこの上なく素敵だけれど。

やっぱり、直接至高の御方に触れて、私という個に向かってお声を掛けてくださるのは特別。

お傍に置いていただけて幸せ。

もうあたし断然なんでもやっちゃうからね!って感じ。

 

 でもさぁ、ちょっとアルベドの視線が怖くなるかなーって思ったら。

シャルティア相手なら眼を三画にして怒るだろうアルベドがさぁ。

一緒にお膝の上に乗せて頂いたマーレとあたしを羨ましそう……ちょっと違うかな……?

切なそうに視ててさ。

 

 さすがに悪いかなーなんてちらっと思ったんだけど。

「おぎゃあ」はないよね、「おぎゃあ」は……。

 

 まぁそこまでしたらさすがのアインズ様も折れたから、マーレはアルベドと交代したんだけれど。

その後は悪いかなーって思ったの思わず内心で撤回しちゃったよね!

ア、アインズ様に香水のにおいを嗅がせるなんて!

それにアインズ様も応じちゃったから、ちょっとあたしも嫌な感じがでちゃった。

今思うとアレは不敬だよねー、アインズ様が御咎めにならなかったからよかったけど、あれはあの場にデミウルゴスがいたら叱られてた。

ああ、そもそもアインズ様の太ももに乗せてもらうのなんかデミウルゴス的には論外かも?

 

 まぁ、なにはともあれ。

アインズ様に大好きって言われて。

アインズ様のお膝に乗って、甘えて。

私の胸にはタンポポの花が咲きました。

いつか綿毛になって飛んでいくときは、どうかアインズ様の所に届きますように……なんてね!







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