怪談物語の第9回ゴーストでは、カンザシ屋の主人 喜左衛門が、亡くなった妻のおはつに悩まされていきます。なぜなら、この妻は大変嫉妬深い女性で、亡くなった後も夫が他の女性と婚約する事を許さずに何回も幽霊となって出てくるからです。そこで、どのような内容になっているのか、詳しく紹介しましょう。
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『怪談百物語 第9回ゴースト』のキャスト
嫉妬深い妻の幽霊が出てきてしまう『怪談百物語 第9回ゴースト』に登場する人物や役者さんたちは、以下の通りです。
- 蘆屋道三/お見合い相手に失望する陰陽師(演:竹中直人)
- 小夜/父の道三に寄り添う娘(演:大村彩子)
- 喜左衛門/カンザシ屋の主人(演:仲村トオル)
- おはつ/喜左衛門の妻(演:松下由樹)
- おまさ/喜左衛門のお店で働く女性(演:池脇千鶴)
- 忠吉/渡辺哲にお金をたかる男(演:渡辺哲)
- おもん/喜左衛門のお見合いの相手(演:三浦理恵子)
- おゆら/道三のお見合いの相手(演:ふせえり)
『怪談百物語 第9回ゴースト』のストーリー
喜左衛門は、妻が亡くなってから、何回もお見合いをするようになりました。所が、決まってお見合いは破談となってしまいます。その原因は、嫉妬深い妻のせいだと思って、喜左衛門は頭を悩ませる日々を送っていたのです。
喜左衛門の美しいお見合い相手おもん(起)
道三が、自分の好みとかけ離れた、おゆらという女性とお見合いをしている時に、喜左衛門はおゆらという美しい女性とお見合いをしていました。所が、下駄の紐が切れてしまって、何か不吉な予感を感じさせました。所が、なぜか喜左衛門は「ふっ」と笑って気にもとめません。
なぜなら、喜左衛門がお見合いをするたびに亡くなった妻の幽霊が嫌がらせをしてきたからです。今回も妻の仕業だろうと重く受け止めませんでした。
亡くなった妻と口論する喜左衛門(承)
かんざし屋に戻った喜左衛門は「お前だろう、おはつ!」と呼びかけたら、やはり妻は幽霊となって現れました。喜左衛門は「お前のせいで、今まで何回お見合いがダメになったと思っているんだ」と言いますが、おはつは「嫌だねぇ、勝手に人のせいにして」とマトモに取り合ってくれません。
そこで、喜左衛門は「前にお見合いをした女が言ってたんだよ、山姥(やまんば)みたいな女が出てきたって」と言ったら「あの女、そんな事を」と答えてしまいます。これに喜左衛門は「ほら見ろ!お前だと思っていたんだよ」と呆れ果てました。
しかし、嫉妬深い妻は「だったら、言わせてもうらけどね、あの女は性格に問題があるから、あんな女のもとで働く使用人が可哀想でしょうがない」と言い始めて、激しく口論してしまいます。そこへおまさが部屋に入ってきて何事だろうと戸惑ってしまったので、喜左衛門は何とかごまかしてしまいました。
おはつが幽霊になっても店を守る?(転)
喜左衛門は、妻の幽霊を気にしないで、おもんと仲を少しずつ深めていきましたが、何とおもんには、深い関係にあった忠吉がいたのです。その忠吉は店にまで押しかけていき「人の女に手をだしやがったらからには、金を出せ」と迫ってきました。
その金額は法外な値段で、喜左衛門はきっぱりと断ります。これに納得できない忠吉は刃物を突きつけますが、そこに般若のような顔をしたおはつが現れて、逆に刃物が男たちに向かってきたのです。そして、おはつは「これでも、まだ欲しいか」と部屋を覆うほどの大きな顔となって迫り、男たちは「い、い、いりません」と逃げていきました。
そんな大変な思いをした喜左衛門ですが、使用人のおまさは「旦那様に怪我がなくて良かったです」と涙ぐんでしまいます。そんなおまさに、喜左衛門は少しずつ意識をするようになりました。そして、喜左衛門は思い切って、おまさに妻になって欲しいと頼んで、二人は夫婦になったのです。
おまさも認めない幽霊(結)
店の者たちは「おまささんなら大丈夫ですよ」と、性格の良いおまさを褒めちぎります。そして、店もの者は「おまささんなら、おはつさんも認めてくれますよ」と笑って、喜左衛門は「そうだと良いけどねぇ」と顔をひきつらせて、何とか笑います。
しかし、夜になったら、やはり亡くなった、おはつはおまさを認める訳もなく、何と刃物でおまさを刺そうとしてきたのです。喜左衛門は急いでおはつを止めて「この子には何も関係ない、やるなら、俺を刺せ」と言って目をつむります。しかし、妻になったばかりのおまさは「お前さん」と喜左衛門を慕う寝言を言ってしまいます。
それを聞いたおはつは、このまま亭主を刺していいものなか悩み始めます。はたして、おはつは亭主をこのまま刺してしまうのでしょうか?
『怪談百物語 第9回ゴースト』の豆知識
嫉妬深い妻の幽霊が迫ってくる『怪談百物語 第9回ゴースト』に関連する豆知識を紹介するので、良かったら、ご覧になってみて下さい。
映画『居酒屋ゆうれい』
今作と似たようなストーリーで、亡くなった妻が、夫が他の女と一緒になるのが許せなくて幽霊になって現れる映画があって、それが『居酒屋ゆうれい』です。ただし、公開された日は、居酒屋ゆうれいのほうが早いので、正確に言えば、怪談百物語のほうが居酒屋ゆうれいに似たストーリーと言えます。
この映画は、あまりにも昔の作品なので、予告動画は見つけられませんでしたが、妻が臨終の際に「他の女と結婚したら、化けて出てやる」と笑って亡くなっていきます。この時は他の女と結婚するつもりはなかった亭主は安請け合いして、他の女と結婚しない事を約束してしまう訳です。
幽霊が出るので、ホラー映画のようなイメージを抱くかもしれませんが、この映画は少しコメディーの要素が強いので、怖がりな方でも楽しみながら見る事ができます。
おはつおまさの関係
嫉妬深いおはつですが、おまさだけには簡単に手を出せませんでした。その理由は、おまさが、喜左衛門と妻おはつが団子屋で仲良く話し合いながら団子をほうぼっている所を少女時代の時に見ていたからでした。おまさは、その話を嬉しそうに喜左衛門に話していたので、おはつは簡単にはおまを手にかけられません。
さらに、おはつは忠吉たちを追い払ってくれた、おはつに手を合わせてお礼を言うので、ますます、おはつは苦しんでいく事になるのです。
『怪談百物語 第9回ゴースト』の感想
亡くなった妻が幽霊となって、夫の行動を監視してしまう『怪談百物語 第9回ゴースト』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。
『怪談百物語 第9回ゴースト』の残念な所
居酒屋ゆうれいでは、妻が亡くなるシーンが出てきますが、怪談百物語では嫉妬深い妻が亡くなるシーンが出てきません。そのため、居酒屋ゆうれいに比べたら、その辺りは少し残念だったなという感じがしましたね。
その他では美談の話ですが、今回は怖い幽霊とな現れるシーンが少しだけ出てくるので、それでも良かったかなという感じもしました。
『怪談百物語 第9回ゴースト』の見所
おはつが幽霊となって怖がらせるというよりは、少しほのぼのとした内容になっています。私は、怪談ものは美談よりも怖いほうが好きなのですが、今回ばかりは、おはつやおまさたちが、お店を何とか守ろうとするシーンに癒されましたね。