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道路を吹き飛ばしたにしては土量が少ない?

 西日本高速が道路の崩壊を見つけたのは7月8日午前8時35分ごろ。午前7時5分ごろに巡回した際に異常はなかったという。現場を含む仁保IC―呉IC間は6日午後6時42分から通行止めとしており、崩壊による人的被害はなかった。

 現場付近では、通行止め開始直後の6日午後7時10分に1時間雨量74mmを記録。5日の降り始めから被害を発見した8日午前8時35分までの累積雨量は464mmに達していた。

広島呉道路の被災箇所付近の雨量(資料:西日本高速道路会社)
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 現地を視察した検討委員会の村田秀一委員長は、次のように指摘する。「当初は土石流で道路が流失したと考えていたが、現場の様子やドローンの映像を見る限り、道路を吹き飛ばすほどの土量ではないと感じた。土石流が道路の崩壊に影響しているのは確かだろうだが、土石流の発生と道路の崩壊にはかなり時間差があるのでは」。

西日本高速道路会社が立ち上げた検討会で委員長を務める村田秀一・山口大学名誉教授は、「ガードレールがそのまま残っているのは特異な現象だ」と語る(写真:日経コンストラクション)
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土石流の発生箇所と崩壊した広島呉道路をドローンで撮影(動画:西日本高速道路会社)